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アイドル・リバイバル
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chapter.8 キラキラロード
大沢ゆずか。
その名前を、瑠奈は知っていた。次世代を目指す者として、先輩に位置するアイドルの名前はほとんど知っている。
しかし、今この状況で一番知りたいことを、彼女は知ることが出来ないでいた。そう、ゆずかの居場所である。
正門を出て真っ直ぐ走っていた瑠奈は、大きな通りに出た。寝子島街道だ。
当てもなくここまで走ってしまったけれど、どうしよう。
息を乱し、視線を巡らせる瑠奈。すると、そこに知り合いの姿を見つけた。
「あれ……屍先輩?」
「ん? 夢宮後輩か」
それは、信号を渡ったところで立っていた骸だった。
「こんなところで、何してるんですか……って、それより」
どうにか息を整えながら、瑠奈は尋ねる。
「大沢ゆずかっていう、アイドルの人見ませんでした?」
それを聞いた骸は、目を丸くした。それは明らかに、驚いている表情だった。
「おいおい、なんつータイムリーな名前出すんだよ」
「え?」
骸は、くいっと目の前の喫茶店を指さした。
「今、他のメンバーとあの中にいるぜ」
「ほんとですかっ!?」
骸は、ファンとしてゆずかを応援していた。彼女が保健室に入っていった時も、東門で集まっていた時も、299カフェに入店した時も。どこにだって現れて、影ながら見守っていたのだ。
一般的にはまったくもって怪しからんその行動が、期せずして瑠奈の夢を繋ぐ糸となっていたのである。
「屍先輩、ありがとうございますっ!」
瑠奈は、そのまま店内へと向かっていく。と、その足を止め、骸の方へ振り向いた。
「……でも、どうしてそれを?」
「最近のゾンビはな、ミーハーなんだよ。一度背中を押すと決めたら、とことん応援する。それが俺のファン根性ってヤツだ。アイドルへの追い風になるのが、ファンだからよ」
「よく分かんないけど、屍先輩ありがとう!」
お礼も早々に、瑠奈が店内へと入っていった。それを見届けた骸は、最後にちらっと窓からゆずかたちの様子を見て、小さく呟いた。
「俺の洗練されたオタ芸が日の目を見る時も、そう遠くねぇな。ま、俺日の光苦手だけどな」
それでも、苦手だ何だとは言っていられない。アイドルへの、追い風にならなければいけないのだ。
「どれ、一丁アイドルってぇタンポポの種を、豊かな大地に運ぶ一陣の風になってやるか! へへ、俺という追い風は、ちょいと死臭がして刺激的だぜ!」
何やらかっこよさげなことを言って、骸はその場を去っていった。
◇
その頃店内では、コブラが真剣にゆずかの今後を考えていた。
DOGのメンバーであった大沢ゆずか。でも本当は、そうじゃない。そんな経歴や過去をまとった存在ではなく、あくまで大沢ゆずかとして進んでほしい。
先ほどコブラが言った「認識すること」とはつまりそういうことなのだろう。自分のアイドル像や、覚悟の再認識。今後の展望を語るその前に、今それが必要なのだと彼は主張する。
円もまたその時、コブラと同じことを思っていた。
「ねえ、ゆずかさん。その首輪、つけたままでいいの?」
「えっ?」
「今日の放課後、一緒にいさせてもらってさ。疑問に思うとこもあったんだ。ゆずかさんの一番の魅力って、なんなんだろう。アイドルって、なんなんだろうって」
けど、行動を共にしていく中で、分かっていったこともあった。
