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つくものかみの言うことにゃ
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【リボンはハンチング帽の夢を見るか】
うっすらと夜が明けようとしている。
ベッドの上では、幸せで楽しく、そして少しカオスな夢を見ている、破天荒な少女が眠っている。
その窓からカーテン越しに、大人びた三面鏡に置かれた一つのリボンが、ほんのりと月明かりを浴びていた。
長く過ごして来た月日と年を重ねて、それはほんのりグラデーションのように一部が色褪せている。
それでも、その古いリボンは、少女が身嗜みを整える三面鏡の前に、今も現役の髪留めとして大切に置かれていた。
それは、ここ寝子島に来る前、ずっと一緒にいる自分の護衛役の少年からもらった大切なリボン。
都度、その護衛の目から呼吸するように姿を消しては、少女は、嵐の如く一人で単独行動をしてきた。しかし、少女の髪にこのリボンさえあれば、矛盾しているようだが、その護衛役の少年が傍にいるような気がして、いつもとても心強いのだのだと──
しかし、本人にそれを言えば頭を打ったのかと言われかねない現状。
それでも感謝の念を送り続けた、少しほつれたリボンへ向けて、気まぐれに神魂が溶け込んだ。
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「朝ーーーっ!! ミダシナミ Time!」
トワ・E・ライトフェロゥ
の朝は、いつも賑やかだ。
目覚ましの鳴る前にベッドから飛び起きて、先立ってこれから鳴ろうとする目覚ましをピタリと止める。
ベッドから元気に降りれば、真っ先にすべきは寝起きでも綺麗な輝きのブロンドの髪を梳かしてポニーテールに結び上げること。
大きめのヘッドのブラシで、ボリュームのある髪を梳いていく。
「今日はなんだか特別な出来事が起こりそうな気がするのデス。
異世界に行ったりするのはもちろん、
天国に行ったり水中にいったり動物になったり、
過去に行ったり未来にいったりするよーなー」
トワは気持ちよく梳けるようになった髪と共に、謳うように受ける感覚を口にする。
心がいつもより何だかそわそわする──こんな時は、必ず何かが起こる。直感と合わせて寝子島で起こった今までの不思議な体験談がそう告げているのだ。
「そゆ時はーこの特別なー。
Specialなー」
しかし、その感覚を明確な単語では表せず、少しもどかしい思いをしながら、いつも髪留めのリボンが置いてある場所へと手を伸ばして──
「……? ──?」
手探る。しかし──そこには何もない。
「ヌヌヌ!
大変なのデス!『カエデ』が無いのデス!」
勢い良くスタンドアップ。トワが煌めく青の瞳を見開いて、名前と共にその一大事を叫んだ──刹那、
「おはよう。朝からやかましいな。
──で、誰が無いって?」
背後で、ノックから一拍も置かずに声が掛かった。
そこには、トワの身辺護衛を任されている
夜海霧 楓
が、日常の事ながらも自分の名前が叫ばれた事に僅かな不思議を滲ませた様子で立っている。
「カエデは居るのデス!」
ストン、とそれを見たトワが、楓と向かい合うように膝を揃えて椅子に座り直す。
「今日の朝食はハムトーストだ。早く来ないと冷めるぞ」
トワの様子はおかしかったが、いつもの事とばかりに、特に気にする事なく楓はリビングへと戻っていった。
「……うぅむ、仕方ないのデス。代わりにこっちを付けて行くのデス」
取り敢えず大事なことではあるのだが、楓は戻ってしまったしハムトーストも冷めてしまう。
楓への説明は後にする事にして、トワはあまり使う事のない代わりのリボンを髪留めとして、可愛らしいポニーテールを結んでリビングへと向かっていった。
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
「リボンが無いって……
──付けてるじゃねーか」
あっさりと楓の視線がハムトーストへと戻される。
「違うデス! だからその『カエデ』が無いのデス!
──カエデは居るのデス!」
本日ニ回目のキリッとした着席をするトワ。その傍らで、
「うん? それじゃない?
成程、今日もお嬢は良く解らん」
しかし、それも楓には日常過ぎるほどに日常で、呼吸するように話題をスルーした。
そのような、本日二回のやり取りに『この通じない理不尽さよ……!』そんな思いで、トワが両手を震わせるが、これは確かに文言にするならば、『若干ながらに非常に良く分からない』レベルの事態へと陥っていた。
「このトワ!
