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NECO MUSIC FES 1370!
the Formuras
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中学二年の冬、ギター一本を持って家出をしたことがある。
片側が割れて顔の半分が露出したフルフェイス・ヘルメットの下、
三夜 虹司
は深呼吸を繰り返す。
勉強が出来ずに趣味に逃げていると叱られて、このままの成績では寝子島高校に行けるかどうかも怪しいと言い立てられた末の家出だった。家出日和だった冬の夜、あの古びたオートレストランで父親に見つけ出してもらえなければ自分はどうなっていただろう。
憧れのギタリストみたいにギター一本で身を立てていただろうか。それともどうしようもなく落ちぶれた挙句音楽も諦めていただろうか。
ありえたかもしれない未来を思い描いて眉をしかめながら、舞台袖からステージを見遣る。舞台の上では、さっきまで大人しい声楽曲を歌っていたはずの青年が打って変わって激しいロックを歌い上げている。
「すげえ」
迫力のライブに思わず呟いた途端、メットの頭をぺちんとはたかれた。振り返ると、そこには中二のときに組んだパンクバンド『Fourmuras』の仲間が立っている。
「やる前から気持ちで負けてどうすんだ」
メットを叩いた手をひらひらさせて熱く笑うのは、ボーカルとリズムギター担当のFourmuraこと志村誠也。
逆立てた髪が似合う端正な顔のくせにバンド全員のトレードマークなF1スタッフ仕様のツナギが妙にしっくりくるのは、実家が車の修理工であるからだろうか。リーダー格である彼が実家のガレージを拠点として提供してくれなければ、バンド活動は続けて来られなかった。受験の年でもバンドを続けたいと普段はお調子者な割に根が真面目な彼が強く主張してくれなければ、きっとFourmurasは空中分解していた。
「それはそうだ、けど……」
虹司はメットの影でカラーコンタクトで色を変えた瞳を卑屈に伏せる。ツナギの袖を気弱に引っ張る。
「学校にバレるかもな」
ただでさえ成績が悪いのに、受験の夏にバンド活動に勤しんでいることが学校に知られてしまえば、もしかしたらまた叱られてしまうかもしれない。
「SNS載っちゃうかもね、KeiG³(ケイグ)」
俯く虹司の肩を元柔道部な二階堂文太のふくふくした指がおどけて突っつく。帽子とインカムを着用した姿は、ちょっぴりなにかのゆるキャラに見えなくもない。
「そのときはBunⅡFも一緒だろ」
文太を突っつき返しながら虹司は笑った。何にせよ、もう事前登録は済ませている。出番はすぐ傍に迫っている。
「もう降りることはできない」
決意を籠めて唇を引き結ぶ。仲間と結成した『Fourmuras』はその名の通り『最速』BPMを自称する覆面パンクバンド。自作曲の他にもポストパンクを『最速』テンポでカバーし、日頃は誠也の実家のガレージか、最近ではライブハウスで活動している。
「今までのハコが小さすぎたな」
長い前髪に目を隠し、更にマフラーとヘッドホンで顔の大半を隠した痩身の一文字 篤斗こと@がぼそりと言う。『Fourmuras』の衣装やロゴをデザインしているドラム担当の@に、虹司は小さく頷き返した。
そうしながら、頭の中で曲目の最終確認に入る。
最初の曲は『アナーキーインザNK』、有名パンク曲の最速カバーのこの曲で観客の心を掴み、続けて『Tidal wave』。演奏時間五分半、『Fourmuras』の看板曲でもある曲はその激しさと長さの故にバンド全体に筋肉痛をもたらす悪魔の曲でもある。けれどだからこそ、観客を喜ばせることができるはず。
最後は虹司が作った柔らかな英語詞のバラード、『DREAMS』。
「……やってやろうじゃん」
覚悟を決めて舞台を見遣れば、前の出演者が歌を終えて戻って来ようとしている。堂々とした足取りで戻って来て小さな息を満足気に零す蒼破に、半割れメット姿の虹司は近付いた。瞬く蒼破に、ツナギのポケットから取り出したメモ帳とペンを差し出す。
「サインください」
未来で有名になるかもしれない歌手に大真面目に請うて、虹司は仲間たちから次々にメットをはたかれた。
スミマセンでもあとで書いてやってください、と誠也がリーダーらしく蒼破に頭を下げ、仕切り直しとばかりサングラスをこなれた仕草で掛ける。
「さぁ、全力でドリフトぶちかますぜ!」
漆黒の髪は真紅のリボンで高く結い上げる。
