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つくものかみの言うことにゃ
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【代わりには出来ない凄いところ】
そこに、一体のロボットがある。
柔らかくふかふかの手触りをした毛皮を持ったそれは、実際の猫と何一つ遜色はない外見である、と制作者が自負する程の出来映えだ。
持ち主兼制作者の想いを受けて、着実な整備によるバージョンアップと、自動学習するAIを搭載したその瞳は、少しずつだが着実に、今まで様々なものを映し込んできた。
制作者によって寝子島で生まれて。自身もその一部であるが、じっと制作者と共に流れる『思い出』を見つめてきたそのロボットに、誘われるように神魂がその中へと吸い込まれていった──
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
「さて、と……」
広い星ヶ丘寮の家の一室──電子機器の作業を専門に行う部屋にて。
八神 修
は掛けていた眼鏡を外し、ずっと作業テーブルの上に置いたままだった両腕を、一度大きく上に伸ばして細く長い深呼吸をした。
一仕事終えた様子で、ゆっくりと腕を降ろせば、体内の血流が心地良く一気に流れていくのが感じられる。
集中していたからか、思いの外、身体に負担の掛かる姿勢を取っていたのかも知れない。
窓の外には、カーテンの向こうから朝日が零れている事に、修は今になって気がついた。
「夜更かししすぎたな……だが、これで今回のメンテナンスは終わりだ」
修はそう告げては満足げに、目の前にある猫の形をしたロボット──自作である自慢の『猫形ロボットGAO改』の毛皮となっている皮膜を装着し直し、改めて電源を入れた。
瞬間、
「ん~GAOちゃんよく寝たのだ。おはようなのだやがみん。
おなかの体内時計が差している時間が遅いのだ。やがみん夜更かしは良くないのだGAOちゃんならすぐに眠れてしまうのだ」
「……!!」
突然、修の目の前にある『猫形ロボットGAO改』──略して『GAO改』が、こちらにはちわれ模様の顔を向けて、すらすらと話を始めたではないか。
「──神魂か」
驚きから僅かな間に、口許に指を当てた修はあっという間に結論を出す。
GAO改はAIによって声による簡単な受け答えは出来る。しかしそれは、近年現れ始めたPCに組み込まれた音声命令で、家の中の電化製品をオンオフに切り替えたり、スマホに組み込まれたシステムで、それを音声で操作するようなものから、その域を出てはいない。
よって、これほど自然に会話をすることは、今の修の技術はもちろん、専門家の手によってもありえないであろう。
疑いようがない、神魂の仕業である。
「……しかし驚いたな。GAO改がしゃべり出すだなんて」
納得と驚きというものは、同時に存在しうる同列の存在であるという事を、修は改めて理解する。
とはいえ、現象には納得したものの、その納得した今も尚驚きは消えないのだが──
「やがみん『GAO改』はやめて欲しいのだ。GAOちゃんもっと素敵でカッコイイ名前がいいのだ」
修が驚きながらも手早く片付けたテーブルの上で、GAO改がお尻をつけて、向かい合った両手を大きく広げてみせた。
段々GAO改が話している現象にも慣れ始めた修が、不思議そうに尋ね返す。
「え、そうなのか?」
「そうなのだGAOちゃんもっとカッコイイ名前がほしいのだ」
今まで修はずっとGAO改と共に過ごして来た。しかし、データなどを含めてもそのような情報は読み取れなかったのだ。これこそまさに、実際に会話をしてみて初めて分かった事と言えるだろう。
「……名前、か。ずっとGAO改と呼んでいたからか、とっさには──そうだな、試しに性別から付けて……」
そこで思案を巡らせようとした修が、珍しく思考が止まったのが目に見えて分かる様子で停止した。
GAO改の合成声のモデルは女性の物ではあるが──
「……GAO改の性別を作るのを、今までずっと忘れていたな……」
「やがみんはどこか抜けてるのだ……!」
GAO改がその場で頭を抱えてうずくまるように丸くなる。人であれば悲嘆を感じられるであろうが、如何せんGAO改は猫を完全に模したロボットである為、それでも可愛らしさの方が先立った。
「GAO改はどんな名前がいいんだ?」
「こう豪快奔放七転八倒痛快無比な名前がいいのだっ。例えば尻尾が八本になるようにバージョンアップして【雅皇聖天八極式!】とか! 厨学二年生が好きそうなのでっ」
「……。……」
それを語るGAO改の目は、まさにキラッキラとしていた。そこには偽ることなきGAO改の『趣味(性癖)』が含まれていた。
GAO改はインターネットへの接続環境もある。そこから中二病はもちろんのこと高二病(一括してここでは【厨二病】と定義)にも対応した、もしこの命名を例にとるならば『雅皇聖天八極式が命じる!』系の心滾らせるアニメでも見たのではないかと修は予想した。
語り合えば新しい事ばかりであるのはむしろ喜ばしいことだ。だが、この場合に限って言えば──
「……お前の趣味ってそっち系……?」
この趣味の相違は、刃物による断絶にも突然現れた断崖絶壁にも似ていた。時折、こういう残酷な事故は確かに起こるものなのだ。
「ダメ……かな……」
修の言葉にGAO改はしょんぼりと俯き、猫のなで肩を更に落とした。しかし、修にもきちんと相手の趣味を否定しないという大切な心を持ち合わせている。修はその名前の何が問題かを、すぐに問題として掬い上げた。
「俺が呼びやすいのがいいなあ」
