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NECO MUSIC FES 1370!
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豊満な胸と引き締まった腰を上品に、けれど適度に扇情的に彩るのはシンプルな緋色のドレス。健康的なデコルテと手首には華美に過ぎないアクセサリー。艶やかな黒髪は上品なかたちに結い上げられている。
ダンスホールを照らす光を浴びる
初瀬川 理緒
は、ただ立っているだけでも絵になった。
「紗月」
ドレスと同色のルージュで彩った唇が華やかに動く。己の名を呼んでいるのだと思い至って、
佐和崎 紗月
は知らず伏せていた睫毛をもたげた。
一歩先に立つ理緒は、シンプルに見えて上級者仕様なドレスを違和感なく着こなしている。上品な妖艶さを纏う彼女が己と同い年にはとても見えず、紗月はもたげた瞳を再度伏せた。
俯く視界に映るのは、理緒から星ヶ丘マリーナの海上音楽会に誘われたときから迷いに迷ってなんとか選んだ白を基調にしたレース使いの柔らかな素材のドレス。選んだときは充分に美しく華やかに見えたけれど、
(……私なんかに、こんなドレス……)
きちんと似合っているだろうか。大人な色香を滲ませる理緒の隣に立っていてもいいのだろうか。
――豪華客船でセレブ気分なパーティ! 今日も息抜き!
誘ってきた理緒のはしゃいだ声を思い出す。
――私なんかが行ってもいいのかな……もっと他に
――もう、何言ってるの! あたし、紗月とじゃなきゃ行かないからね!
怖じる己に拗ねた口調で言い、
――息抜きしないと死んじゃう!
嘘ではなさそうな切羽詰まった声で言われてしまえば、紗月に断る理由はなかった。傍で見守っている紗月からしても、グラビアアイドルの仕事に受験勉強に、理緒はとてもよく頑張っている。
受験に失敗すればグラドル即引退という、所属している事務所から課された企画があるとはいえ、よく両立できるものだと常々思っている。だからこそ、彼女の『息抜き』には極力付き合ってやりたかった。それに、
――紗月の、おかげなんだから
甘え上手とは言え、理緒は折に触れて真摯な眼差しでそう口にする。
――紗月がいなかったら、あたし、多分あっさり企画を蹴っ飛ばしてる。後先考えず引退を選んでたよ、きっと
大好きな恋人にそう言われてしまえば、どんな手伝いもしようという決意もますます強くなろうというもの。
「紗月? どうしたの?」
「なんでもないよ、理緒ちゃん」
心配げな顔をする理緒に向け、紗月は優しく笑んで見せる。
並んで立つと妖艶な赤と清楚な白の薔薇が咲いているかのように見えるとも知らず、紗月は眩しいダンスホールへと勇気を出して踏み込んだ。
コツ、と足元に鳴る木床の音の柔らかさに、四季の花が描かれた高い天井に反響するオーケストラの音の美しさに、ダンスホールにさざめく人々の華やかさに、紗月は胸に抱いた勇気にも関わらず思わずたじろいだ。
溢れる光に、ワルツの楽曲に合わせ手慣れた様子でくるくると舞う人々の姿に、軽い眩暈さえ覚える。惑わせた視線の先、差し伸ばされる理緒の手を見つけた。
嬉しさと心強さに跳ねる心のまま、恋人の手に手を重ねる。そっと添えられる手にエスコートされ、慣れぬワルツのステップを踏む。
自信のなさに伏せた瞼に理緒の優しい眼差しを感じれば、知らず頬が熱くなった。朱を帯びる頬にも理緒の眼差しを感じて、ますます頬が赤くなる。
いつまでも続きそうだったワルツの一曲が最後の一節を奏でる。理緒の仕草に合わせて出来る限り雅やかにお辞儀をする。目を合わせて笑い合い、どうにか踊れたと安堵する。
ホッと胸を撫で下ろした間隙を縫うように耳に届いたのは、鮮烈なまでのヴァイオリンの音色。ソロで奏でられ始める楽曲に、寝子島高校芸術科に通い音楽を専攻し、断念したとは言えピアニストを目指してもいた紗月はしばらくの間、意識を奪われた。
(『亜麻色の髪の乙女』……)
好きな作曲家の楽曲をヴァイオリンの華のある音色に乗せる、鮮やかなブルードレスを纏った女性。
音楽に気をさらわれ、ふと視線を戻したときには恋人の姿は隣になかった。
着飾った人々の中に理緒を探すも、色とりどりのドレスの洪水に目が回る。絶え間なく聞こえる音楽に胸がどきどきと狼狽える。舞い踊る人々の最中におろおろと心細い視線を惑わせていると、見知らぬ男性に手を差し伸べられた。
男性のそれがダンスの誘いであると思い至るまでに少し時間がかかった。
呆然と見つめてしまったことを申し訳なく思い、お詫びの意味もこめて男性の手を取る。断るに断れず、動揺のままに一曲だけ付き合うも、手に手を取って舞ったはずの男性とは一度も視線を交わさず終わった。物静かな一礼を残して去る男性に、紗月は上の空のままにお辞儀を返す。逆に申し訳ないことをしてしまったかしらとも思うけれど、
(……理緒ちゃん!)
