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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
携帯戦記カプセルギア 練習しよう、カプギアアスレチック！
「ということで、やってきました、カプギアアスレチック！」
元気いっぱい声を上げても、内心、白 真白は落ち着かない。
今までのどのギアバトルより、彼女は緊張していた。
（円ちゃんがカプギアに興味を持ってくれた･･････）
彼女の友人であり、様々なジャンルに広範な知識を有する桜庭 円。
真白が目下熱いカプセルギア。そこに、ついに円が嗅覚を示したのだ。
（これは大チャンス･･････一緒に遊べる友達が増えるのは嬉しいからね）
「やってきましたー！ おねーさんやっほ！」
快活な女性インストラクターを気後れさせるほどハイテンション。
「流行に乗り遅れるとは、僕としたことが･･････」
ぐぬぬ、と拳を突き上げる円。
だが、真白は不安だ。
変わった趣味を勧めるときは誰しも緊張するもの。気に入ったものがうまく手に入らないと、お金がかかってしまうかも、なんてことはなるべくぼかしたい。いい印象を持って、たのしく趣味を共有したい。いかがわしいものだなんて思われるのは困る。
なんとかスムーズに勧めようと考えていたときに、カプギアアスレチック開演の報が入ったのだ。
「最近出来たみたい。これから始める初心者にもってこいの施設なんだよ」
ロビーの人混みに圧倒されながら、二人はあたりを見回す。
「最初に行くのは･･････」
「えっと、ガチャは売店か」
『アスレチック開店記念、確率アップ！』と書かれた幕の下りる売店で、二人はガチャの列につく。
「まずはここで機体を手に入れないと始まらないからね」
ほんとはエントリーモデルなどもあるのだが、あえてそれは触れないでおく。
自分の機体を手にしたときの喜びは、格別なものだからだ。
――えー、これホントに確率上がってんのー？
――ショーヒシャチョーにうったえられないのー？
あちこちから聞こえる悲鳴に似た声に、真白は付け加える。
「とはいっても、のめり込むとあっという間にお金は消えちゃうから、ちゃんと自制はして」
「じゃん。子供たちよ、これが一万円だ」
うおー、という歓声の中、真白は思わず突っ伏す。
「いきなり、一万円を･･････」
「最初のお金はぶっぱだね」
こともなげに言う円。戦力の逐次投入は愚策、というガチャ常習犯のセリフそのままに、初手からの大金をものともしない。
「――いけない、それは･･････修羅の道だよ！」
真白の悲痛な声に、円のスイッチを押す手が止まる。
「･･････」
「･･････円ちゃん」
「――諭吉さんがささやいている」
「え･･････」
「冷静になりなさい、と」
「･･････」
「僕は正気に戻った」
「円ちゃん･･････」
「やるぞ！」
「ええええええええ？！」
周囲の子供たちの絶叫を者ともせず、ゲージ満タンの諭吉パワーでぐいっとハンドルを回す。
ケースを開く瞬間、一同が固唾をのむ。
「･･････ベリアル？ これかっこいい」
円の声にため息のような声が漏れる。鬼引きかよー、という声が聞こえる。
「ベリアル――なかなかいいカプギアゲットできたじゃん」
真白の声に頷きながら、円はじっとギアを眺める。
「もっと詳しい設定とかは見られないの？」
「AICOを登録するといいよ」
怪訝な顔をする円に、インストラクターが気を利かせてインストール操作を行う。
「へえ、これがAICOか･･･アイちゃんよろしくー！」
スマホに快活に呼びかけると、音声認識も明るく反応を返してきた。
「マスター名はＭＡＤＯＫＡで･･････資料ある？」
円の質問に、AICOは次々に資料を提案してくる。
スマホの画面と、ベリアルのパーツを、円はじっと見つめる。
もやもやと何かの着想が形をとる。
「おねーさん、これって耐熱処理とかできないの？」
「え、ええっと･･････」困ったインストラクターが視線を向けるのは、子供たちのギアの調整に夢中な五郎八。
「耐熱ラッカー売店にあったはずだから、それが手っ取り早いかな」振り返りもしないで答える。「本格的な樹脂コーティングだと時間がかかるので、ラッカーが一番。すぐに落ちちゃうけどね」
「だそうです。どうなさいます」
「おー！ かうかう」嬉しそうに頷く円。
「でも、それで相手のギアの攻撃は防げないよ？」不思議そうな真白に、円は「ふふふ」と笑みを返す。
「･･････でもすごいね、さすがスタッフさん。何でも知ってる」
――――でもいまのスタッフ、どこかで見たような？
振り返った二人、しかし慌ただしく走り去る五郎八のうしろ姿さえ、見ることはできなかった。
