＜零神探訪＞白の獄（ホワイト・プリズン）｜リアクション

＜零神探訪＞白の獄（ホワイト・プリズン）

●拝啓、ミナサンオゲンキデスカ

　拝啓、ミナサンオゲンキデスカ。
　俺は今北極に来ています。
　さむぅい！！
　息白すぎ！　眼鏡曇りすぎ！
　一面の銀世界どころか純白すぎて目がイタァイ！！
　空は青いけど、南国の空の青と違って硬質なカンジがします。

「死ぬ！！　……と思いましたが、夏ならましですねー」

　Leidenschaftの副リーダー・梢ちゃんは自前の装備。
　思いのほか雪馴れしているみたいです。

「前、生物部で、冬の釧路湿原を体験しましたからね！
　まさか、こんなに早く役に立つとは思いませんでしたけどー」

　ちなみに俺はＲ＆Ｒから防寒具とスパイク付きの靴を借りました。
　動物の毛皮で出来たフード付きの外套は、見た目より軽くてあったかいです。
　一方、リーダーの庚くんはといえば。
　いつものスカジャンの上から動きやすそうな防寒具を羽織って仁王立ちです。
　そこに痺れる憧れる！

「……これまで宇宙だとか異世界だとかさんざ色んなとこに飛ばされたが……なるほど、ひと一人にゃあ地球は広いな。北極……すげぇところだ。クッッソ寒いがな」
　
　庚くんはあたりを見渡して、はあっと白い息を長く吐いてます。

「こういった所でも、かつて何か伝承や伝説があったのかね……いや、そもそも伝承ってのは人が住んでいなければ生まれねぇか。となると俺達はこれから新たに生まれる伝承の一端を担う事になるかもしれんのか……なるほど、面白ぇ」

　前向き！
　リーダーが前向きだとうまく行きそうな気がするからフシギ！

　これから何があるかわからないけど、進んでみることにします。

　以上、現場の志波武道でした。

　

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