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NECO MUSIC FES 1370!
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太陽の光に満たされた真夏の公園の木陰のベンチ、朝のラジオ体操の後に置き忘れられたラジオが喋っている。
『私は今、星ヶ丘マリーナに停泊する豪華大型客船にドレスアップして立っております。ちょっと、いえ、大変緊張しております……』
タラップを渡るとどきどきと胸が鳴った。
花の色したワンピースの裾を潮風に揺らし、
綾辻 綾花
は耳元に遊ぶ黒髪を片手で抑える。唇に薄く刷いた口紅と白粉の香が鼻先をくすぐるような気がして、何だか急に恥ずかしくなった。思わず睫毛を伏せる。少しだけお化粧してきたけれど、変じゃないかな。無理して背伸びしているように見えたりしないかな。
(……でも)
それでも、ドレスコードのある星ヶ丘マリーナの海上音楽会に来ようと思ったのには訳がある。
(珪先生に会うなら、きっとここだ)
祈るように思う。
音楽を楽しむだけなら、メインステージの寝子ヶ浜海岸で良かった。けれど、恋心を抱く寝子高の司書教諭は、
早川 珪
先生は、賑やかな場所ではなく、きっとこういう大人な会場を選ぶ。はず。
低めのヒールをコツリと鳴らしてタラップを登り切る。ようこそ、と和やかな笑顔で迎え入れてくれる黒服の係員に緊張気味の会釈をする。未成年でも入れるのか心配していたけれど、入場に問題はないらしい。
つり下げ型のランプで眩しく飾り立てられた甲板に立つと、涼しい潮風と共に柔らかな管弦楽の音が身体を包み込んだ。
(わあ……)
スカートの裾を抑えながら思い出すのは、以前、仮面を被ってダンスをしたときのこと。あの時もそうだったけれど、大人な雰囲気にはやっぱりまだまだ慣れない。
白いグランドピアノが置かれた甲板では、カクテルグラスを手にした礼装姿の大人たちが穏やかに笑いさざめいている。波の音をも伴奏にして、ドレス姿の女性がピアノを弾いている。
ランプの光に照らし出された和やかなパーティ会場をぐるりと見回してから、綾花はちょっと寂し気に睫毛を伏せる。珪先生の姿はここには見つけられない。
(でも……)
落ち込むのはまだ早い。甲板を離れ、舷側の通路に設けられた案内板に従って次に向かうはダンスホール。
船内とは思えぬほどに広い廊下を辿り、緋色の毛氈が敷かれた螺旋階段をぐるりと上る。花の彫刻が施された観音開きの扉の向こう、聞こえてくる管弦楽の音に知らず高鳴る胸を片手でそっと抑える。黒服のドアマンに招き入れられ、思わず丁寧に頭を下げて扉をくぐる。
ふわり、音楽が身体を包んだ。
視界いっぱい、華やかな衣装に身を包んだ男女が軽やかなワルツを舞っている。
「わ……」
違う世界に迷い込んだ気分になりながらも、綾花はホールに視線を巡らせた。ダンスの邪魔にならないよう、壁伝いに歩く。そうしながら懸命に気になるひとを探す。
(きっと、……きっと)
珪先生はここに居る。
信じて壁に沿って進む足が不意に止まった。伸ばした視線の先、スーツ姿で静かに佇む黒髪のひと。壁に痩せた背を預けるほどに寛いだ様子に見えて、けれどとても姿勢よく見える大人の男性。
学校にいるときとはどこか様子が違うけれど、見間違えるはずがない。
「珪先生?」
小声で聞けば、即興楽団に耳を傾けていたその男性はかたちの良い横顔をこちらに向けてくれた。
「綾辻さん」
音楽の海の中にあっても静かに耳に響く憧れの男性の声に、綾花は思わず笑顔になる。珪先生、ともう一度名を呼んで、隣に立つ。少し迷った後、先生の前に回り込む。
「あのっ……」
言いかけるより先、珪先生は淡く微笑んだ。慣れた仕草で片手を差し伸べる。
「一曲、どうかな」
ダンスに誘われ、綾花は頬を紅く染めて大きく頷いた。先生の手を取る。踊りやすい低いヒールで来て良かった、と心底思う。
腰に手を添えられれば心臓が跳ねた。
音楽に合わせてステップを踏めば笑顔が零れた。
いつもより近く感じる珪先生に、顔を見上げるのもなんだか恥ずかしいのに、先生はなんでもないようにこちらを覗き込んでくる。目を合わせて微笑んでくる。
心臓が飛び出しそうだった。
気が付けば楽曲は終わっていた。周囲の大人たちに合わせ、綾花は珪先生とお辞儀を交わす。
自分ばかりが慣れない幼い仕草をしているような気がして睫毛を伏せていると、先生が軽く肩を叩いて甲板に連れ出してくれた。
外に出た途端にふわりと吹き寄せる潮風に、知らず感じていた緊張が一気に解けて綾花は大きなため息を吐く。ともかくも踊り切れた。先生に自分がいつもより大人っぽく見えていたかどうかも分からないけれど、人にぶつからず、先生の足も踏まずに踊り切れた。できれば、先生に緊張感が伝わってなければいい。大人な先生と同じように余裕で踊っていたように見えていると、
(いい、な……)
安堵しつつもちょっぴり落胆する。珪先生のようにあの雰囲気が似合う大人になりたいけれど、それはまだまだ先になりそうだ。
「……珪先生に会える気がしてたから、ここに来て良かったです」
「今日の綾辻さんは、いつもより大人びて見えるね」
柔らかな先生の言葉に、綾花の沈みかけていた心がふわりと浮かぶ。母から教わったほんのりメイクに、薄紅に色付かせた唇に、先生は気づいてくれたのかもしれない。
「珪先生、」
彩った唇で綾花は先生に呼びかける。先生の時間が許す限り、一緒の時間を過ごしたい。色んなことを聞いてみたい。例えば、
――珪先生はこんなに素敵な船で旅に行かれたことはありますか?
――それはどんなところでしたか?
先生への質問を胸に練習しながら、綾花は先生と肩を並べて潮風の甲板を歩き始めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
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