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NECO MUSIC FES 1370!
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キャットロード中に鳴り渡るファンファーレは、コスプレパレードの始まりの合図。それまでは思い思いの場所で買い物を楽しんだり撮影会に興じていたりしていたコスプレイヤーたちがひとところに集まり、一団となって通りを練り歩き始める。
たくさんのコスプレイヤーに混ざり、まゆらも背筋を伸ばして歩く。ギャラリーから投げられる歓声やカメラのフラッシュに合わせ、堂々とした態度で手を振る。時にポーズを決めてもみせる。
(もし)
ふと思うのは、今の自分からは想像もつかない性格をしていた中学時代の自分自身。あの頃の自分が今の自分を見たら、
(どう思うだろう)
もしかすると、あまりにもかけ離れた姿に更にコンプレックスを深めてしまうのかもしれない。
過去を思って伏せそうになった瞳をキッと持ち上げる。たとえば敵を見据える魔法少女のように。前を見据えるまゆらの背に、
「あんた、水着じゃないの?」
嘲笑うような声が掛けられた。
とある暑過ぎた日、暑さのあまり錯乱し水着姿でひとり界隈を練り歩いてしまった事件を不粋に指摘され、まゆらは一瞬動きを止める。恥ずかしさよりも情けなさよりも、つまらないことを言い立てる人間性に怒りが先立ち、思わず振り返りそうになる。ステッキで殴る振りでもしてやろうかとも思うも、
(気にしないのが一番よね)
折角楽しいんだからとすぐに気を取り直す。小さく肩を竦める仕草ひとつだけして相手を無視し、引き続きパレードを全身で楽しむ。
くるくると器用にステッキを回し、時にバトントワリングじみて高く投げて受け取り可愛いポーズを取る可愛いドレス姿の魔法少女につい見惚れてしまってから、智瑜は慌ててパレードの中からギャラリーへと視線を巡らせる。
初めてのコスプレ、衣装を身に着けたときには恥ずかしさもあったけれど、パレードに混ざってしまえば周りは全員コスプレイヤー。誰も彼もがポーズを決めている姿を見れば羞恥も消えた。
(なりきるって凄い楽しい!)
「……あっ」
パレード見物の人込みに見間違うはずもない背の高い男性の姿を見つけた、その瞬間。
流れ始めたのは、パレードに参加するバンドに智瑜がいつでもいいですからと演奏をお願いしていた、義弘先生が好きな美少女ゲームのBGM。
「宮祀……?」
眼鏡越しの鋭い瞳を瞠る先生の名を呼びかけて、智瑜はちょっと迷って言い直す。先生の名ではなく、美少女ゲームの主人公の名を口にしながら先生の傍に近づくなり、ヒロインになりきって先生の腕を両手でぎゅっと抱きしめる。
「一緒に参加しませんか、義弘先生」
こそりと囁きかけるついで、コスプレ制服のポケットから取り出した携帯電話でツーショットを撮ることも忘れない。
(おお、あれは確か数学の……)
行列の中から桐島先生と何かのゲームのヒロインっぽいコスプレの女の子の姿を見かけつつ、周りの誰にも正体を知られたくない萌々子は顔マスクの下で思わず息を殺す。
「すみません、写真いいですか?」
「え、写真ですか?」
それでも、そんな風に別のコスプレイヤーから声を掛けられてしまえば、
「いいですよ、ねこったーにもアップしてくださいね」
そう力いっぱい返事をしてしまうというもの。元よりコスプレとは、キャラクターの魅力を文字通り体で表現するものだと萌々子は考える。
(のんこの良さを伝えるのは作者の私ですからね)
「私、野音のんこ! 成績はちょーっとよくないけど、元気だけは100点満点の女子高生!」
自分の理想の人格でもあるオリジナルキャラクターを表現して、萌々子は元気いっぱい決めポーズなバンザイの姿勢をとる。
「ぱっしょーん!」
スマートフォンのカメラのシャッター音をきちんと聞き終えてから、萌々子はポーズを解除する。
「……こんな感じでいいですか?」
「うん、バッチリです!」
白い歯がキラリと光りそうな眩しい笑顔を見せる『ニャンダムR』の『堅盾のブロド』コスの男性に、ありがとうございますと頭を下げて、
「『野音のんこ』の登場する『のののガール!!』をどうぞよろしくお願いいたします!」
丁寧に宣伝もして、
「『堅盾のブロド』の写真も撮らせてください!」
「よろこんで! ポーズ何にします?」
「サングラスを外すキメのポーズでお願いします!」
忘れず交流もしてその場を離れて、
(あああ危なかった、危なかったです、あの人確か寝子高の生徒会長さん……!)
