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あくがるる蛍なりけり
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*:..。o *:..。o
閑静な住宅街を見つけた小さな光たちが、弱弱しいながらも夜の闇を縫うように家と家の間を行ったり来たり。
そのうち光の一つが、とある二階の窓を覗き込むように近寄った。
部屋の中には、緩いウェーブをふんわり揺らしながら清楚な佇まいで机に向かう女性が一人。
正確には、机の上に広げられたノートの上にぽつんとシャーペンが転がって。
時々ノートに視線が注がれるもすぐに顔が上げられて、何やら深い思慮のこもった瞳で窓の外を見つめ出す。
部屋の明かりよりずっとずっと小さく淡い光の点滅には気付かぬまま、部屋の女性・
佐和崎 紗月
は長い睫毛の影を落とし溜息を吐いた。
勉強に身が入らない。その原因は分かっている ――
勉強、そこから連想されるのは桜花寮、そして……恋人。
進学と仕事の関係で、学力向上に身を削る彼女の手助けを今なお続けていた。
先日も、いつも通り寮住まいな彼女の部屋に行って、いつも通り勉強を教えて一日を終える、はずだった。
しかしその日は異常な暑さに加え、クーラーが壊れるという事態に陥っていて。
集中すれば暑さも寒さも仕事柄耐え忍ぶ彼女が、その日は暑さにノックアウトされて暴走したのだ。
リラックスできる自室であったのと、気を許せる恋人の存在、という原因も多分にあったのであろう。
その時、紗月は流されるままに彼女へ自分の「初めて」を捧げそうになった。
結局は暑さとそれまでの疲労とで、向こうが途中で寝落ちてしまったため未遂に終わったのだが。
初めての緊張と、彼女になら……という思いとで、いっぱいいっぱいだった紗月は、その寝顔を見てホッとしたのとどこか残念だった気持ちから、ちょっとしたイタズラ心が湧いた。
目覚めた彼女に、「良かったよ」とさも事後であるような笑顔と言葉を送ったのだ。
「……つまらないイタズラなんか、するんじゃなかった……」
自身の両腕を抱え込むようにして、顔を埋める。
あれからどこか、彼女・理緒が自分を避けている気がする。
その後に2日程東京へ仕事に行った理緒。
いつもであれば、NYAINEでささやかな連絡や、スマホで電話をかけてくれたりする。
けれど、今回は一度もそれが無かった。
―― もしかすると、責任感じているのかもしれない。
存在感溢れていて、強くて、物怖じしない大胆な彼女。
しかし恋人の前では、普段周囲へ見せない部分も見せ始めてくれている。だから紗月は知っていた。
裏腹に、とても繊細で気弱なところが彼女にもあるという事を。
自分にないものをたくさん持っている理緒ちゃん……
けれど同時に、自分の欠点だと思っている部分と重なる部分も彼女も持っている事に、安堵と嬉しさを抱く。
「理緒ちゃんの、その欠点も含めて全部好き」
ぽつりと呟いた。
言葉にしてみたら、次々と彼女の姿が浮かび上がる。
甘え上手なところも、お調子者なところも、寂しがり屋なところも、好きなおしゃれのことを何時間でも話したり……それら全部が、本当に大好き。
「……なのに……」
こんなに大好きな彼女と、いま、すれ違ってしまっている。
いつも傍にいるわけではないけれど、離れている時だって心は寄り添っているといつだって感じていた。
「なんだか、寒いな……」
抱え込んでいた腕をさすった。今夜も熱帯夜のはずなのに。
彼女を想えばいつだって灯火がついたように温かかったのが、今は不安の渦に埋もれてしまっている。
ほんのささやかな悪戯心が、こんなふうになってしまうなんて。
会いたい……伝えたいのに……大好きな気持ちを……。
大きな瞳が潤みそうになったのを、がばりと顔を上げてはまた窓の外を見た。
「……あ、れ……?」
紗月は今初めて、夜の中に浮かぶ小さな光たちに気付いた。
◆
夜9時過ぎのシーサイドタウン駅。そこに、カツ……コッ……とヒール音が響く。
凛と伸びた背筋にポニーテールの毛先が揺れる。
「疲れた……」
誰も居ない駅の出口で、
初瀬川 理緒
の口から小さく零れた。
ここ二日間の東京での仕事を思い返すと、我ながらよくこなしたな、と思う。
秋葉原のソフニャップで近日発売のDVDを水着姿で宣伝したり、新宿のトークイベントでは件の
『偏差値30からの大学合格』について現況を話したり、そのまま次の仕事の打ち合わせをしたり。
勿論、全ての仕事の合間で受験用の単語帳などを開いていた。
頭も体力もすっかり疲労困憊しているのを自覚すれば、今夜は誰かに傍に居てもらいたい気分になって。
―― 紗月の家へ泊りに行こうか……でも、いま押しかけても大丈夫かな……?
