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アイドル・リバイバル
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chapter.3 はじめての人
心強さを覚えたゆずかは、これまで以上に元気な声で呼びかけた。
「アイドルに興味ある人、いませんかー!」
「最悪、アイドルにまったく興味なくっても、ビラ配りに興味ある人いませんかー!?」
しかし、通行人はゆずかが近づくと、露骨に距離を空け通り過ぎていってしまうパターンがほとんどだった。
それを後ろで見ていた円はぽつりと声を漏らす。
「うわ、適当に声かけてるじゃん……だ、大丈夫なのアレ」
若干うざそうだなあと思いつつも、そのまっすぐさは確かに目を見張るものがあるかも、とも思う。
何十人の生徒に素通りされた後、ゆずかはようやくひとりの生徒の足止めに成功していた。
「ん? いきなりどうしたの?」
ビラを受け取ったのは、
逆巻 天野
だった。ゆずかは自分が元DOGであることを話しつつ、アイドルグループ結成のため誘いの言葉を告げた。
「ねえ、アイドルに興味ない? もし興味あるなら、一緒にアイドルグループを……」
「おい不審者」
と、刀の横やりが入った。
「逆巻は女じゃないぞ」
「え」
一度刀の方に向き直ったゆずかは、すごい勢いで天野に視線を戻した。
「……男の人?」
「うん、そうだよ」
「ご、ごめんなさいっ!」
慌ててゆずかは頭を下げた。中性的な外見だったため、うっかりミスをしてしまったのだ。天野は「いや、別にいいけどね」と怒る素振りも見せず、彼女の頭を上げさせて話しかけた。
「ところで、DOGがどうとかさっき言ってたけど……それって本当?」
自らの問いにゆずかが首を縦に振ったのを見ると、天野はある人物を思い浮かべた。
それは、
以前見かけた女の先輩
だ。
目の前の女子がかつていたグループ、DOG。女の先輩は、今もそのグループにいる。そして、その人は今きっと、何かで悩んでいるのだ。
だが、天野にその心の内は分からない。
「あのー……、もし今時間があったり、アイドルに興味があったりするなら、手伝ってくれたりすると嬉しいなあ、なんて……」
と、ゆずかのそんな言葉で、天野は現実に呼び戻された。
「手伝い? 何をすればいいの?」
「えっ、ほんとに手伝ってくれるの!? じゃあ、このビラを別な場所でまいてほしいな!」
「いいよ。でもその代わり、ちょっと聞きたいことがあるから、後で教えてね?」
——もしアイドルの裏話とか、裏話までいかなくてもアイドル自身の話が聞けたら、あの人の手助けにならないかな。
そんなことを思い、天野はゆずかの頼みを聞き入れた。ゆずかからビラを受け取った天野は、彼女と逆方向に向かおうとする。それを、刀が呼び止めてからかった。
「逆巻、せっかく誘われたんだからアイドルになって歌ったりすれば良かったじゃないか」
「いや、それはちょっと。音痴だし。あ、そうだ」
移動しかけていた足を止めて、天野はゆずかに言った。
「たしか、7組に歌がうまい女子がいたはずだよ」
「ほんとっ!? それはぜひ勧誘しないと! 後で行ってみるね!!」
感謝の言葉を告げながら、ぶんぶんと大きく手を振るゆずかに見送られ、天野はひとりビラを配りに行った。
ゆずかたちが天野と別れた、その直後。
今の彼らの会話を聞いていたのか、
吉祥寺 黒子
がゆずかに近づき、話しかけてきた。
「よお、なんだか必死そうじゃねーか。アイドル募集してんだって?」
「はいっ! あ、もしかしてアイドルに」
「ばーか、俺の柄じゃねーよ」
速攻で断られ、がっくりとするゆずか。だが、何も黒子は冷やかすためだけに話しかけたのではなかった。
「……けど、なんか困ってるみたいじゃねーか。しょうがねぇから、俺も少し手伝ってやるよ」
「わあっ、ほんとにっ!?」
「ただ、見返りはもらうがな」
天野との会話の中でDOG、という単語が出てきたのを聞き逃さなかった黒子は、ひとりの女性の名前を口に出す。それは奇遇にも、先ほど天野が記憶から呼び起こしていた女性と同一人物だったようだ。
「もちろん、同じDOGにいたしその子は知ってるけど……」
「あいつと内密に連絡とりてぇんだよ。頼む」