ダンスホールの央、優雅な笑みを浮かべてくるりとその場にターンする理緒の姿を認めた途端、心が弾んだ。弾んで、萎む。探していた恋人は、他の人と楽し気に踊っていた。
自分と同じように誘いを断れなかったのだろうとも思う端から、寂しさが噴き出す。嫉妬が生まれる。針のように胸を刺す痛みに息が詰まる。
楽し気な恋人の様子に声すら掛けられず見つめているうち、理緒の方がこちらに気づいてくれた。曲の終わりと共、相手と軽やかに別れて足早に向かってくる。
「紗月」
「……理緒ちゃん」
震える声を押し殺して恋人の名を呼べば、理緒は優しく微笑んだ。手が伸びて来る。
「あたし、紗月が泣くのは見たくないよ」
指先で涙を拭われ、紗月は自分が涙目になっていたことに思い至った。慌てるより先、理緒がつと一歩引く。何だろうと目を瞠る間に、理緒は黒髪を揺らして片手を胸に、王子様じみたロマンチックな一礼をした。
「あたしと一曲踊ってくださいませんか、お姫様」
おどけた一礼も、そうしてから悪戯っぽくウインクしてみせる様も、このひとはどうしてこんなに絵になるのだろう。思わず見とれる紗月に、理緒は白い手を伸ばす。誘われるように手を重ねれば、ほんの少し強引に胸に抱き寄せられた。
理緒のエスコートに任せ、紗月は踊る。理緒はきっと実は適当に踊っているだけだろうに、決してそんな風に見えない。あまりにも堂々としているためだろうか。
理緒の腕の中でどうしようもなく安堵を覚えながら、紗月は目を伏せる。
(何を嫉妬しているんだろう)
そう思うと情けなかった。そんな感情を抱いてしまうくらいに彼女のことが好きなのは理解していて、
(……でも)
もしかすると、彼女は唐突にどこかへ行ってしまいそうな気もする。
胸の奥には、以前理緒が唐突に記憶喪失になったときの痛みがまだ残っている。彼女を失うことは、紗月にとって何よりの恐怖。
彼女をいつか失う恐怖に怯え、思わずしがみつく。
「紗月?」
「……ううん、なんでもないの」
理緒がそんなことを考えもしていないことは感じている。享楽主義者な彼女が今思うのは、今このときのこと。
己が腕の中にいることが何より大切なことだと、きっと理緒は感じている。
(理緒ちゃん……)
その『大切なこと』をこれからもずっと続けていきたいと。恋人がそう願ってくれるように、紗月は祈った。
手と手を、胸と胸を合わせて踊り終えた後、ふたりは甲板に出る。係の者が差し出して来るカクテルを未成年だからと断り、海の見える席に並んで腰を下ろす。
「飲んでみたかったー」
「だめよ、理緒ちゃん」
代わりにと貰って来た軽食をつまみながら、聞こえてくる音楽を聴くともなしに聴きながら話すのは、夏休みのこと、理緒の仕事のこと、さっき一緒に踊った曲のこと。とりとめもなく色んなことを話しながら、紗月は理緒を見つめる。ふたりきりでお喋りする、この瞬間がいちばんに好きだった。
(かなうなら)
この時間が出来るだけ長く、出来るならずっとずっと、続きますよう――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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