ワイルド飯を食べよう！｜リアクション

ワイルド飯を食べよう！

●準備

「食堂のおじちゃんとおばちゃんもいるのだ！　おじちゃん、おばちゃん、こんにちはなのだ！」
　魚戸夫妻を発見した李小麗は、駆け寄りながら挨拶を。
「こんにちは、小麗ちゃん。今日も暑いね」
　タオルで汗を拭いながら、ハルコは糸目を細めて挨拶を返す。
「暑いのに元気だな嬢ちゃん。何を作るのか決めたか？」
「秘密なのだ。おじちゃん達が来ているとは思わなかったのだ。お店はどうしたのだ？」
　サンマさんに参加させられたんだ、と付き添いとして参加した総悟が説明を。
　店を閉められないと断ったのだが、サンマさんに迫られたので仕方なく参加する羽目になったとか。
「ゲストとして参加なのだ？　総悟は何をするのだ？」
「食材を焼くだけ。料理ができないから」
「焼き専門？　……巻き込まれた感がすごいけれど、お互い頑張ろうなのだ！」
「うん、頑張ろう」
　熱中症に気を付けて、と総悟はペットボトルのお茶を小麗に差し入れる。

「この企画、サンマさんが？」
「そうだ。ワイルドといえば俺だろ」
「お前はむしろ食材……いやなんでもねえ」
　何を作ればいいんだ？　と龍目豪がサンマさんに訊ねると「見た目ワイルドな料理」と即答。
「見た目が第一？　違うだろ」
　豪はサンマさんに対して力説する。
「やっぱり食うからには美味くなきゃ。ニャンスタ映えとか二の次だぜ。ワイルドは雑なことじゃねえ。自然のままのことだろ？」
　美味いもの作ってやるぜ！　とやる気マンマンの豪を見て料理を期待するサンマさん。

　まずはかまど作り。
「平たくて直方体に近い石。丸みを帯びたものより座りがよく、重ねたときに安定感があるんだよな」
　集め終えると、まずは縦穴を作る。
　まっすぐな面を持つ石を立て、その左右に平たく大きい石を配置し固定。
　続けて縦穴を形作る石をその上に並べ、横穴になる石を前方に展開。
「横穴の土台の上に平たい石をまたがるように渡し、周囲から石を立てかけて固定すれば完成！」
「やるじゃねえか。こういうのが得意なのか？」
　周りの様子を見て回っていたケンゾウが、かまどの出来具合に感心。
「ボーイスカウトで学んだんです」
「そうか。料理のほうも頑張れよ」
「任せてください」
　もうひとついるな、と再度、石探し。
　かまどが２つできたところで、網とフライパンを用意。
　星幽塔から持って来た食べ物を調理してみたい欲求にかられ、いろいろと試すことに。
　バーベキューコンロで調理するのもいいが、アウトドア派な豪は石のかまどで調理する。
　他の皆も使えるよう、かまどは多めに用意してある。
「皆、遠慮なく作ってくれ！」

　御巫時子は、五十嵐先生と野草やキノコなど探し始めた。
「たくさん採れるといいですね、尚輝先生」

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