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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
廃屋の赤眼が、あなたを覗く
マリエッタ・ラシュリエは困ったように周囲を見渡していた。
「あまりホラーは好きじゃないのよね……」
思わず眉根を寄せる。
なぜか廃墟に必要な装備一式をまとって、この土地に飛ばされていた。
建物自体はありふれた洋風のものだ。建築学を専攻する彼女にとってはそれほど興味を引かれるほどのことは無い。しいて言うなれば、バブル期に立てられたものであるため、それなりに豪華だということだけはわかった。
「どうにもね……」
思わずため息がこぼれる。
マリエッタは怪談の類に惹かれるような人間ではない。だが、なぜだかこの場所にいる。
ご丁寧にLED懐中電灯が腰につるされていた。
背中にはリュックがあり、メモ帳と筆記具、それからかなり長めのロープが見つかる。
（とりあえず、廃墟の中を探索するには十分な装備はそろっている、ってかんじかな……。神魂の仕業とはいえ、用意がいいというか……）
小さくため息をこぼすマリエッタだ。
こうなればもう、探索するほかないだろう。
（変なものに遭わなければいいんだけど……）
きしむ扉を押し開けて、廃墟の中へ進んでいく。
一階のフロアを歩き回るうち、地下へつながる階段を見つけた。
（いかにも、って感じ……獣の死体とか、無ければいいな……）
フロアを降りていく。扉が三つ並んでいた。
手前のものが開くが、奥の二つには鍵がかかっている。
「とりあえずこの部屋から探してみるかしら」
タンス、クローゼット。鍵のかかっていないものについては徹底的に開いて、中を確認していく。一攫千金のうわさに繋がるアイテムか、あるいは幽霊話の由来となったような何かが見つかるかもしれない。
埃っぽさが気になった。
（確かリュックの中に……）
ごそごそと探ると、すぐに風邪マスクが見つかる。匂いまでは取り除けないが、それでもないよりずっとマシだ。ベッドの下や家具の下まで、髪の毛が床につかないようにしながら探していく。
（あ）
ベッド裏にぺたりと何かが張り付けてあるのを見つけた。
クローゼットの中にあったハンガーを使って引っ張り出してみる。
「鍵……かしら」
見た目の割にずっしりと重たい鍵だった。閉じている部屋の鍵かと思って試したが、合わない。それよりはもう少し大きなものに使うようだ。
鍵を手にしたまま、一度階段を上ってみる。先ほどは通り過ぎた一階だったが、今は鍵に合うものが見つかるかもしれない。
そう思っていたのだが
「あれ、おかしいわね……」
マリエッタは思わず首を傾げた。タンスやクローゼットなど、あれこれ試したが開く気配がない。
「大きすぎるのかしら」
鍵を持ったまま、また部屋の中をうろうろと探し回る。
その足が、こつんと何かに触れた。
「え」
かがんで拾い上げてみる。
それは美しい金色の櫛だった。なぜ見落としていたのか、今まで踏まずにいられたのかと、引っかかるものを感じる。まるで不意にそこへ現れたようにすら思えた。だが、櫛を調べても異変はない。
「……持って帰って、もう少し詳しく調べるかしら」
次のフロアへ、マリエッタは足を向ける。
二階のつくりも、一階と大差ないようだった。
「不思議」
エントランスに該当する部分こそなかったが、まるでホテルにも似た生活感のなさを覚える。
「誰かが暮らしていた……って感じの建物じゃないわね」
不特定多数の誰かが訪れては去ってゆく、そんな空間だったのだろう。
誰が何の目的で作った建物なのか、いささか興味をそそられはする。人の暮らした痕跡のようなものを探しながら、
「何かが住み着いてたり、しないかしら」
床ぎりぎりに顔を近づけて、ベッドの下をのぞき込む。
「……あれ」
小さな箱があるのを見つけた。手を伸ばして、箱を引き寄せる。
奇妙なことに、やはりこの箱も埃をかぶっていなかった。
「……変ね。こんなに埃っぽい部屋なのに……」
箱をよく確かめるうち、鍵穴があることに気が付く。
「……もしかして」
先ほど拾ったばかりの鍵を取り出し、鍵穴に嵌めてみる。
カチッと軽い音がした。
「え」
驚くほど、箱は簡単に開いた。
中に入っているのは、大粒の宝石だ。
「……ピジョンブラッド……」
純度の高いルビーが、一つ収められていた。
自分を見つめる視線めいたものをルビーから感じ、マリエッタはすぐに蓋を閉じた。じっと考え込む。
「……幽霊騒動と、何か関係がある……？」
判断するには、材料が少なすぎる。
「さすがに持って帰ったらまずいかしら。でも持ち主がいるわけでもないし……もう少し詳しく調べてもいいかしら」
館をちらりと見遣って、マリエッタは帰路についた。
「あまりホラーは好きじゃないのよね……」
