耕作さんの畑で実ったトウモロコシ食って幸せになろう。｜リアクション

耕作さんの畑で実ったトウモロコシ食って幸せになろう。

「ラッセルちゃん情報ありがとうなのだ輝いて見えるのだ！　修ちゃんも護ちゃんも、ラヴなのだ～」
　そろそろお腹がパンパンになったのか、纏わり付いてくる真央の動きは鈍い。
　それでも抱きついてきた真央を、護は「きゃー」と可愛い歓声と共に、抱き返す。
「ああ、真央もありがとう。君の行動力に、いつも背中を押してもらっているよ。椿にも、桜井にも感謝している」
　今は近づくのを遠慮したい、深雪にも。
「ありがとう、ありがとう！！　でも八神はクールだな、ひょっとして神魂効いてない？」
　ラッセルが突っ込んだ。
「うん？　こんなものは、舞台の公演の時にヒロインを放置して、好きな彼女に告白するくらいの気合があれば、捻じ伏せられるものさ」

「「ふ～ん……？」」　←　総員ジト目

「な、なんだよ！？」
「彼女って、ひょっとして告白したんですかぁ～～？」
　一人だけシラフに見える修に、椿美咲紀はまぜっかえした。
　修はうぐぐ、と言葉に詰まる。
「まだ告白していないけど……」
「「まだ！！」」
「これからなさるんですねっ？」
　キラキラ目を輝かせる護から、全力で目を逸らす。
「誰々？？」
　好奇心てんこ盛りの部員達に追及されて、修は声を絞り出す。
「あおい……七夜、あおい」

　八神修。神魂のせいにして、皆に普段言えない感謝を……なんて考えていた可愛らしさが残っていたせいで、抵抗に失敗。とうとう自白してしまった。

「おぉ～！」
「内緒だぞ、内緒だからな！　あおいが迷惑するのは、絶対ダメだ。言うなよ？　言うなって言え、このもろこしミツアミ！」
　テンパってラッセルの頭に齧りつく、修。
「わ、わーったから、落ち着けっ！！　そんな大事な事、本人を差し置いて言わねーよ、なあ、皆！？」
　皆、こくこくと頷く。
「ありがとう、皆っ！！」
「真央ちゃん、お口チャックなのだ」
　珍しく取り乱した様子の修に、新たに剥いた生のままのトウモロコシを、半分に折って手渡し、真央も齧る。
　焼いたのとはまた違う、しっかりした食感に、たっぷりの甘さが蓄えられている。
「毎日ごはんが食べられるって、ありがたい事なのだ感謝なのだ♪」
「ホントですね。皆さんと一緒に食べれて、余計に美味しかったし、楽しかったです」
　泣くのをやめて、にこりと笑う護に、皆が同意した。

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