ワイルド飯を食べよう！｜リアクション

ワイルド飯を食べよう！

●いただきます！

「俺のはこれだ！」
　龍目豪が差し出したのは、焼きトウモロコシと朝貝の酒蒸し。
　肉の塊を塩コショウで味付けし、ナイフで削ぎ落したり、四角く切って串に刺したりと食べやすい大きさに。
「これはサンマさんの分だ」
「サンキュー！」
　いただきますも言わず、串に刺された肉をパクリ。
「うめー！」
「皆も食べてくれ」
　他の参加者や魚戸夫妻の分を取り分け、順番に配っていく。
「トウモロコシといい、酒蒸しの貝といい、見たことないものばっかだな」
「探検部なんで、いろんなところに行って珍しい食材を譲ってもらったりするんです。今回、運良く持ってくることができました」
　この坊主もワイルドだな、と豪が頼もしく見えたケンゾウだった。

「私の料理もどうぞ」
　楡宮遠海が作ったのは、ぶち込みカレーシチュー。
　大きい肉と野菜、そのままの麺、米を入れて長時間煮込んだ苦心作だ。
　カレーとシチューが混ざっているのでルウの色は若干白い。
　紙皿によそい、と皆に勧める。
「カレーとシチューってけっこう合うんだな」
　豪が美味しそうに食べるので、サンマさんと魚戸夫妻も一口。
「これはワイルドというか豪快だな！　美味いぜ、お嬢ちゃん！」
「こういう作り方もあるもんなんだな」
「思ったよりいい味だねえ」
　サンマさんと魚戸夫妻に喜んでもらえてよかった、と遠海はホッとした。

「できたのだー！！」
　李小麗が叫びながら、ピラミッドみたいに積み上げた卵焼きを持って来た。
　フラついていたので、総悟が皿を支えて運ぶのを手伝う。
「サンマさん、おじちゃん、おばちゃん、総悟、どうぞなのだ」
「ちょっと待ってくれ」
　スマホを取り出した豪は、ニャンスタ映えしそうだと写真を撮る。
「皆も、どうぞなのだ♪」
　他の参加者にも、頑張って作った卵焼きを作っていく。
「ど、どうなのだ……？」
「頑張ったな、嬢ちゃん。美味いぜ」
「美味しいよ、小麗ちゃん」
　おじちゃんとおばちゃんが喜んでくれて嬉しいのだ！　と小麗はその場で飛び跳ねた。

「私と尚輝先生が作った料理も召し上がってください」
　御巫時子がキノコの炒め物と山菜の天ぷらを持って来た。
　２人が作ったキノコと山菜料理も、皆、美味しいと食べてくれた。
　二番煎じになったが、魚戸夫妻作の特大海鮮かき揚げも振る舞われた。

「こうやって、皆で賑やかに食べるのが楽しいよな！」
　豪がそう言うと、小麗も「楽しいのだ！」と大はしゃぎ。
　遠海は他の皆の料理を食べるのに夢中で、時子と五十嵐先生は、またキノコと山菜を採りに行きたいですねと話す。
「青空の下で食べるワイルド飯サイコー！」
　サンマさんは、あれもこれもといろいろ食べまくる。

　たくさんあった作られたワイルド飯は、ひとつ残らず綺麗に完食。
　楽しかったワイルド飯企画が終わった後は、皆で猫又川付近の清掃と後片付けを。
　帰り支度を終えた参加者達は、次々と家路へ。

（食い過ぎで胃がもたれたのに……これ全部持って帰るのか……）
　美味しいものがたくさん食べられて大満足なサンマさんだったが、道具一式を持って帰るという大仕事がまだ残っていた。

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あとがき

担当マスター：カターレ
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カターレです。

「ワイルド飯って何？」「こってり、でっかい料理？」「何を作ればいいのか……」
と、相当悩まれたことと思います。
そんな私の心配をよそに、参加してくださった皆様、それぞれの料理を作ってくださいました。
いろいろな食材。趣向を凝らした調理法。
創意工夫、あるいは大雑把な料理と、いろいろなものがあってみているだけで楽しくなってきました。

暑い中の調理、大変だったことと思います。
企画したサンマさんも大満足しておりました。帰りはどうするんだろう……と心配ですが。
皆様も、食べ過ぎには気を付けてくださいね。

楽しい夏の１日を執筆できて幸せでした。ありがとうございました。

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