人からもらったものは使い切る自負があるのデス!
無くしたら困るものデスケド、使わないというのはシツレーだと思うのデス!」
「とりあえず座って食え。話はそれからだ」
「ぐぬぬ……」
勢い良く立ったトワ、三度目の着席。
トワが呼んでいる『カエデ』は、昔と言って良いほどの前に、目の前の人物からもらって髪留めにし続けてきた大切なリボンだ。
それが無くなった。本当にトワにとっての一大事な問題だ。
しかし、その切実さのアピールとして『リボンを着けると、一人で単独行動しても安心出来る』という思いなどを、本人に話そうものなら『頭でも打ったのか、熱はないな』という新しい誤解しか生みかねないことを、トワは非常に良く知っていた。故に、
「仕方がないノデー、トワ一人で探すのデス!」
楓の協力を仰ぐのは断念して、トワはどこかに行ってしまったリボンを探す為に、ハムトーストをぱくぱくと行儀良さそうに口にかじり運ぶ事にした。
(リボン……
そういや、大分前に髪留めとして使ってたリボンをトワにやったような気がするが)
ハムトーストを食べるトワの姿を見ながら、ふと楓は遠い昔の記憶の糸を引っ張ったような、懐かしい出来事を思い出していた。
トワと共に本土から寝子島に来る前。楓は確かに、トワに自分が髪留めに使っていたリボンを渡した事がある。しかし、
(いやまさかな。
あげたつっても寝子島に来るより前の事だし……
幾らなんでも、ボロボロになっててもおかしくない)
違う物のことだろう、楓もそう思い直して、改めて朝食に手を伸ばす。
「部屋にはなかったデスカラー。
学校の教室かもしれないのデス!」
そして楓はこっそり、トワが思考をまとめる為に言葉に出す独り言に耳を傾けた。
(──家の中になかったから、出掛ける気なんだろうが、夏休みなんだから学校開いてないだろ)
楓の冷静な突っ込みは、その胸元にきちんと収められる。ここでトワの思考についてを指摘したら、本人も考えなしで家を飛び出し、路頭に迷って一日無駄に過ごして終わるという可能性も充分に起こり得る。
それならば、護衛としては移動場所と行動を把握した上で後をついていった方が、遙かに効率が良い。それを踏まえての聞き耳を立てた上での、思考のみによる沈黙である。
「そうとなれば、外出準備なのデス!
まずはー」
きちんと朝食を食べ終わったトワが早速外出準備を始める。
それを見ながら、楓は初心の心構えを改めて心に思い収める。
トワの護衛の本筋は『如何にターゲットから目を離さずに視界に置くか』である。本当に一瞬目を離せばその距離は十メートル以上になる事も日常茶飯事の為、勝負はトワが家を出てからだろう──
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
残暑の風が心地良い一日だった。
「気持ちのいい一日デス!」
外の空気を喜ぶトワに、楓は油断してはならないと気を入れる。
同意などして、自分も一瞬でも目を離したが最後、そこに既にトワはいないのだ──強いて言うなら風のように駆け抜けた残滓が残っている程度であろうか。
そんな思いと共にトワの一歩後ろを楓が歩く。
楓がふと、目にしていたトワの服の襟首辺りに違和感を感じた。
(肩辺りのフリルが変な感じに千切れてるな。
後で直してやる、か……?)
最初はフリルのほつれだと思った。
しかし、よく見ると──
(──動いてないかアレ?)