萌々子は顔マスクの下で大汗をかいた。
「あの子……」
顔マスクを決して外さずスキップで、けれどどこか足早に去る『野音のんこ』を見送りながら、『堅盾のブロド』こと寝子高の生徒会長志波武道はちらりと首を捻る。
「暑くないのかな」
「まあ、マスクはともかく服は普通だし」
「あ、れんちゃん」
『堅盾のブロド』な武道は乙女ゲームキャラな煉の袖を引く。そっと声を潜め、パレードの人込みに紛れる。
「いたいた、たー坊たち」
「……ん」
「人気だね、サッスガたー坊たち!」
楽しそうにポーズを取る弟妹に見つかるまいとこそこそ耳打ちする男子二人に、周囲のその手の趣味な女子たちがこっそり胸をときめかせているも、本人たちは全く気付かない。悪戯っぽい笑みを交わしつつカメラを構え、コスプレデート中な弟妹に後ろからそっと近付く。
「すみません、そこの邪気凝らのお二人写真いいですか?」
「写真ですか? はい喜ん……」
武道の声とは気づかずにこやかに振り返りかけた拓郎の顔が一瞬のうちに強張る。
「ハーイ俺ですおにーちゃんでっす☆」
「なんでいるんだ馬鹿兄貴!」
「おこっちゃイヤーン」
てへ、と舌を出しておどける武道に、その隣で見慣れぬコスプレをしている煉に、彩葉も声をあげる。
「武道さんに兄貴!?」
初コスプレ姿を妹に晒すことが少し恥ずかしいのか後退りしかける煉を彩葉の前に押し出し、武道は明るい声をあげる。ついでに彼女の兄を前面にすることで自分の弟の怒りも牽制する。
「ハーイ、れんちゃんもいるよ!」
「って、先輩も……一緒、でしたか」
明らかにクールダウンする拓郎の隣、彩葉は声を弾ませた。
「兄貴がコスプレしてるところなんて初めてみたなぁー、その眼鏡はどうしたの?」
「武道に貸してもらった」
「武道さんも兄貴もなかなか似合ってるよ!」
「でっしょー?!」
弾んだ声を上げ、『堅盾のブロド』と『邪気凝ら』ヒロインはハイタッチを交わした。そのままの勢いで並んで歩き始める兄と彼女の間、拓郎はさりげなく身体を割り込ませる。今にもからかってきそうな兄から視線を逸らす。
「賑わいがすげぇよな」
「そう、ですね……」
物怖じしない態度で周囲を見回す煉に頷き、拓郎は改めてぐるりと視線を巡らせた。
コスプレ衣装は大抵が色鮮やかだ。奇抜であったり妖艶であったり、フリル満載であったり、普段お目にかからぬようなデザインのものばかり。そういう衣装を纏った人々が道を練り歩くさまは、いかにも非日常的で面白かった。その上、あちらこちらからアニメやゲームの音楽が流れて来る。
「なんか漫画っぽいのも売ってるけど……」
パレードをふらりと離れ、煉が引き寄せられたのは漫画本やイラスト集が平積みにされたブース。派手なポップやポスターに飾られた物販所を興味深げに眺め、煉はこくりと頷く。
(……あぁ、二次創作ってやつか)
コスプレが初めてな煉は、元よりその手の知識にさほど詳しくはない。ずらずらと並べられたアニメ本編とそのキャラクターへの愛と欲望に溢れたいわゆる薄い本を見ても、
(テレビでも取り上げられてるもんな)
思うのはその程度。
「兄貴、何見てるの?」
その程度、ではあるものの、
「彩葉にはまだ早いんじゃないかな」
下ネタが苦手な一面もある妹には毒かもしれないとの判断は出来る。寄って来る彩葉の肩を掴んで回れ右をさせ、煉は武道と拓郎を見遣る。
「たー坊たー坊」
「何、だよ……」
『堅盾のブロド』と『邪気凝ら』主人公、体格のいい兄弟がじゃれている様は、世界観が違うと言えどもなんだかとても絵になる。
「見て見て! じゃじゃーん!」
「それ、あの漫画の……!」
「あと向こうの路上ライブとかも良かったよ、きっとたー坊も好み」
「行けたら、行ってみる……」
交わしているのが漫画の考察本についてであっても、少し離れたところで見かけた生バンドのゲーム曲のことであっても、むしろだからこそ、コスプレ男子好きなお姉さま方の衆目は集まる。
「あの、写真を撮らせてください!」
「その漫画、お好きなんですかー!」
ひとりが声を掛けたのを機に、コスプレ非コスプレ問わず、女の子たちが志波兄弟を取り囲んだ。
「え、あ、……写真は、大丈夫、ですが」
「この本はあっちのブースに売ってましたよ」
勢いに圧倒されながら丁寧に応対する二人に、女の子たちがキャアキャアと黄色い歓声をあげる。腕を組んで写真を撮られ、ぐいぐいと迫られ、世話好きな武道はともかく朴訥な拓郎が押され気味になってくる。
「なんか拓郎と武道が大変なことになってるな」
完全に他人事にして遠巻きに眺める兄を一睨みして彩葉は焦る。大切な彼氏が女の子たちに絡まれているとあっては、
(こ、これはよくわかんないけどちゃんと言わなきゃ!)