それが黒子の言う見返りなのだろう。しかし、ゆずかから返ってきた答えは、黒子の望むものではなかった。
「ごめん、携帯番号までは知らないんだ……」
「ちっ……そうか、まあしゃあねぇな」
宛てが外れた黒子だったが、だからと言って彼女はゆずかを見捨てなかった。
「んな目で見るなよ。乗りかかった船ってヤツだ。見返りがなくたって手伝ってやるよ」
黒子がそう言うと、ゆずかの顔が一気に明るくなった。
「ほら、そうと決まったらさっさとそれよこしな」
黒子は、ゆずかの持っていたビラをまとめて手に取った。ゆずかが、空いた両手を見て言う。
「あれ、あたしの分のビラ……」
「ビラは俺が配ってやるよ。それよりも、もっとアイドルっぽいことした方が人集まるんじゃねぇのか?」
「アイドルっぽいこと……」
黒子の言うことには、一理あった。
「そうだ、とりあえず何か踊ったり、歌ったりしてみてくれよ」
黒子が提案すると、海や円もぜひ見てみたいと乗っかってきた。
「参ったなあ……マイク持ってくれば良かったかな。でもせっかくだから、アカペラで歌ってみるね!」
そんな雰囲気を受け入れたゆずかは、すう、と息を吸うと、DOGのシングル曲を歌い出した。
「……」
沈黙が流れる。それは、決して彼女の歌に皆が聞き入っていたからではなかった。
あまりに普通すぎて、反応に困っていたのだ。バカみたいに音痴でもなければ、聞く者を感動させるような歌声でもない。見事に平均的な歌声だった。
歌とかが上手いのかなって思ってたけど、そこまででもない……?
円はそんな疑問を、心の中に抱いた。
「うーん、どんな資質があるんだろう……」
本人には聞こえないように、小さく呟く。
「外見? でも……」
円はじいっとゆずかを見る。もちろん、アイドルである以上外見がアレなわけではないのだが、抜きんでて美人かと問われれば、それもまた微妙なところだ。円の謎は、深まるばかりだった。
「ど、どうかな?」
いつの間にかサビまで歌い終えていたゆずかは、周囲の反応を窺っていた。
「あんた、その、アレだな。なんつーか、普通すぎるな……」
多少自覚はあったものの、やはりこういう反応を目の当たりにすると、いやが応でも個人の実力を思い知らされてしまい、悔しさが沸いてくる。
しかし、その顔から少しだけ元気が減ったゆずかを見て、黒子は真っ先に励ました。
「おいおい、そんな顔すんなよ。あんたは夢のために沢山努力してきたんだろ?」
黒子の言葉に頷きつつも、「でも、努力が足りてないのかも」と答える彼女に、黒子はさらに続けた。
「その自分を信じねぇでどうする! 少なくとも、俺はクソ頑張り屋のあんたのファンになれた! そういう意味では俺は幸運だ」
舌を出しながら、そんな言葉を口にする。
「え、ファン……?」
「ああ、今この時から俺は、あんたのファンだよ。その俺が保証してやる。あんたは立派なアイドルだ!」
力のこもった、黒子の言葉。
こんなにも堂々と、ファンを宣言してくれる人がいるんだ。ゆずかは、そのことが真剣に嬉しかった。
「そうだね、ゆずかはアイドルだもんね! 残念がってる場合じゃないよね!」
彼女の言葉で前以上にやる気を出したゆずかは、ミッションを再開させた。
ただし、「歌があまりにも普通でアピールにはならなさそうだから、ビラ配りの方がいいかも」ということで、結局今までと同じビラ配りをすることになったのだった。
◇
ゆずかたちとは少しだけ離れた、でも互いのことは目視できるくらいの距離でビラ配りを手伝っていた黒子。
当初彼女は、「これは根気強くいかねぇとな」と考えていた。アイドル募集のビラなど、そうそう受け取ってもらえるわけはないからだ。
しかし、そんな黒子の予想とは裏腹に、なんと、手伝いを始めて僅か数分で、足を止めてくれる人が現れた。
「え、アイドル?」
「そうだ、アイドルだ。DOGって知ってるか?」
「ごめんなー、うち9時には寝てまうから、テレビの人はあんま詳しくないねん」
黒子からビラを渡されて話を聞いているのは、
西野町 かなえ
。小柄で明るそうな生徒だ。
かなえは、目の前の黒子に尋ねる。
「お姉さんが、アイドルなん?」
「いや、俺じゃねぇよ。あそこにいる、ゆずかってヤツだ。ま、詳しい話はアイツから聞きな」
「うん、分かったー! ちょっと話しに行こ!」
言うが早いか、ゆずかたちの元へ走っていくかなえ。黒子はその後ろ姿を見ながら思った。