ゆずかが、かなえを誘っていた時に言った言葉を、円は憶えている。
——アイドルってね、みんなに喜びとか楽しい気持ちを与えることの出来る、とっても素敵なお仕事なんだよ。
きっと、ゆずかさんはアイドルの仕事を真剣にやっている。たとえ歌や外見が普通でも、彼女が言う「クソ力」は魅力的に思えたりもした。彼女自身もいい人だと思う。
だからこそ、円は聞かずにはいられなかったのだ。
「再デビューするんだよね? なんかさ、今のままだと、まだDOGに縛られたままな気がして。アイドルの魅力を、ゆずかさん自身が持ってる一番の魅力で伝えてるところをぼくは見てみたいな」
「あたしの魅力……」
さっきも自分の口で言っていたように、どこかでは分かっていたのだ。首輪をすることが、DOGの残像をそのまま浮き彫りにしてしまっているということを。
それはきっと、彼女の不安の現れだ。
でも、もうゆずかに不安はない。今この瞬間、なくなった。多くの人が手伝ってくれ、こうして多くの人が自分のために言葉を放ってくれる。
「うん、そうだね……あたしには、クソ力があるもんね!」
ゆずかが、自らを奮い立たせるかのように立ち上がった。それと同時に、お店の扉が開く。
入ってきたのは、瑠奈だった。
「あ……ゆずか先輩……!」
ふたりの視線が合った。直後、瑠奈はくしゃくしゃになったビラを掲げ、ゆずかに向かってはっきりと言葉を口にした。
「あたしも、一緒に活動したいんです! ゆずか先輩、あたしを先輩の世界に連れて行ってください!」
実際に会って、すぐに直感した。確かに一度埋もれてしまったかもしれないけど、目の前の女性には、言葉で伝えられないきらめきのようなものがある。
「先輩と同じ世界で生きたい……あたしも、輝きたいんです!」
いつも、オーディションを受けては落とされていた。何かが足りないと言われ続けてきた。でも目の前のこの人となら、自分のきらめきも見つけ出せる気がした。
ゆずかは、瑠奈の前までやってくると、その手を強く握る。
「うん! あたしたちで……一番きらっきらしてるアイドルになろっ!」
言うと、ゆずかは手を襟の方へ回し、首輪を外した。
夢宮瑠奈……そして、大沢ゆずかが、本当の意味で新たなアイドルグループへと加わった。
お店が閉まった後、一同は入り口付近に集まっていた。
グループの名前や今後の活動については、それぞれ連絡先を共有し、定期的に話し合っていこうということで決定したようである。
「これからが、楽しみだね! じゃあ、また!」
ゆずかが別れを告げ、帰路につこうとする。と、そこに偶然、能美子が通りがかった。
「あ、放課後、学校でビラ配りしてた人だ……大沢ゆずかとか言ったっけ」
ぽつりと呟く声は、本人までは届いていないようだった。それをかき消すように「またね」とゆずかの後ろにいた集団の声が被さったからだ。
能美子はその様子を見て思う。
雰囲気から察すると、勧誘にはそれなりに成功した、ってとこ?
後方に返事をしながら、自分の横を通り過ぎようとしているゆずかの顔は満ち足りたものだった。
能美子もそのまま過ぎ去ろうとしたのだが、気がつけばその口から言葉が漏れていた。
「また群れの中で埋没でもしたいの? いつまでも仲良し女子校ごっこ、楽しそうね」
「……え?」
すれ違いざまに聞こえた突然の声に、ゆずかが驚いて能美子の方を見る。その顔には、見覚えがあった。ビラ配りを始めてすぐの頃、自分をじっと見つめていた女の人だ。
もしかして、この女性もアイドルになりたいという思いを胸に自分の前に現れたのだろうか?