思わず眉根を寄せる。
なぜか廃墟に必要な装備一式をまとって、この土地に飛ばされていた。
建物自体はありふれた洋風のものだ。建築学を専攻する彼女にとってはそれほど興味を引かれるほどのことは無い。しいて言うなれば、バブル期に立てられたものであるため、それなりに豪華だということだけはわかった。
「どうにもね……」
思わずため息がこぼれる。
マリエッタは怪談の類に惹かれるような人間ではない。だが、なぜだかこの場所にいる。
ご丁寧にLED懐中電灯が腰につるされていた。
背中にはリュックがあり、メモ帳と筆記具、それからかなり長めのロープが見つかる。
（とりあえず、廃墟の中を探索するには十分な装備はそろっている、ってかんじかな……。神魂の仕業とはいえ、用意がいいというか……）
小さくため息をこぼすマリエッタだ。
こうなればもう、探索するほかないだろう。
（変なものに遭わなければいいんだけど……）
きしむ扉を押し開けて、廃墟の中へ進んでいく。
一階のフロアを歩き回るうち、地下へつながる階段を見つけた。
（いかにも、って感じ……獣の死体とか、無ければいいな……）
フロアを降りていく。扉が三つ並んでいた。
手前のものが開くが、奥の二つには鍵がかかっている。
「とりあえずこの部屋から探してみるかしら」
タンス、クローゼット。鍵のかかっていないものについては徹底的に開いて、中を確認していく。一攫千金のうわさに繋がるアイテムか、あるいは幽霊話の由来となったような何かが見つかるかもしれない。
埃っぽさが気になった。
（確かリュックの中に……）
ごそごそと探ると、すぐに風邪マスクが見つかる。匂いまでは取り除けないが、それでもないよりずっとマシだ。ベッドの下や家具の下まで、髪の毛が床につかないようにしながら探していく。
（あ）
ベッド裏にぺたりと何かが張り付けてあるのを見つけた。
クローゼットの中にあったハンガーを使って引っ張り出してみる。
「鍵……かしら」
見た目の割にずっしりと重たい鍵だった。閉じている部屋の鍵かと思って試したが、合わない。それよりはもう少し大きなものに使うようだ。
鍵を手にしたまま、一度階段を上ってみる。先ほどは通り過ぎた一階だったが、今は鍵に合うものが見つかるかもしれない。
そう思っていたのだが
「あれ、おかしいわね……」
マリエッタは思わず首を傾げた。タンスやクローゼットなど、あれこれ試したが開く気配がない。
「大きすぎるのかしら」
鍵を持ったまま、また部屋の中をうろうろと探し回る。
その足が、こつんと何かに触れた。
「え」
かがんで拾い上げてみる。
それは美しい金色の櫛だった。なぜ見落としていたのか、今まで踏まずにいられたのかと、引っかかるものを感じる。まるで不意にそこへ現れたようにすら思えた。だが、櫛を調べても異変はない。
「……持って帰って、もう少し詳しく調べるかしら」
次のフロアへ、マリエッタは足を向ける。
二階のつくりも、一階と大差ないようだった。
「不思議」
エントランスに該当する部分こそなかったが、まるでホテルにも似た生活感のなさを覚える。
「誰かが暮らしていた……って感じの建物じゃないわね」
不特定多数の誰かが訪れては去ってゆく、そんな空間だったのだろう。
誰が何の目的で作った建物なのか、いささか興味をそそられはする。人の暮らした痕跡のようなものを探しながら、
「何かが住み着いてたり、しないかしら」
床ぎりぎりに顔を近づけて、ベッドの下をのぞき込む。
「……あれ」
小さな箱があるのを見つけた。手を伸ばして、箱を引き寄せる。
奇妙なことに、やはりこの箱も埃をかぶっていなかった。
「……変ね。こんなに埃っぽい部屋なのに……」
箱をよく確かめるうち、鍵穴があることに気が付く。
「……もしかして」
先ほど拾ったばかりの鍵を取り出し、鍵穴に嵌めてみる。
カチッと軽い音がした。
「え」
驚くほど、箱は簡単に開いた。
中に入っているのは、大粒の宝石だ。
「……ピジョンブラッド……」
純度の高いルビーが、一つ収められていた。
自分を見つめる視線めいたものをルビーから感じ、マリエッタはすぐに蓋を閉じた。じっと考え込む。
「……幽霊騒動と、何か関係がある……？」
判断するには、材料が少なすぎる。
「さすがに持って帰ったらまずいかしら。でも持ち主がいるわけでもないし……もう少し詳しく調べてもいいかしら」
館をちらりと見遣って、マリエッタは帰路についた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年04月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年04月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年04月17日 11時00分
