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NECO MUSIC FES 1370!
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スーツ姿のスマートな男性と、ほんの少し背伸びしたようなワンピース姿の少女とすれ違い、
恵御納 理沙
は海色の瞳を淡く微笑ませた。
(がんばってね~)
男性を見上げる少女の懸命な瞳を微笑ましく思ってから、理沙はちらりと唇を尖らせる。どれだけ綺麗なドレスを纏っていても、華やぐ船内で独りは少し寂しい。
(旦那様……)
一緒に海上音楽会を楽しむはずだった夫を想う。仕事が入ってしまったのは仕方がない。自分の分まで楽しんできてほしいと優しい旦那様は言ってくれたけれど、
(寂しいわ~……)
波打つ金糸の髪を潮風になびかせ、しょんぼりと甲板を眺める。白いグランドピアノが置かれた甲板では、今は即興楽団による心浮き立つような音楽を奏でられている。
(……あら?)
和やかに賑わうパーティ会場に、ぽつり、自分と同じようにどこか所在なさげに迷う人物を見つけ、理沙は首を傾げた。漆黒の執事服を身に着けた男は、行き交う人々に声を掛けては断られ困惑するように立ち尽くしている。
「こんにちは、何かお探しかしら~?」
おっとりと近づき声を掛ければ、男は光を映さぬほどに黒い瞳を静かに瞬かせた。こんにちは、とオウム返しじみて応じ、緩やかに会釈する。
「バワー、と、申します」
言葉を発することに慣れていないような口調と、その名に聞き覚えがあった。もしかして、と理沙は小さく呟く。以前遭遇したときとは姿かたちが全く違っているけれど、あの時顔を合わせたのは悪魔の一員。姿を変えることがかなう者も居るのだろう。
「翼持つ首無し馬さん?」
頭ひとつ以上は背の高い痩身の男に背伸びしてこそりと尋ねる。果たして、バワーは無表情のままにこくりと頷いた。
「然様に御座います、奥様」
「お久しぶり!」
旧知の友人に会ったかのような朗らかさで理沙は笑った。
「私は恵御納理沙よ、よろしくね~!」
折角会えたのだから、と理沙はバワーの骨じみて細い肘を取る。
「せっかくの機会だから、迷うだけじゃなく楽しまないと、ね?」
大人しく付き従うバワーに微笑みかけ、甲板の一角に設けられた白いクロスのテーブルからノンアルコールのカクテルを二人分貰う。
(旦那様以外と一緒に飲むから、ね)
少々の嗜みはあるつもりだが、アルコールは隣に自分が居るときだけにしてくれと旦那様から固く言い聞かされている。
(もう三十路も後半なのにね~)
未だに少女に間違われることもある主婦は優しい眉尻を下げる。大人も大人、お酒の飲み方くらいは知っているつもりなのに。
「はい、乾杯~」
グラスの持ち方にも迷う本性は首無し馬なバワーとグラスの縁を合わせる。レモンスライスが飾られたシャーリーテンプルで唇を湿し、バワーは難しい顔をした。
「こちらの飲み物は初めてかしら~?」
心配気に問う理沙に難しい顔のまま頷いて、バワーはそれよりも、と襟を正す。
「野々ののこ、という者を探しております。ご存知ではありませんか」
害を与えられたことは未だないが、曲がりなりにも悪魔であるバワーの口から発せられたその名に、理沙は少し困った。迷って、けれど正直に答える。
「知ってるわ」
娘の友達なの、と金色の睫毛を伏せる。だけど、と口ごもる。
バワーと会ったあの日、ののこの絶望を目論む悪魔相手の戦闘もあったと夫や娘から聞いている。
「ののこちゃんを探しているのは、誰かしら」
「我が師に御座います」
「あなたの師という方は、どんな方なのかしら?」
今目前に居るバワーが、この世界に仇なす者ではないと理沙は信じている。けれど彼の師は、未だ知らない。
「我が師は、……」
バワーは僅かに迷う風を見せた。カクテルを口にし、やはり口に合わぬのか難しい顔をする。
「恐ろしい、御方」
「……娘の友人を、見知らぬ方の所に、知らない場所に、一人で行かせるわけにはいかないの」
どうしてもお誘いしたいのなら、と理沙はバワーの手を取る。白手袋に包まれた手は、骨と皮だけで出来ているようだった。
「その時は私にも連絡して」
万が一のその時、自分自身が行けなくとも、娘にはきっと伝えよう。そうすれば、娘だけでなくこの寝子島の人々はののこと一緒にバワーの師のもとに行こうとしてくれるはず。
「ののこちゃんだけを連れ出そうとするのはだめよ」
小さな子どもに言い含めるように理沙は言う。
「……お怪我だけでは、すまなくなるから」
「心得ました」
少女じみた容姿の理沙からの真摯な言葉に、バワーは無表情に頷いた。理沙はふわり、儚げにたおやかに笑う。
「それじゃ……ネコフェス、楽しんでいってね」
願うのは、彼らとの次以降の交流がフツウを壊さない穏やかなものとなりますように。彼女が願うのはそればかり。
洋上に奏でられるグランドピアノとバイオリンの楽曲は、
(ラプソディー・イン・ブルー、か)
潮の香の風に純白の長い髪を揺らし、
旅鴉 月詠
は夕闇の瞳を細める。客船の甲板でのパーティーで聴くに、軽やかで明朗なこの選曲は悪くない。
海上音楽会の一角に執事服姿で彫像の如く立ち、物静かに視線を巡らせる。
花のようなドレスを纏うた女達、ラフ過ぎぬスーツ姿の男達。同じようにドレスで身を包んで笑いさざめくことも出来たが、今日の月詠はその気分にない。
だからこその執事服姿。一分の隙も無いテールコートがドレスコードに引っかかるはずもなかった。
それに元より、ここを訪れたは装う為でない。
(洋上でクラシックを聴きながらのんびりすればインスピレーションが降りてくるんじゃない?)