その言葉に、GAO改がパッと顔を輝かせた。嬉しそうに右前足を持ち上げながら修に語り掛ける。
「しょうがないにゃあ。じゃあ、元々のGAOなら良いのだ。
改が付くとカッコよくなりたくなっちゃうし><」
「よし、それでいこう。
それじゃあ、GAO。あらためてよろしく」
「やがみんもこれからもどうかよろしくなのだっ」
こうして、お互いは無事に趣向という千尋の谷に橋を架けることに成功したのだ──
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
電子機器周りの作業をする為の部屋は地下にある。そこから、修と『GAO改』改め、正式に名称『GAO』となった猫ロボットが階段をゆっくりと上がっていった。
正確には、GAOのペースに合わせて修が階段を上っているのだが、当のGAOは一所懸命でそれには気づいていない様子だ。
猫の外見を保ちながらの機械の体で階段の上り下りはかなりの至難だが、それをやってのける時点でGAOはAIの実装を差し置いても、機械の中ではかなりの高性能と言って差し支えないものがある。
「GAOちゃん階段降りられないけれども上がる事は出来るのだ」
そうして自信満々に、ゆっくり確実に、一人とひとつは、一階のリビング傍まで階段を上りきった。
時間は深夜。そこでは主に屋内で飼っている、たくさんの猫達による運動会が行われていた。
バッタンバッタン音が響く。部屋中を、両手の指に余る猫達が廊下を限界まで元気に走り回っていた。傍では、円形の室内掃除機サンバが弾けるように動き回る猫達の隙間を、今にも弾かれそうな緊張感に溢れさせそうな動きで縫い進んでいる。
「やがみん! GAOちゃんアレに乗ってくるのだ!」
「ああ、いってらっしゃい」
修が笑顔で見送ると、GAOは全力で掃除機サンバがある猫達の群れの中へと駆け込んでいった。
そのまましばらく眺めていると、そこに無事サンバに乗ったGAOの姿を目にする事が出来た。修はそれにほっと一安心して、少し心を落ち着かせてから眠ろうと、ダイニングにて温かなラベンダーティーを淹れてから、再度リビングへと戻ってきた。
柔らかな湯気を上げている、ティーカップをテーブルに置いて、修がGAOはどうしているだろうかと目を当たりに向けた、瞬間──視界の中央に、よろよろと心のボロボロさが目に見えるようなGAOがこちらに向かって歩いてくる姿が。
「な……っ! どうかしたのかっ?」
GAOが修の目の前で、ぱたりと倒れ込んだ。
珍しく動揺をあらわにして、修がソファーに座り膝の上にGAOを抱き上げる。
「うぅ……だめだったのだGAOちゃん勝てなかったのだ……」
「い、一体何が──っ!」
涙ぐんだ声でGAOは、先程までの状況を話し始めた。
「サンバを堪能していたGAOちゃんは、他のお猫に誘われて一緒に遊ぶことにしたのだ……」
猫に対する呼称も、モデルにした友人の猫からあやかり取ったせいか若干不思議な呼び方だが、GAOは修の腕の中でお猫達にふるふると前足を指し示すように伸ばしてみせた。
最初は、八神家のリアル猫達と皆で何匹サンバに乗れるかを、一同嬉々として試したところ、柔軟さのせいでGAOが真っ先に落ちたということ。
急いで追い掛けて、隙間に乗ろうとしたが、やはり猫骨格に近いとはいえ、本物猫よりは柔らかくはない為に、上手くその隙間に滑り乗る事が出来なかったのだと。
「それだけではないのだ……皆仲良くしてくれたけども……」
短い時間だが、猫達と一緒に追いかけっこもしたのだという。だが、楽しかったものの、そこでもGAOはそこでも切ないほどに敗退。……もはや規格が違うのだからとしか言いようのない程の、明確な敗北だった。
「負けちゃったのだ動けるまでは勝てると今までずっと思ってたのだGAOちゃんホントはショボショボの塩性能だったのだ」
「……」
そこにあったのは、どうしようもない程の種族を超えた存在の壁だった。
修の腕の中でしくしくと悲しんで紡がれるその話に、それを聞いた修は改めてGAOを抱き締めて、自分の思いの丈を伝え始めた。
「GAO、確かに運動性能は皆には適わないかも知れない。
それでも、GAOはパソコンに届いたメールは読んでくれるし、部屋の灯りや空調もきちんと動かしてくれる。
……いつも助かっているよ。どうだ、GAOには凄い所ばかりだろう?」
そう優しい眼差しで答えた修に、GAOは目を輝かせた。
……GAOは、既に八神家には欠かせない存在なのだ。だから、修は自信を持って欲しいと思う。
それに──GAOには凄い事だけではない。
修が本土から寝子島に来て、そこで初めて製作したGAOは、それからずっと修と共に、大切な寝子島の時間と思い出を、その目にたくさん映して来たのだから──
「本当なのだっ? GAOちゃん本当に皆にはないくらい凄い所がたくさんあるのだ?」
「──ああ。ほんとだよ」
修はそう言って、ふかっとしている自分の飼い猫たちと遜色のないGAOを抱き締しめた。
そして、大事な思い出を胸に抱くように、修はその柔らかい毛皮に顔を埋めて、そっとその愛しさに瞳を閉じた──
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3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月29日
参加申し込みの期限
2019年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月05日 11時00分
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