this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
NECO MUSIC FES 1370!
<< もどる
1
…
23
24
25
26
27
…
36
つぎへ >>
演歌を楽しみながら足湯に浸かる両親の隣、
曖浜 瑠樹
はちゃぷちゃぷと裸足の爪先をお湯に遊ばせる。
(お姉さんたち、お歌上手だねぇ)
舞台の上で声を揃えて演歌を歌う外国人らしいお姉さんと黒髪の優しそうなお姉さんたちにおっとりとした眼差しを向けていると、瑠樹、と母に名を呼ばれた。
「んー?」
周囲の樹々と温泉の匂いが混ざった夏風にふわふわとした天然パーマの髪を揺らして振り向く。まだまだ足湯に浸かっていたいらしい両親から、迷子にならないなら、という条件つきで自由に楽しんできておいでとの言葉を貰い、瑠樹は柔らかな瞳を一層柔らかく笑ませた。
「やったぁ!」
足湯のところで配っていた寝子温泉のロゴ入り手ぬぐいで足を拭き、靴を履く。お祭りだからと貰ったお小遣いをリュックのお財布に仕舞い、両腕に白猫ぬいぐるみのラピちゃんを抱っこすれば準備は出来上がり。
夏空に響き渡る演歌や民謡を耳にしながら、まずは宴会場をぐるりと一巡りしてみよう。
「お疲れさま。乾杯っ」
「乾杯」
向こうの野立て傘の下では、カラオケを終えたお姉さんたちがウーロン茶のコップとお酒のお猪口を楽しそうに合わせている。
あっちには以前会ったことのある亜麻色の髪のお兄さんがツインテールのお姉さんと、こっちには仲の良さそうな高校生くらいのお姉さんたちふたりが一緒に歩いている。
宴会場の入り口では外国人みたいな背の高いお兄さんと小柄なお兄さんが物珍しそうに辺りを見回している。
色んなひとが色んな風にお祭りを楽しんでいるのは、見ているだけで楽しくなってくる。自然とにこにこしてくる顔をそのままにてくてくお散歩すれば、同じように会場をお散歩している猫たちが気まぐれに寄って来ては脛にあったかいお腹や冷たい鼻先をくっつけてくれた。
「今日はにゃんこたくさんいるねぇ」
近づいてくる猫たちが居る度に足を止めてそっと手を伸ばす。顎を寄せてくれば顎を、尻尾を近付けてくれば尻尾を、ねだられるままに撫でる。
「何かいいもの見つけたかなぁ?」
くすくすと尋ねてみれば、お腹を見せて嬉しそうに撫でられていた三毛猫がくるりとした目を瞬かせた。示すように見遣った方向をつられて見て、瑠樹は納得する。会場をぐるりと囲む屋台の端々に、真ん中の足湯や野立て傘の席のあちこちに、猫のお客さん用のごはんがそっと置かれている。猫たちの目当てのひとつはそれであるらしい。
「屋台もいいよねぇ」
焼き鳥屋台の熊じみた大男店員が味のついていないササミを串から外して猫たちに振る舞っているのを見つけ、瑠樹はほわほわと笑った。お酒のおつまみを扱う屋台が多いけれど、水羊羹や水まんじゅう、甘いものを扱う店も少しはある。
何か買おうかなぁ、とリュックからお小遣い入りのお財布を取り出そうとしていて、
「……あれぇ?」
仲良く連れだって歩く和服姿の老爺と夫人らしい女性が目に留まった。以前、寝子島駅で会ったときよりはもっとずっと人間寄りの顔かたちをしているけれど、あの強面は間違いない。
「こんにちはぁ、おじいさん」
瑠樹は手を上げて元気よくご挨拶をする。
「お久しぶりー!」
軽やかな足取りでぱたぱた駆け寄れば、老爺は鬼じみた相貌を穏やかに和ませた。
「その節は世話になったのう」
「おばあさんと仲直りできたんだねぇ!」
照り臭そうに白髪の坊主頭を掻く老爺の隣、楚々とした佇まいで日傘を差す和服姿の老婦人は物静かにお辞儀する。
「おばあさんは初めましてぇ、曖浜瑠樹だよぉー!」
キトウ、と名乗った老夫婦は、以前寝子島の子ども達に誘われたのを理由に寝子島観光に来ているらしかった。
「ちょうどネコフェスやってるから、お歌を聴いたりして楽しめたらいいなぁ」
演歌については詳しく知らないんだぁ、とふわふわと笑う瑠樹の周りには猫たちがぐるりと守るように取り囲んでいる。反対に、老夫婦の周りには一匹として猫たちは居ない。
「キトウおじいさんとおばあさんは、にゃんこ好きかねぇ?」
なんだか全身を緊張させているようにも見える足元の猫たちを順繰りに撫で、瑠樹は少し首を傾げる。みんな、どうしてこんなに老夫婦を警戒しているのだろう。いつもはうにゃーってしていてとっても癒されるのに。今日はいつもよりたくさん集まっていて、うにゃーうにゃーなはずなのに。
「おじいさんとおばあさんも、にゃんこ撫でてみるかねぇ?」
言うと、老夫婦は小さく首を横に振った。怖がられているようだの、と零すキトウ老に瑠樹はしょんぼり肩を落とす。
「また会えて嬉しかったよ、瑠樹」
連れだって去るふたりに、瑠樹は手を振る。
「二人とも、またなぁー! 寝子島は他にも良い所が沢山あるから、機会があればまた巡ってみてもいいかもだよぉー!」
揃って会釈を返す悪魔夫婦を見送り、瑠樹は猫たちを撫でつつ笑った。
(皆も、にゃんこも、)
キトウおじいさんもおばあさんも。普通を壊したりしない悪魔や色んな人たちも。
(ネコフェス楽しんでもらえたら嬉しいねぇ!)