暇があろうがなかろうが走らせている絵筆を置き、たまにはのんびりしようと船上の人となったはいいものの、
「……ふむ」
見渡す視界を彩る老若男女の衣装を眺めるうち、知らず心がざわついた。ドレスコードに引っかかっている者は居なさそうではあるが、あちらの男性は少々ラフに過ぎまいか。こちらの女性は華美に過ぎまいか。
(場の秩序が保たれているのならば問題はあるまい)
あまりにコードに引っかかるような人が居れば知り合いの有無を問わず出来る限り仕立てようと考えていた。同じ船にいる以上、この場の誰もが仲間。船の秩序を保つことにスタッフも客も関係はない。
月詠はそう考える。
ともあれ、当面はその必要もあるまいと判断し、甲板に用意されていたパーティ料理の中からサラミとチーズ数種類、それから葡萄ジュースのボトルを手にする。空いた席につき、ワイングラスの中の赤紫を暮れなずんで行く空と海に重ねて乾杯する。
甲板に響く音楽はいつしかショパンの『舟歌』に変わっている。
穏やかな波音に重なるピアノの音に耳を傾け、葡萄の豊潤な味を楽しみながら、
(……描きたい)
筆休みに来たはずの絵描きはふと思う。筆を求める自身に軽く苦笑する。
(いや、まあ、……)
持ち来んだ鞄の中にはスケッチブックと鉛筆がもちろんのこと入っている。気持ちが赴くままに絵描き道具を取り出してしまえば、筆休めのはずの一日はただの一時に終わった。
甲板に置かれた白いピアノを正面に、蒼い海と沸き立つ雲、音を奏で音を楽しむ楽団の人々を真剣な眼差しで捉える。素描し始めてしまえば、手は止まらなくなった。
クラシック音楽を楽しむことも忘れて一枚を描き上げ、そう言えば洋上であったと視線を上げる。いつしかランプの煌々とした光に照らし出される甲板の一端、色鮮やかなドレスの海に溺れるが如く、漆黒の執事服の男が迷っている。
(異界の者か)
芸術家の第六感に近く感じ取り、月詠は席を立った。テールコートの裾を海風に翻し、ひどく痩せて背の高い男の前に立つ。
光映さぬ瞳に月詠を捉えるなり口を開こうとする男を制し、とりあえず座れと己の傍の席へと導く。
「その方が怪しまれない」
話を聞こう、と見据えれば、表情に浮かばぬまでも男は安堵したらしかった。
バワーと名乗る男から、月詠は男が先の騒ぎの折りに寝子島を訪れていたこと、師の命により野々ののこを探していることを聞きだす。
「私はパンダに会ったが」
「あの食欲魔人で御座いますか」
「その他にも色んな者が訪れたようだ」
こくりと頷いて、月詠は少し考える。
「ののこは基本こういう場所には来ないぞ?」
「然様に御座いますか」
「もっと庶民的な、明るく楽しい趣向の場に行くと良い」
ふむふむと頷くバワーに、月詠は鋭い一瞥を投げた。
「確認するが、目的は何か?」
落神である彼女に危害を加える者がいる。今のこの面白い事態な寝子島を不粋な者共に損ねさせたくはない。そうでなくとも、月詠としてはののこが己のことを思い出して自発的に帰るまでそっとしておいてやりたい。
(鑑みるに、総体の意志ではないのだろう)
なれば、聞き出しておきたいのはバワーが師と呼ぶ者の意志。
「危害を加える意志なく、誠実に答えてくれたら似顔絵を描いてあげよう」
月詠はバワーの漆黒の瞳を怖じることなく見つめる。
「君を信用しよう」
「――否」
月詠の言葉に誘われるように口にして、バワーは唇を引き結んだ。表情のない瞳が宙を泳ぐ。
「悪魔を信用するなど、……信じられては、わたくしは、……」
よろり、立ち上がり去ろうとするバワーに、月詠は拘らぬ笑み浮かべてワイングラスに注いだ葡萄ジュースを差し出した。
「では、一杯如何? 異界の飲み物が口にあえばよいが」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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