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あくがるる蛍なりけり
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*:..。o *:..。o
日中に活気のある場所は、夜になると大抵が静寂に覆われる。
星ヶ丘マリーナがすぐ近くに見える、この小さな海岸もその一つ。
薄い雲から時折覗く月を見上げてから、周囲に人影がいないのを確認するとペラリと紙の擦れる音がさざなみの音に混ざった。
市橋 誉
は、持ってきたスケッチブックとペンを使って自身のろっこんを静かに発動させる。
……さて、何を弾こうか……。
誉がこのような時間にこのような場所を訪れたのは、一重に蛍の噂を耳にしたからである。
しかも聞いたところによると、そばにいる人の想う心に反応しているふうで。
『俺の想いに反応した蛍がどんな光を見せてくれるのか……興味深いじゃないか』
と、噂の真意を確かめるというよりも、真近でそんな蛍たちを見てみたいという気持ちに駆られ、
こうして準備万端に、そして近所迷惑にならない場所へと訪れたわけであった。
―― ……『想い』とか自分で思って照れる始末だけど……。
いざそれを意識して鍵盤に指を乗せると、好奇心のままに来たのが我に返ったりもする、けれど。
また月を見上げる。
薄雲に覗く控えめな光に、片恋中の彼女の瞳を思い出せば自然と誉は微笑んだ。
湧いた気恥ずかしさが、すぐに掻き消える。
だってこの想いは彼女との思い出。大切に育んできたものだから。
月明りが照らす鍵盤を見つめてから、誉は胸を張ってキーを鳴らし始めた。
そっと背中を押してくれたこの月光のような、自分の中のやわらかで温かい感情を旋律に乗せて響かせる。
誰もいない闇の中に、ふわり優しく輝くその感情。
名前を付けるならば……――
奏で流れる自身のメロディに耳を傾けて、誉ははにかんだ。
この場を満たすのは、甘くとろける恋の歌。
ああ、やっぱり……ピアノには素直な心が宿る。
抱いた想いをのせた演奏は、小さな光たちを呼び寄せる。
気付けば誉の周囲には、いくつもの蛍光が集まって来ていた。
曲を止めないままに、一瞬驚いた表情を浮かべるも。
淡く点滅する輝きたちに、この月明りと似た優しさを見つけて瞳を細める。
―― 想像していたよりずっとずっと……綺麗だ。
人生の中で蛍を見た記憶はそれ程多くは無いけれど。
こんなに綺麗に輝くものなのか、と舞い揺れる光たちに見惚れてから、次第に嬉しくて照れくさくなる。
「反応してくれて、ありがとう」
噂が本当ならば、この光は自分の想い込めた演奏を形にしたものだから。
無反応だったらホンキで落ち込んだよ、なんて照れ隠し半分に蛍たちへ語り掛けた。
夜空に似合う、溶け込むようなしっとり緩やかなメロディに、小さな点滅が彩り添えてくれるのを暫し幸せそうに眺めた後。
「よし、……曲が変われば、光り方が変わったりするかな?」
すっかり観客相手と同じようにして蛍たちへ話しかけながら、誉は新たに音とリズムを加え始める。
静かな曲調から一転。増やした音色はあっという間に、雰囲気を変えていく。
月光と闇と俺と、そしてキミたちと。
それは今を、一緒に居て楽しむ気持ちを載せた旋律。耳を澄ませば、間違いなく恋の歌。
誰かといて楽しくなる、その想いには必ず彼女が浮かぶから。
鍵盤の上で、すらりと長い指たちが踊る。
生あるもの皆が自由にステップを踏みたくなる、軽快なジャズのリズムにどうやら蛍(仮)以外の存在も引き寄せられた。
「あれ!? おまえもしかして……」
音階の中に突然『ニャーン』な効果音が混ざって、思わずバッと顔を上げた誉の視界に、いつかどこかでセッションしたあの時の猫が尻尾を揺らし佇んでいた。
右に左に、周囲で踊るように光点滅させるそれらにじゃれているのか、誉の奏でる音楽にノッているのか、尻尾ゆらゆら時折肉球で足踏み。
「ハハッ、今夜も楽しんでくれるのか。でも蛍たちには優しくしてやってくれよ?」
愛嬌ある鳴き声がすれば返事と受け取って。
蛍と猫との共演見やれば、メロディラインにどこかあの日のような、ねこふんじゃったの音階がアレンジで加わった。
(ああ……ここに居れば、な)
曲に一瞬切なさ混じったのは、胸の内に贅沢な願望がよぎったからだろうか。
―― なんて、また必ず会える。いつか、聴いてもらえたら……楽しんでもらえたらいい。
欲が顔を出したのは、思わぬ偶然で彼女とゲームをして遊べた日があったからかもしれない。
断られるかと思ったのが、予想外に、予想以上に、楽しそうに笑う笑顔が見られたからかもしれない。
ラストを、未来への希望含んだ壮大な和音でフィニッシュすれば、誉は大きく息を吐いた。
「あー楽しかった……! そっちも楽しんでくれてたら嬉しいんだけど……」
問いかけた声に、にゃぉんという音と同時にくるりと小さな光たちが円を描いた。
現れた時より、ずっとずっと明るさ纏う蛍たちの、その返答のような動きを見ては安堵の笑顔が漏れる。
「こんなに楽しませて貰って、俺だけとか不公平だしな。……本当に有難う」
そう告げられたのを合図かのようにして、光たちは一つ、また一つと、すっかり顔を覗かせた月の中へと昇るように消えて行った。
おまえもまた逢えたらいいな、とセッション仲間な猫の頭をひと撫でしながら、光の点滅が昇り行く景色を見守るのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月03日
参加申し込みの期限
2019年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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