ワイルド飯を食べよう！｜リアクション

ワイルド飯を食べよう！

●食材

「食べられるキノコと毒キノコの違いは分かります。実家で森に採りに行くのを手伝ったことがありますので」
　他の皆が調理中の頃、御巫時子と五十嵐先生は話しながら山菜やキノコを採りに。
「それは毒キノコなので食べられませんよ」
　五十嵐先生が採ったのは、表面の色がピンク色っぽいキノコ。
「ドクベニタケといって、胃腸系の強い中毒症状を起こす毒があるんです。あれは食べられます」
　時子が指さした方向にあるのはヒラタケ。
「これは汁物や煮物、炒め物にすると美味しいですよ」
「御巫さんは物知りですね……」
　ヒラタケを食べる分だけ採った後、他の山菜やキノコを探す。
「これは初めて見るキノコです。毒キノコではないと思いますが、どうなんでしょう？　尚輝先生はどう思いますか？」
「どうでしょう……？」
　ヒラタケに似ているキノコなので大丈夫かもと思いつつ、これも調理に使うことにした。
　キノコをある程度採り終えたら、次は野草を。
　春が旬と思われているワラビだが、完全に伸びきってしまったものの根元に季節外れに遅く生えてきた若芽がかなりの確率である。
　若芽を摘んだ後、他に何かないか探す。
「これはウワバミソウです。アクもクセもないので、どんな料理にも合います」
　炒め物にしましょう、と、時子は五十嵐先生と一緒に摘んでいく。　

「見た目が雑というかワイルド感あふれる盛り付けというか、その類いの料理を作ろうと思ってもなかなか作れないわよね。センスがいるし」
　楡宮遠海が彼女が作ろうとしているワイルド飯の食材は以下の通り。
　カレールウ。
　キュウリ、トマト、レタス、白菜、大根、セロリ、にんじん、玉ねぎ、茄子といった野菜等。
　牛、豚、鶏、羊肉といった肉類は事前の下ごしらえが必要ということで自宅で切ってきた。
「ハムやソーセージなら手間が省けるわね。丸ごと入れても問題なさそうだし」
　焼き魚にできそうな魚介類と刺身パック。
　クーラーボックスと保冷バッグに分け詰め込み持ち運んだのはいいが、重いので猫又川に到着するまで時間がかかったうえ汗だくに。
「たくさん材料を持って来たね。運ぶの、大変じゃなかったかい？」
　これ飲んで休憩しな、とハルコがペットボトルのお茶を手渡してくれた。
「ありがとうございます」
　わからないことがあったら手伝うよと言った後、ハルコは肉を焼いている総悟のところへ。

　食材を採り終えた時子と五十嵐先生は、どれから調理しようか、と話し合っている。
「時子ちゃん、山菜に詳しいのかい？」
　春のうみねこ定食で自分が採った山菜を使ったハルコが、キノコや山菜を見て見て感心する。
「実家で採りに行くのを手伝っていましたので」
「すごいねえ。調理、頑張っとくれ」

このページにイラストを設定する