トワの首の後ろで、赤い『何か』がゆらゆらと──生き物のように例えるならば、まるでヘビが周囲を警戒するかように動いている。
楓が思わず凝視すれば、トワと視線がぶつかり合った。
「ん? カエデ、トワの口に朝のハムトーストでもついてるデス?」
「……」
楓の沈黙に、トワが「もしや自分の後ろに何かいるのでは無いか」と、キョロキョロと右を見て、左を見る。
すると、その首後ろにいる赤い帯状の──色むらこそあるが、確かにリボンだと判断出来る──ものが、トワが右を向くと同時に右を向き、左を向いては左に移動し……
「ハッ!『ナニヤツ』デス!?」
──と、大きくトワが振り向けば、見つかりそうになった直前を察知しては、上手くその視界から隠れる──と、そのリボンは楓の前でかなりの隠蔽能力を見せつけた。
「……気のせいだったデス……?」
「……」
トワが不思議そうに首を傾げる中。
一応、楓も状況理解半ばではあるが、取り敢えずトワからそれを取ろうと、手を伸ばそうとした瞬間、リボンは主に見えないように、体をストレートに伸ばして『シャーーッ!』と音が聞こえそうな勢いで威嚇して来た。
(──成程、ボディガード)
楓が何かを悟ったように理解する。
今までの行動から察するに、どうやらあのリボンは持ち主を影ながら守るように動いているようだった。
かなりアクティブに動いているリボンだが、トワは「何もいなかった」と判断して後、驚きではあるがその存在に全く気づく様子がない。
そして、その隠遁能力の高さ故か、今まで何人もの人とすれ違ったが、誰一人としてその違和を気にした人もいない。
(トワの護衛には──)
楓はふと思ってから、トワの首から伸びる、うにうにと動くリボンを見たが、
「(ついでに)はっきり言えば、何の役にも立っていない」
「カエデ、どうかしたデス?」
「いや、何にも」
思わず口をついて出た思いを、楓は胸にしまい直した。
──どのように身を隠す擬態が得意であろうと、所詮はただのリボンなのである。こればかりはどうしようもない現実だ。
(さて、この事態をどうするかだが──)
楓は思考を巡らせる。
(まぁ、害があるなら兎も角……無いなら放っといていいか)
答えは非常にシンプルに纏まった。
「ムム……これは由々しき事態なのデス! このまま見つからなかったら、トワはー──!! 」
「まあ、そこは気にしなくていいだろ」
「Why!?」
様々な衝撃に目をごまのように可愛くも丸くしたトワに、『まさか今も問題なく身に付けている』とは言い難い楓は軽く流した。
「探偵の勘だな。大体こういうのは見つかるもんだ」
──それからしばらく。楓の張り詰めている集中はそのままだが、それを超越するのがトワである。そろそろ姿を消し始める頃合いである事まで、楓は把握している。
しかし、それでも阻止は叶わないのだから、そこにどのような秘密があるのか、今までにも楓には判明出来ていない。
(そろそろ、いつ消えてもおかしくないが)
そして後から、楓は無事だったトワからとんでもない内容を大冒険として聞かされる事になるのだが……
(今回は、離れようもねえ護衛が居るから心配は──)
『シャーッ』
目を向けた先で、長く身に付けていた元の持ち主が、無意識に親近感を感じる程に、実はそっくりな気質のリボンが『今日は一日代理』オーラをこれでもかという程に出して、楓にアピールしてくる……
(いや何の役にも立ってねぇしいつも通り心配だわ。
……しょうがねぇ、ついてくか)
そして、楓は残酷なまでにさっくりと、リボンと合わせていた視線(があったかどうかは悩ましいが)を下に向けてさっくり切って、再びまだ消えていないトワへと視線を戻した。
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「そういえば、学校はお休みだったデス!」
「いや、分かっちゃいたが──まさか本当に校門まで行かないと気づかないとはな……」
「いよいよ『ロトウニマヨッタ』感デスが、今まで全部何とかなってきたので、キット大丈夫デショー……と思うことにしたデス!」
「そうか、前向きなのは良いことだ。──だが、これ以上に前向きになられたらどうしようもないから、程々にしてくれ」
「ところで、ここどこデス? 大分歩いた気がするデス」
「──?!」
トワとは今まで離れていなかったが、その言葉に楓は驚かずにはいられなかった。
寝子島小学校に向かってから、大した時間は経っておらず大して歩いた気もしない。なのに、今いる場所には良くも悪くも古めの建物が並ぶ旧市街に近い光景が広がっていた。
無意識に歩いてきてしまったか。不意打ちだが、トワの瞬間移動の感覚が、楓にもほんの僅かだが理解出来たような気がした。
「Wow! 人形がたくさんあるデス!」
ショーウィンドウから店内へ、そこには見える範囲だがシックで高級そうな人形が沢山飾られているのが目に入った。
「ここは……」
楓はすぐに思い至った。この場所、この店は『宝石人形』という銘打たれた人形の一体──フローティアが、非売品として飾られている店だ。
「入るデス! ドール素敵なので……え?」
気が付けば先に店内に足を踏み入れていたトワが、驚いた様子で立ち止まっている。
楓も急いで慌てて後を追えば、奥まった視線の先──フローティアが安置されている場所に、先客がいた。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月29日
参加申し込みの期限
2019年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月05日 11時00分
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