彼女として何かひとこと物申さねば。
焦燥感に駆られるまま、彩葉は結い上げた髪をぱたぱた揺らして女の子たちの輪に近づく。深呼吸ひとつするなり、その輪の中にぐいぐいと身を押し込む。二重三重の女の子の輪を潜り抜け、なんとかかんとか拓郎の傍に立ち、拓郎の腕を他の女の子の手から取り返す。
「かっ、……」
怖じて嗄れそうになる声を精一杯に張り上げる。
「彼は私の恋人なので、拓郎×私以外は地雷です!!」
全身全霊で叫んだ途端、
「って、彩葉ちゃん!?」
「お前は何を言って……!?」
拓郎の兄と自身の兄の両方から焦り気味のツッコミが入った。
「ん? 地雷? 何の事……?」
兄二人と違ってきょとんとするばかりの拓郎と眼を合わせ、彩葉は瞬く。
「こう言っとけば大丈夫だって教えてもらったけど、何か違った?」
「誰だ教えたのは……!」
「×とかお兄ちゃんは教えた覚えないぞー」
輪の内と外で言葉を交わす『堅盾のブロド』と乙女ゲームの主人公コスプレの男子二人に、今度は視線が集まる。
「あなたあのゲームの……!」
乙女ゲームを知る女子に目の色を変えて迫られ、煉は眼鏡越しの視線を丸くする。自分自身というよりも衣装を纏ったキャラの格好越しに女性の熱い視線を受けるのは生まれて初めてだ。
「よし……」
女の子たちの輪からするりと抜け出した武道が煉の隣で『堅盾のブロド』の決めポーズを取る。
「戦略的撤退!」
格好良く言い放つなり、女の子たちの写真攻撃のターゲットとなった煉の手を取る。
「逃げるぞれんちゃん!」
逃避行を決め込む男子ふたりに、女の子たちの熱のある歓声が浴びせられた。ついでに何人かの女の子たちがキャアキャア言いながら二人の追跡にかかる。
「こっちはこっちで楽しむからなー、そっちはそっちで仲良くやれよー」
逃走する煉から声を掛けられ、取り残され組な拓郎と彩葉はもう一度顔を見合わせた。
「……行っちゃった」
こくりと首を傾げる彩葉の横顔を見下ろし、拓郎は頬を引っ掻く。彩葉がさっき口にして兄二人が焦りまくった言葉の意味はやっぱりよく理解できていないけれど、
(嬉しいこと言われた気は、する)
夏の暑さとは違う熱を帯びる頬を擦る間に、彩葉がキラキラな青い瞳で見仰いできた。
「よくわかんないけど、これで二人っきりでゆっくり回れるね」
彩葉の視線を受け、拓郎は知らず緩む頬で頷き返す。
(まぁいいか)
彩葉の言う通り、これでまた二人で巡れることに違いはない。
「兄貴たち、こっちの路上ライブがお勧め、だって」
「いろんなアニソンが聞こえるね」
パレードの賑わいに負けじと聞こえて来る心を燃え立たせるような音楽に惹かれ、ふたりは歩き始める。
「なんのアニメだろう?」
「何のアニメなのかな?」
ふと重なった言葉に顔を見合わせて笑み交わしつつ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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