「……俺、勧誘の才能でもあんのか?」
まさかこんなに早く、成果が出るとは。黒子自身、驚きを隠せなかった。
しかし生憎、これは才能ではなく彼女のろっこんのお陰だった。黒子のろっこんは、使用すると幸運を呼び込む。おそらくこの早業は、それによるものに違いない。ゆずかに「俺は幸運だ」と舌を出しながら言った時、ろっこんは発動していたのだ。
さて、当のかなえはというと、ゆずかを前にしてすっかり興奮していた。
「アイドルって、うち初めて見たかも! お姉さんは有名な人なん? すごいなー!!」
手を握り、ぶんぶんと上下に振っている。
「有名なグループにはいたけど、あたし自身はそんなに有名じゃない、かも?」
苦笑しつつ、ゆずかが答えた。目の前の少女のキラキラした瞳が、少しだけチクリとくる。
「でも、アイドルはアイドルなんやろー?」
「そうだね、今はDOGじゃなくなっちゃったけど、アイドルとして頑張ってる感じかな。でも、あなたも今ならそのアイドルになれるんだよ!」
「えー、うちが!?」
これはきたんじゃないだろうか。ゆずかたちに、これまでない期待感が生じた。かなえの食いつきっぷりは、かなり良い。
「うちがアイドルになれるなんて、すごいなー。でもうちに出来るかな?」
「大丈夫! なんかもう、うん、出来そうオーラが出てるもん!」
「おおー、さすがアイドル、そんなことまで分かるんや……」
かなえは、完全に乗せられていた。刀がゆずかを羽交い締めにしようと歩き出すが、円と海に止められやむを得ず引き下がる。
後方でそんなひと悶着が起きていることなど気づかず、ゆずかはここぞとばかりに畳みかける。
「アイドルってね、みんなに喜びとか楽しい気持ちを与えることの出来る、とっても素敵なお仕事なんだよ!」
「喜びかー。うちがアイドルになったら、おとんとおかん喜ぶかな?」
「もちろんだよ!」
「うち、豆腐屋やってるんやけど、お店も有名になったりするかな?」
「もちろんだよ!」
ゆずかは何度も首を強く縦に振る。彼女がひとつ頷く度に、かなえのテンションも上がっていった。
さてはこの子、騙されやすいタイプだ。
ゆずかが何回目かの「もちろんだよ!」を言ったところで、かなえは少しだけ声のトーンを落として、恥ずかしそうに尋ねた。
「……男の子に、うちのこと好きになってもらえたりもするかな?」
「男の子に?」
「あ、男の人のファンがいっぱいとかそういうんやなくてな! その、ひとりでええんやけど」
見る見るうちに、顔が赤くなっていくかなえ。そんな彼女に、ゆずかはこれまでより少し落ち着いた口調で答えた。
「たぶんそれはね、アイドルにならなきゃ叶わないってことじゃないと思うんだ。でも、アイドルになって頑張ってる姿をいっぱい見てもらえたら、ちょっとだけ可能性は上がるかも」
いやらしい誘い方しちゃったね、とおどけた感じで付け加える。かなえは少しの間黙っていたが、すぐに満面の笑みで答えを出した。
「……うん。うち、アイドルやってみたい!!」
「ほ、ほんと? いいの!?」
ゆずかが、かなえの手を握って飛び跳ねる。記念すべきひとりめの仲間が、ここに誕生したのだ。円と海、そして黒子も近づいてきて、拍手を送る。
「あ」
がしかし、かなえは何かを思いだしたように小さく声を上げた。
「うん? どうしたの?」
「忘れとった……アイドルはやってみたいけど、ちゃんとおとんに相談してからなー?」
がくん、とゆずかが前のめりになった。まあ、よくよく考えてみれば、未成年を誘っているのだ。親の同意とかの問題が出てくるのは当然だろう。
「わ、分かった。良い返事、待ってるから!」
再び、ゆずかとかなえは固い握手を交わした。
西野町かなえ、アイドルグループに暫定的ではあるが加入が決定。
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萩栄一
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月07日
参加申し込みの期限
2013年08月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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