元気いっぱい声を上げても、内心、白 真白は落ち着かない。
今までのどのギアバトルより、彼女は緊張していた。
（円ちゃんがカプギアに興味を持ってくれた･･････）
彼女の友人であり、様々なジャンルに広範な知識を有する桜庭 円。
真白が目下熱いカプセルギア。そこに、ついに円が嗅覚を示したのだ。
（これは大チャンス･･････一緒に遊べる友達が増えるのは嬉しいからね）
「やってきましたー！ おねーさんやっほ！」
快活な女性インストラクターを気後れさせるほどハイテンション。
「流行に乗り遅れるとは、僕としたことが･･････」
ぐぬぬ、と拳を突き上げる円。
だが、真白は不安だ。
変わった趣味を勧めるときは誰しも緊張するもの。気に入ったものがうまく手に入らないと、お金がかかってしまうかも、なんてことはなるべくぼかしたい。いい印象を持って、たのしく趣味を共有したい。いかがわしいものだなんて思われるのは困る。
なんとかスムーズに勧めようと考えていたときに、カプギアアスレチック開演の報が入ったのだ。
「最近出来たみたい。これから始める初心者にもってこいの施設なんだよ」
ロビーの人混みに圧倒されながら、二人はあたりを見回す。
「最初に行くのは･･････」
「えっと、ガチャは売店か」
『アスレチック開店記念、確率アップ！』と書かれた幕の下りる売店で、二人はガチャの列につく。
「まずはここで機体を手に入れないと始まらないからね」
ほんとはエントリーモデルなどもあるのだが、あえてそれは触れないでおく。
自分の機体を手にしたときの喜びは、格別なものだからだ。
――えー、これホントに確率上がってんのー？
――ショーヒシャチョーにうったえられないのー？
あちこちから聞こえる悲鳴に似た声に、真白は付け加える。
「とはいっても、のめり込むとあっという間にお金は消えちゃうから、ちゃんと自制はして」
「じゃん。子供たちよ、これが一万円だ」
うおー、という歓声の中、真白は思わず突っ伏す。
「いきなり、一万円を･･････」
「最初のお金はぶっぱだね」
こともなげに言う円。戦力の逐次投入は愚策、というガチャ常習犯のセリフそのままに、初手からの大金をものともしない。
「――いけない、それは･･････修羅の道だよ！」
真白の悲痛な声に、円のスイッチを押す手が止まる。
「･･････」
「･･････円ちゃん」
「――諭吉さんがささやいている」
「え･･････」
「冷静になりなさい、と」
「･･････」
「僕は正気に戻った」
「円ちゃん･･････」
「やるぞ！」
「ええええええええ？！」
周囲の子供たちの絶叫を者ともせず、ゲージ満タンの諭吉パワーでぐいっとハンドルを回す。
ケースを開く瞬間、一同が固唾をのむ。
「･･････ベリアル？ これかっこいい」
円の声にため息のような声が漏れる。鬼引きかよー、という声が聞こえる。
「ベリアル――なかなかいいカプギアゲットできたじゃん」
真白の声に頷きながら、円はじっとギアを眺める。
「もっと詳しい設定とかは見られないの？」
「AICOを登録するといいよ」
怪訝な顔をする円に、インストラクターが気を利かせてインストール操作を行う。
「へえ、これがAICOか･･･アイちゃんよろしくー！」
スマホに快活に呼びかけると、音声認識も明るく反応を返してきた。
「マスター名はＭＡＤＯＫＡで･･････資料ある？」
円の質問に、AICOは次々に資料を提案してくる。
スマホの画面と、ベリアルのパーツを、円はじっと見つめる。
もやもやと何かの着想が形をとる。
「おねーさん、これって耐熱処理とかできないの？」
「え、ええっと･･････」困ったインストラクターが視線を向けるのは、子供たちのギアの調整に夢中な五郎八。
「耐熱ラッカー売店にあったはずだから、それが手っ取り早いかな」振り返りもしないで答える。「本格的な樹脂コーティングだと時間がかかるので、ラッカーが一番。すぐに落ちちゃうけどね」
「だそうです。どうなさいます」
「おー！ かうかう」嬉しそうに頷く円。
「でも、それで相手のギアの攻撃は防げないよ？」不思議そうな真白に、円は「ふふふ」と笑みを返す。
「･･････でもすごいね、さすがスタッフさん。何でも知ってる」
――――でもいまのスタッフ、どこかで見たような？
振り返った二人、しかし慌ただしく走り去る五郎八のうしろ姿さえ、見ることはできなかった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年02月28日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年03月07日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年03月07日 11時00分