しかしゆずかの予想は裏切られた。能美子の口から出たのは、辛辣な言葉であった。
「あの世界に戻りたいのなら、もっと……もっと本気にならないといけないんじゃない?」
ゆずかからしてみれば、いきなり何を知ったような口を、と思うかもしれない。彼女はなぜこうも辛く当たるのだろうか。さらに能美子は続けた。
「集団からはぐれた魚がどれだけ絶望的か、まだ分かってないんじゃないの?」
それは、ゆずかのことを言っているのだろうか、それとも。
能美子はキツい言葉を吐くその一方で、昔自分が所属していた事務所の社長に言われた温かい言葉を思い出していた。
なんで今それを思い出してるんだろう。言いしれぬ感情に少し戸惑いつつ、その言葉は能美子の喉を通り、今にも外に出ようとしていた。
決してカフェでの会話を聞いていたわけではないし、何があったかも把握はしていない。にも関わらず、彼女が発したそれは、まるで今しがた店内で誓い合ったゆずかたちの思いを戒めるようなものだった。
「光は、いつも一筋だけ射すのよ」
◇
場所は変わって、星ヶ丘寮の一室。
檜扇 舞華
はパソコンの前で、主人が持ち帰ってきたという一枚のビラに目を通していた。
「……ふむ。これは、ネタに使えそうですね」
そこに書かれた内容を見て、舞華の口の端が僅かに上がった。
彼女はパソコンに設置されたカメラの写り具合を確認すると、数回喉を鳴らし、何回かキーボードを操作した。
「はーい皆さんこんばんにゃ☆ 気まぐれネトラジですよー!」
完全なるアニメ声で、舞華が喋り出す。どうやら、ネットでラジオを配信しているようだ。
いつものように寝子島に関する雑談をして、それが一区切りついた頃。舞華は、先ほど手に入れたビラを前に持ってきて、話題に出した。
「そうそう、なんでも、この寝子島でアイドルグループをつくりたいという人が現れたようで」
言うと今度は、わざとらしく眉を下げてみせる。
「ただ、今の状態でグループがつくれたとして、メンバーに押されないかが心配ですよね。寝子高生のスペックは、結構高いですから。ちなみにそのグループをつくろうとしている人はというと……」
カタカタ、とキーを打つ音。やがて画面には、大沢ゆずかのプロフィールが出てきた。
「ふむふむ、大沢ゆずか。元DOGメンバーですが、序列はかなり後ろの方……というかこれはアレですよね、あそこはメンバーが多すぎていかにも売れそうな主役しか憶えてられませんよね」
さらりと毒を混ぜつつも、舞華は続けた。
「でも、そんな脇役だった方が再起したということで、注目してみたいなと。皆様も、ぜひご注目してあげてください」
何の宣伝だよ、と視聴者からコメントが入ると、舞華は笑いながら答えた。
「元DOG大沢ゆずか、寝子島アイドルデビュー! という露骨な宣伝ですよ。とりあえず、進展がありましたらまた流しますねー」
きりよく話題が終わったところで舞華は、「では最後に、今夜はDOGの曲でも紹介しましょうか」と締めに入った。
「紹介って言っても、曲は流せないのでタイトルとか曲解説だけですけれどね。では今夜の気まぐれソングはこちら」
タイトルの前に、簡単な解説が入った。
「人気抜群のペットと、日陰者な野良犬を歌ったシングル曲といえば……そう、この歌」
そして、一呼吸置いてから舞華はその曲名を口にした。
「トイプードルと雑種です」
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あとがき
担当マスター:
萩栄一
ファンレターはマスターページから!
萩栄一です。
今回のシナリオに参加していただき、ありがとうございました。
リアクションで書かせていただいた通り、
今回のシナリオで、寝子島に新たなアイドルグループが誕生することとなりました。
今後どうなっていくのか、僕もまったく分かりませんがとても楽しみです。
ガイドの時点では今回っきりの単発で終わらせることも普通に考えていたのですが、
皆様の熱いアクションのお陰で、アイドルシナリオはもう少し続いていくことになりそうです。
大沢ゆずかに代わって、お礼申し上げます。
次回のシナリオは未定ですが、もしかしたらアイドルシナリオの他に別の何かを書かせていただくかもしれません。
なお、アクションに対する意見などを、
個別コメントで何人かの方に送らせていただきました。
それでは、また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしています。
長文に付き合っていただき、ありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月07日
参加申し込みの期限
2013年08月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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