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せんせいといっしょ:若林先生編
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休み時間、天野は控え室を訪ねた。
沙穂先生は部屋を空けているようだ。
先日借りた道具を返すだけだから、本人がいなくても大丈夫だろう。
持ってきたものをローテーブルに置いて、座り心地の良いソファに腰を下ろす。
(ちょっと休憩……)
のつもりだったのに。
「天野?」
ほっそりした手に揺り起こされ、天野ははっと目を開いた。
「……え」
目の前には、少し心配そうな沙穂先生の顔があった。
「具合が悪い訳じゃないみたいね」
「……前に借りた道具、返しに来たまま、つい。すみません」
ほっと息を吐いた沙穂先生に、天野は眼鏡を直しながら少しバツが悪そうに告げる。
「そう……疲れとか、寝不足かしらね。でも、もう授業始まっちゃってるわよ。どうする?」
先生と一緒に時計を見上げて、一瞬しまったと思う。
でも、折角だから。
「……休ませて貰っても良いですか?」
「まあ、仕方ないわよね」
沙穂先生は肩を揺らして笑った。
天野は猫鳴館や学校の壊れてしまった場所を、道具を借りて修繕していた。
(学校の物を直したのはコレで何個目だったか……高校って、こんなに壊れるのは普通なの?)
そういった思いも抱えつつ。
「折角だから、校内大規模修繕とか計画しないのだろうかと突っ込みたくなりますね」
「その前に、まず壊さないようにするのが大切なんじゃないかしら」
天野の呟きに、沙穂先生はちょっと真面目な顔で答えた。
「ウチは変わり者ばかりの芸術科もあるから、少しくらい変わった子なら元々いくらでもいるんだけどね。
それにしても、今年に入ってからものを壊しすぎだと思うわ。
いちいち学校が修繕していたら、いくらお金があっても足りないでしょ?」
(やっぱり普通じゃないんだ……)
沙穂先生の溜息交じりの言葉に、天野は小さく肩を落とす。
それにもうひとつ、気になっている事がある。
物は直せるけど、人は直せるのだろうか、と。
(間違った人が正しい人へ、と。過ちを起こした人が、普通や善人へと。
直すって言い方も変だけど)
「この学校って、問題児とかも多い印象があるけど……先生はどう思います?」
「そうね……私はまったく問題のない生徒の方が少ないと思ってるから、一般的な考え方じゃないかも知れないわね。天野は問題児って、どういう子だと思う?」
問い返されて浮かぶのは、典型的な問題児や、ちょっと常識を外れた思考や目標を持つ者。
そして。
「僕も良い子じゃないですけど。知り合いに、強すぎる正義感や信念で暴走しがちな人、いるから」
「なるほどね」
「暴走を止めなきゃいけない日が来る気がして……その時は、切り捨てたくないから」
先生ならどうするんだろうと視線を上げると、沙穂先生は存外優しい目をしていた。
「失敗出来ない時はあるかも知れないけど、絶対に失敗しない人間なんて存在しないのよ」
それに、必要な失敗もあるのだと席を立つ。
「陶芸をしていると、窯に入れた後必ずと言って良いほど幾つか失敗してしまうものがあるの。
ヒビが入ったり、割れてしまったりね」
どれだけ環境を整えても、思うようには出来てくれない事もあるのだと言いながら沙穂先生が持ってきたのは、机の窓際に飾ってあった花瓶だった。
よく見ると、花の間に走っているのは枝ではなく、ヒビ割れた部分を塞いで修復してある。
「これは偶然だったんだけど、元々枝が描いてあったみたいでしょう?
こういう事もあるのよ。失敗してこその、完成ってとこかしら」
そして、続けて口を開く。
「天野が心配している子たちに近い位置にいるなら、あなたにしか見えない事だってあると思う。
切り捨てたくなければ、切り捨てなくて良いのよ。諦めない方法だって、あるかも知れない」
もれいびは化け物で、何処かで失敗したり過ちを犯したら、いつか人間に捨てられるのかも知れないと漠然と抱いていた天野にとっては、何も知らない『ひと』の言葉に過ぎなかったかも知れないけれど。
「でも、ひとりで抱え込んで無理しない事。時には大人を頼るのも大切よ」
私は見捨てないわよ。
彼女は瞳の奥で、そう言っているようだった。
●懐かしき、変わらない場所●
太陽は既に高く、もう少しで正午を示すところ。
グラウンドでは先生が説明をする声が響き、体操着の生徒たちが集まっている。
眩しい日差しの照りつける校舎を見上げ、
市橋 奏楽
は目を細めた。
今年の春、ここを卒業したばかりなのに妙に懐かしく感じるのは何故だろう。
次の講義までの時間が空いて、ふと思い出したように母校へ足を向けた奏楽は、在学中にはなかった不思議な感覚を供に、裏校舎の職員用の玄関へ回った。
沙穂先生の控え室は一階だから、そこから然程掛からない。
何も変わらない扉の前で、手荷物片手にノックをすると返事があった。
「こんにちは、先生。少しだけお久し振りです」
「奏楽じゃないの、久し振りね」
珍しい客人の姿に沙穂先生は目を瞬かせ、嬉しそうに奏楽を室内へ招いた。
「若林先生、これはマタ大近くで評判の和菓子屋の苺大福です。心ばかりのお土産ってとこですけど……」
「あら、悪いわね。それじゃ、お茶を淹れるからソファで楽にしてて頂戴」
差し出された和菓子の包みを受け取って、沙穂先生はお茶の準備を始める。
促されたソファに座ってその背を眺めると、卒業してしまった事を忘れてしまいそうだ。
奏楽は在学中、沙穂先生には大分世話になっていた。
特に、彼は1年生の時、それまでの人生が一変してしまうような事に遭っていた。
楽器店だった生家が燃え、両親をも失ったのだ。
幸い、父の親友が身寄りのなくなった彼を引き取ってくれたものの、心までそう簡単に癒えるものではなく。
表面上は落ち着いた振りをしても、荒んだ日を過ごす事も少なくなかったのだ。
授業をサボってぶらついていた奏楽を、沙穂先生は控え室に招き入れ、過ごさせてくれた。
過剰に同情するでもなく、腫れ物に触るような態度でもなく、先生はただ静かにお茶を出す。
気まずい空気にもなろうものなのに、沙穂先生が何も言わずにいてくれた事は、奏楽にとってとても嬉しい事だった。
その時のお茶を、今でも美味しかったと思い出していると、湯気をくゆらせた湯呑みと小皿に出された苺大福が並ぶ。
「奏楽のお勧め、頂くわね」
大福に楊枝を刺す沙穂先生に頷いて、奏楽は湯呑みを手に取った。
「先生がお元気そうで安心しました。僕も見ての通り、元気にやってます」
お茶と苺大福を楽しみながら、沙穂先生は奏楽の言葉に頷き耳を傾ける。
あの頃からは見違えるくらい立ち直って、でも様々な悩みも蟠りもあるだろうけれど、先生はそういった部分にはあえて触れない。
「大学の方も、もう大分慣れたかしら?」
「はい、マタ大もなかなか面白い所です。ユニークな教授も多くて……」
お茶の味はあの頃と変わらないけれど、言葉はあの頃より饒舌だ。
柔和な明るさを身に付けた青年は、沙穂先生とのティータイムに花を咲かせるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月26日
参加申し込みの期限
2013年08月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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