恋人である彼女の家の方角に一瞬足が向いた、けれど、すぐにぴたりと止まる。
会いたい、とっても会いたい……のに、どんな顔して会えばいいのかまだ分からない……。
桜花寮にはもう帰る気がしなくなれば、理緒の足は風と波音に誘われるように寝子ヶ浜海岸に向いた。
砂浜に腰を下ろす。
真っ暗な海がスクリーンのように映って、理緒の瞳に愛しい人の姿を映した。
「……紗月……」
名を呼ぶとたまらなくなって、自身の膝をぎゅっと抱え込んだ。
仕事中は我武者羅に集中するけれど、ふとした時に出来る空白の時間にいつも浮かんだモヤッとした気持ち。
それが今は完全に心も頭も占めている。
原因は分かりきっている。
先日……あまりの暑さに暴走して、大事な彼女と一線を越えてしまったこと……。
―― あたしは紗月のことが好きで、あたしは紗月に恋をして、あたしは紗月を愛していて……
でも、あんな形で一線超えたくはなかった。
膝へ微かに爪が食い込む。
中学時代にオシャレに目覚めた、友人たちと毎日のように流行を追いかけていたあの頃。
興味本位だったように思う。今なら分かる、『お遊びの恋』だったと。
何人かの男の子とそういった恋をして……理緒は、14歳で少女から女になっていた。
―― だから、大切にしたい、って思ったのに……。
寝子高で彼女と出会い、初めて本当の恋に落ちて、そして初めて本当のキスをしたとき。
彼女の清らかな部分に触れて、自分が失ったものを正面から見つけて、正直嫉妬した。
しかしそれ以上に、もっと彼女が大好きになった。彼女のありのままの姿が愛しかった。
―― だから綺麗なままにしたかった。あの子を傷つけたくなかった。
「なのにあたしは……」
大切にしていたものを自ら奪っただけでなく、せめて……せめて、繊細に触れて心から愛していることを伝えたのだと、思い出したいのに。
記憶にないなんて。
一生を誓うのと同じくらい大事な事を、欠片も覚えていないなんて。
彼女を思い出すだけで、こんなにも好きだという気持ちが溢れ返るのに。
どうすればいいか分からなかった。
「紗月……」
何度目かの愛しい人の名を紡ぐ。
すると、いつからだろうか。
理緒の紡いだ名に引き寄せられでもしたかのように、光の点滅がすぐ傍で舞っていた。
自分を囲むようにして、何かから守るようにして、儚くも温かい煌めきを見せるそれらを呆然と見つめている内に、自然とその頬を涙がつたう。
蛍の海に満たされた心に、一番強く、そして一番シンプルな気持ちだけがすっきりと浮かび上がった。
―― そうだ、伝えよう。
理緒はスマホを手に取った。
この想いを告げたい。大好き、と。
きっと何かを変えるにも進むにも、全てはこの気持ちが一緒だから。
もう迷うことはなかった。
指がスマホのコールボタンへとかかった ――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月03日
参加申し込みの期限
2019年05月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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