シエスタ・フェスタ！｜リアクション

シエスタ・フェスタ！

●こちら猫道喫茶店

　四角い猫の顔型のハンカチを取り出して、恵御納夏朝が汗を拭った。
　席について、ようやく室内ならではの冷気に身を委ねた。
「わ……涼しい」
　メニュー表を見るのも忘れて、しばらく冷気を堪能する。
　店員に急かされて、やっとメニューに目を通した。
（そういえば喉乾いたんだった）
　思い出すとすぐにでも喉を潤したい欲望に駆られる。
「えっと、サンドイッチとアイスミルクで、いいかな」
「畏まりました」
　今度こそほっと一息をつく。
　カランカランと新たな訪問者を告げるベルの音さえ、部屋の温度を下げてくれているのだと思った。
「はぁ、涼しいです～」
　彼女もまた夏朝と同じような反応をして、席につく。
「……こんにちはー」
「わ、恵御納さんもですか？」
　それが同じクラスのサナリアナ・アークロットだったから、なにがというわけではないけれど、夏朝は笑みをこぼした。
「よかったら……どうぞ」
　夏朝が相席を促すとサナリアナは控えめに頷いてから腰を下ろす。
　それからアイスティーを注文して、「本当に暑いね」などと言い合ってから、ほんの気まぐれというように夏朝は尋ねた。
「君は、今日、どうしたの？」
「どうしたの……というと、」
「買い物かなにかかなって」
　ああと笑顔で頷いてから、サナリアナは困ったように小首を傾げた。
「……買い物、のつもりだったんですけど……なかなか決まらなくて」
「なるほど」
　そして、笠原七穂と御巫時子もベルを鳴らしやってきた。