会場を囲む百日紅や夾竹桃の樹々を揺らして吹き寄せる夕風に、夕刻に差し掛かってもまだまだ明るい空に響く三味線と尺八の音に、
八神 修
は瞳を細めた。
(若者向けは去年行ったから)
星ヶ丘の小さなステージで即興オーケストラのヘルプ要員としてヴァイオリンを奏でた去年の夏をちらりと思い出す。去年、客席で愛猫を預かってくれた上に耳を傾けてくれていた
七夜 あおい
は、今年は隣に座っている。
「こうしていると汗も引くね」
日よけタープの足湯に見つけた二人分の長椅子に並んで掛け、足湯に爪先を伸ばし、あおいが笑う。
目が合うだけで心がぽかぽかとした。
うっかり熱を帯びそうな目元を誤魔化し、修は汗ばむ掌で頬を擦る。ふと思い出すのは、先のほおずき市で出くわした女性の幽霊のこと。
――なんだ、二人ともお似合いじゃない……
涙に濡れた頬で笑いながら告げられた女性の言葉が耳に蘇ってしまえば、誤魔化しようもなく頬に上気した。
「修君?」
「……あの時」
不思議そうなあおいの眼差しを受け止め、修はそっと唇を開く。ほおずき市の夜、と。
「うん、……あの時」
優しく頷き耳を傾けてくれるあおいに、修は笑った。
「あの時、勇気出して説得してくれて有難う」
「修君が居てくれたから」
幽霊に襲われたときのことを思い出してか、僅かに顔を蒼褪めさせながらも微笑むあおいに、修は丁寧に頭を下げる。
「あおいが居たから、俺は勇気を出せたんだよ」
あの時は申し訳ないからとプレゼントを断られてしまったけれど、
「別の店に可愛い髪留めがあったんだ」
ポケットから小さな紙包みを取り出す。これは、あの時もらった勇気のお礼。あおいの明るい栗色のツインテールには、あおいの明るい空色の瞳には、鬼灯の橙朱色もきっと似合うと思った。
「受け取ってくれたら嬉しい」
真摯に差し出せば、ほんの少し困ったように睫毛を伏せてからあおいは包みを受け取ってくれた。
「ありがとう、開けても?」
「もちろん!」
出て来た鬼灯の髪留めを結い上げた髪に付け、あおいはちょっと待っててと足湯から上がった。髪留めを付けてくれたことに心を跳ねさせる修をその場に留め、あおいはぱたぱたと屋台のひとつへと駆けて行く。
戻って来たあおいの手には、冷たい飲み物の入ったカップがふたつ。
「お礼のお礼!」
笑みを弾けさせるあおいの足元には、にゃあにゃあとじゃれつく猫たち。
「いいのに」
「いいの! どうぞ!」
髪に鬼灯の飾りを揺らすあおいから飲み物のカップを受け取り、修も足湯から上がる。猫たちに誘われるまま、会場の端に移動する。酒盛りする大人たちから少し離れた野立て傘の下の長椅子に掛ければ、猫たちがにゃあにゃあとふたりの膝に乗って来た。
嬉しそうに笑うあおいの横顔に見惚れてから、修は鞄から常備しているオヤツササミを取り出した。
「島には猫が多いから、ね」
なんとなし照れて言い訳じみて言いながら、あおいにもオヤツササミをお裾分けする。ふたりで猫まみれになりながら、オヤツをやったり抱っこしてみたり。
「可愛いね」
「ね。可愛いね」
顔を見合わせてくすくすと笑い合う。
(猫もだけど)
本当は、あおいにそう伝えたかった。けれどそれは伝えられず、修は遠く流れる民謡と樹々の葉擦れの音に耳を澄ませる。のんびりとした空気はどこか懐かしく、心地よい解放感さえ感じさせてくれる。
(あおいも同じ気持ちかな)
猫を撫でながら夕空を仰ぐあおいの横顔にふと思って、修は淡く微笑んだ。同じ時間と空気を楽しめることが、今は何よりも嬉しかった。
「何だか癒されちゃったね!」
宴会場に留まる猫たちに手を振り、あおいが笑う。
「それは良かった、なによりだ」
帰るなら車を呼んで送るよと言う修に、あおいは首を横に振る。
「大丈夫! 歩いて帰りたいの」
「それなら、俺も歩いて行こう」
「いいの?」
「いいんだ」
並んで帰路に着き、修はもう一度空を仰いだ。楽しかったねと笑うあおいに大きく頷く。
「うん、楽しかった」
<< もどる
1
…
23
24
25
26
27
…
36
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
NECO MUSIC FES 1370!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!