ワイルド飯を食べよう！｜リアクション

ワイルド飯を食べよう！

●苦戦

　楡宮遠海は食材を適当にぶつ切りにしたり、あるいはそのままにしたりと下拵えを。
　野菜は切ってあるもの、あるいは、そのまま寸胴鍋に投入。
　魚は頭を落とすといった捌きはせず。刺身はそのまま。
　イカとエビもそのまま投入……しようとしたが、様子を見に来たケンゾウが待ったを。
「イカのワタ、取らないのか？」
　やり方がわかりません……と落ち込む遠海。
「俺がやってやるよ」
　ケンゾウは手慣れた手つきでワタを取り除き、胴の皮を剥き、ゲソの下処理を。
「すごいです！」
「これくらい、どうってこたねえよ。後はできるな？」
「ありがとうございました」
　イカの胴をぶつ切りにし、ゲソは肉の塊と一緒に寸胴鍋に投入。
「ついでに麺類や米も入れちゃえ」
　食材を一部そのままぶち込んだこともあり、煮えるのに時間がかかったのは言うまでもない。
　遠海が退屈そうに火加減を見ていると、どこからか良い匂いが。
　匂いのほうを向くと、御巫時子と五十嵐先生がキノコと山菜を使った料理を作っていた。

　採ってきたキノコは塩コショウで焼き、山菜は天ぷらにしている。
「普通の調理になってしまってますが、ワイルドは難しいですね……」
　汗を流しつつ、時子は頑張って天ぷらを作っている。
「キノコ、焼けましたよ……良い匂いですね……」
「美味しそうですね。尚輝先生の調理姿、見るのは初めてでしょうか……？」

　遠海のカレーは鍋の中の材料が煮えるのに時間がかかったが、どうにかカレールウを入れられるほどに。
　ルウを入れようとした時、ホワイトシチューのルウがあるのに気づいた。
「あれ？　これ持ってきたかしら？　まあ、いいわ。味がまろやかになるかもしれないから入れよう」
　気にすることなく鍋にイン！　どんなお味になるのやら……。

　最初はハラハラしていた時子だったが見ているうちに慣れ、キノコ料理を五十嵐先生に任せることに。
　ヒラタケ似の初見キノコはどうしましょうかと悩んでいると、様子を見に来たサンマさんがやって来た。
「美味そうなキノコじゃねえか。それも使うのか？」
「大丈夫かどうかわかりません……」
　五十嵐先生が不安そうに言うと「大丈夫だろ」とサンマさんが断言。本当に大丈夫か？
「サンマさんが大丈夫と言うのでしたら。焼いてみますね」
「それ、楽しみにしてるぜ！」
　初めて見るキノコだが、サンマさん以外、誰も手を付けなかったのは言うまでもない。

　手慣れた手つきで調理したり、苦戦しながら作ったり。
　参加者達のワイルド料理が完成したのは、お昼を過ぎた頃だった。

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