ワイルド飯を食べよう！｜リアクション

ワイルド飯を食べよう！

●作ろう！

「夏はやっぱり焼きトウモロコシだよな！」
　龍目豪が用意したのは、星幽塔第三階層の農場で獲れる粒は星型、黄色と水色のグラデーションのトウモロコシ。
　第九階層の浜で採れるアサリに似たとても美味しい朝貝。朝貝は、すぐ調理できるよう砂抜き済み。
「変わったトウモロコシだな」
　どのような食材を使うのか気になったケンゾウは、自身の調理の合間に周囲を見て回る。
「探検した時に入手したものなんです。俺、探検部に所属していたんですよ」
　星幽塔、といってもわからないだろうと誤魔化す。
　作るなら石のかまどで、ということで、かまどの上に焼き網を乗せ、その上にトウモロコシを置く。
　トウモロコシが焼けてきたら、醤油タレをハケで塗りながら全体を焼き、焼き上がったら紙皿に載せる。
　フライパンで朝貝の酒蒸しを。朝貝と酒をフライパンに入れ、貝が開いたらすぐに火から離す。
　手際良く２品を作り終えると、豚の塊肉だを分厚く切って鉄板でガンガン焼き始めた。

「しゃおりーが作る料理は……んーと……」
　李小麗は、自分が作れそうな料理が何かを必死に考える。
「決めたのだ！　玉子焼きを作るのだ！」
　去年の遠足の時に玉子焼き屋で教わった玉子焼き。
　何度も練習して作ったから失敗はない……はず。
　玉子焼きを作るだけではワイルドにはならなさそうなので、いっぱい作って、ピラミッドみたいに積み重ねることに挑戦することにした。
　ボウルと菜箸、卵焼き器、調理油を借りると、持って来た卵を取り出した。
　さあ、作るのだ！　と張り切ったが、調味料を持ってくるのを忘れた。
　その様子を見たハルコは「これ使いな」と調味料を分けてくれた。
「うちから調味料を持ってきたものだからいいよ。足りないようなら言っとくれ」
「ありがとうなのだ！」
　ハルコのためにも頑張る、とやる気を漲らせる。
　ボウルと菜箸、卵焼き器、油を借り、さっそく卵焼き作りにとりかかる。
「くっ……！　卵をたくさん割るのは大変なのだ」
　たくさん作るので、卵もそれなりに多く使うので混ぜるのは一苦労。
　それが終わったら、焼き加減に気を遣いながら卵焼き器に流し入れた卵を焼く。
　焼けたら巻いていき、更に卵を加えて厚焼き玉子を作っていく。
（積み重ねる時のバランスとの勝負は難しいけど、頑張って大きな玉子焼きピラミッドを作るのだ）
　サンマさん、おじちゃんとおばちゃん、皆に喜んでもらうため、汗だくになりながらも小麗は卵焼きを黙々と作る。

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