紅いインナーに白いシャツ、そこに羽織るは裏地蛍光イエロー、表地がライムグリーンのスカジャン。シンプルな黒のパンツにモスグリーンの飾り気のないサンダル。洒落っ気があるとすれば、スカジャンと同色に塗り分けたフレンチネイルの爪くらいなものか。
首に引っ掻けたヘッドホンに触れながら、
吉住 志桜里
は渋茶色の鋭い瞳をたおやかに和ませる。
ステージの上では、『最速』BPMを自称するパンクバンドがその名に恥じぬ演奏を響かせている。特に半割れフルフェイス・ヘルメットのリードギターが披露する早弾きは目を瞠るほど。
「……魅せてくれますね」
柔らかな口調で呟きながら、志桜里は真直ぐな眼差しを舞台へと向け続ける。
「――440Re(よしおり)さん」
スタッフに呼ばれ、インディーズMCとして夜間活動をしている440Reこと志桜里は穏やかな笑みで振り返った。その笑みの底、大舞台を前にして最早隠し切れなくなった闘争心と気性の激しさを目にして、スタッフはほんの僅かたじろぐ。
「ぎりぎりにすみません、音源は問題ないのですが、照明パターンの確認をもう一度だけお願いします」
「お世話をお掛けします」
途端、全身から立ち昇るようだった闘気じみた気配が静かに凪いだ。淑やかに長身を丁寧に折り、志桜里はスタッフの手元の照明プランに素早く目を通す。
「間違いありません。お手数をお掛けしますが、何卒よろしくお願いいたします」
にこやかに頷き、志桜里はステージへと再び視線を向ける。深い呼吸をひとつするうち、身の内に沈みこませた闘争心を瞬時に呼び覚ます。しなやかな筋肉に鎧われた身体に修めた武術の構えを取るように、凛と立つ。
今日まで、活動時間は月の輝く夜だった。けれど今日の舞台は燦々と煌く太陽の下。
(夜のストリートから昼のお天道様輝くステージへ)
己に向けられる視線の多さは、今までの比ではない。
身の内に湧く武者震いに、志桜里は短く笑う。向けられる視線がどれだけ多かろうと、
(きっちり湧かして名を上げ皆をアゲるわ!)
瞼を閉ざし、もたげる。演奏を終え、くたびれ果てながらもハイテンションな様子で舞台袖に戻って来た『Fourmuras』の面々を黙して見送る。
舞台が整う。スタッフから渡されたマイク一本を手に決戦の場へ上がる。
背中を押すはステージ全てを震わせるほどの重低音系のトラックに緩急の激しいフロウ。閉じた瞼の裏でもぎらつきそうな外連味のあるクラブ系照明パターン。
(これは自己紹介代わり)
派手な音楽を背に負いステージに立った一見清楚な少女は、たとえば丁寧語しか知らぬような唇をおもむろに開いた。
アマチュアヒップホッパー、またの名をインディーズラッパー
カブり知らずのビッグブロックエンジン がなり散らすは最高のMC
440Re参上この良し折におきをお見知り
清廉な着物さえ似合いそうな少女の口から放たれた、早口にまくしたてる言葉の羅列に、客席にどよめきが走る。皆の驚愕には一向構わず、志桜里は一気呵成に続けた。
聞こえてんだろドロドロと 低く奏でるキャブのビート
まだ序の口だ開けてないぜスロットル
さあ踏んでくぜペダルto the Metal 満積んでくぜアガる卍なvibes
トラックに合わせた攻撃的なラップに、客席が見る間にヒートアップしてゆく。志桜里のラップに熱が籠る。
日出ずる前で真っ暗がりのストリートアンダーグラウンドから出て来て今アンダーお天道
でも灰にゃならねえぜHighにアガるしかねえぜ天井なんて知らねえぜ、Yo
トラックの速度が戻る。志桜里は唇にいっそ妖艶な笑みさえ刻む。
Revvin upでもビビんな ここで手離した奴からBlow up
で落ちて地面は真っ赤一面染まった 朝刊の一面派手に飾った
みてぇなWackにゃくれてやるぜ輪っか
Hands up Hands up 生き残った奴は騒げHands up
Yo 思ったよりも多いらしい 乗れた奴が見るシーン
140字の紙の束 書き散らすより音魂 突き刺すド頭
目が眩むのは叩きつけられる太陽のせいかギラギラしたライトのせいか。
汗に滑りそうになるマイクを握りしめ、志桜里は歌い続ける。
これがアタシ流のこんにちは ヘッズのために開くぜこの道は
他の誰でもなく覚えて帰りな440Re
トラックがフェードしてゆく。それに合わせ、テンポをスローにしてゆく。最後は囁くように祈るように、告げる。
崩さぬSteelo ma 信条
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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