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夏カゼ、引いちゃいました
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朝、目を覚ましたときから嫌な予感があった。
体がだるい。
頭が重い。
(重いっつーか、なんか、ズキズキしてる気も……)
念のため、と引き出しをあさって奥から体温計を取り出して測ってみた。ら、案の定。
「……あー、やっぱ、熱が――へっくしょッ」
――ズズッ。
ティッシュで鼻をかむ。
夏風邪か。
夏風邪はバカがひくっていうから、なんか悔しい……!
「いや、悔しがってる場合じゃねえ」
卯木 衛
ははたと思い当たる。
週末には由貴奈とのデートの約束があるのだ。それまでにはなんとしても完治しなくては。
「って言っても、風邪を治すってどうしたらいいんだ?」
風邪薬。これは必須だろう。あとは……寝てりゃいいのか?
絶対安静と言うし。
そんなことを考えてたら、頭の中がくらりと揺れた感じがした。
ああ、やばい。自覚したせいか、熱が上がってきた気がする。
こりゃ週末やばいかも……。
「念のため。念のために、由貴奈さんに連絡を入れとこう」
そうしたら、もしかすると由貴奈さんに看病してもらえるかも……。
「だったらいいなあ……」
思わず口に出して呟いたあと、ぶるぶると頭を振る。
うつったら悪い。
「でも……夏風邪は長引くとどっかで聞いたことあるぞ? デートのときまで長引いたら、由貴奈さんが困る」
だから、連絡だけ……連絡だけなら……。
淡い期待を抱きつつ、衛は枕元のスマホを手に取ると、ぽちぽちメールを打ち込んだ。
スマホから、メールの着信音がした。
「んん?
うーちゃんからだ。どーしたんだろ、こんな時間に」
もう学校始まってる時間だよね?
時計に目をやると、やっぱり9時を回っていた。
不思議に思いつつ、
壬生 由貴奈
はメールを開く。
「はえー。熱と咳。……あぁ、風邪引いちゃったんだ。
この時期だから夏風邪かなぁ……。
うん、それならうちが看病したげなきゃだねぇ」
たしか、午後の講座は出なくても大丈夫なはず。
確認して、にっこり笑うとさっそく返信を打ち込む。
講座が終わると早々に、由貴奈は卯木宅へ向かった。
玄関は施錠されていなかった。
「お邪魔しまーす」
部屋で寝ている衛に聞こえるように、いつもより大きめの声を出して玄関をくぐる。
「来たよぉうーちゃん。だいじょうぶー?」
「由貴奈さん!」
ひょこっと部屋のドアから顔を覗かせると、衛が慌てた様子でベッドから身を起こそうとした。
だが急に動きすぎたのか、頭がずきりと痛み、へなへなと上掛けの上に沈む。
「あー、だめだよぅ。安静にしてなくちゃあ」
「うー……すみません」
由貴奈の手を借りて、枕に頭を戻す。
「母さんのテンション、めんどくさくなかったですか? 大丈夫ですか?」
「うーくんのお母さん? いなかったよぉ」
どうやらすれ違ったようだ。用事があると言っていたから。熱を出して寝込んでいる息子を一人残すことを案じていたが、由貴奈がすぐに来ると聞いて、安心して出掛けられたのだろう。
「そうですか」
息子の衛から見ても妙なテンションを持っている母と会わせずにすんで、ほっとしたような、気が抜けた気分でいると、由貴奈が言った。
「熱があるんだから。うーくんは、よけいなこと考えずに寝てていいよぉ。夏風邪はゆっくり寝て休んで体力を回復させるのが一番いいんだから」
「……はい。いっぱい寝て、早く治します」
衛は上掛けを顎の上まで引き上げた。
訊いたところ、どうやら衛は朝から何も食べていないらしい。
「食欲がなくて……のども痛いし……」
水分はちゃんと取っている、と弁明のように言ったのを聞いて、由貴奈はキッチンへ向かう。
衛は熱で顔を赤くほてらせていた。来る途中で買ってきた解熱剤を飲んでもらうためにも、何か食べてもらわなくちゃいけない。
でも、風邪で食欲がない人にも食べられる物って何だろう?
冷蔵庫を覗き込み、真っ赤なりんごを見つけて皿に乗せ、果物ナイフと一緒にトレイで衛の部屋へ運んだ。
「うーちゃんお待たせー」
勉強机の椅子を枕元へ引き寄せて座る。そしてりんごを縦に8つ切りにすると芯を取り、皮をむき始めた。
(おおー、由貴奈さんすげえ……!)
すっすっとりんごが切り目の所で縦に皮をむかれていく様子に衛の目が集中する。
「はい、うーちゃんだけにうさぎのりんごだよぉ」
あっという間にむけたそれをフォークに刺して、由貴奈は差し出してきた。
フォークを渡そうとする動きはない。このままかじれというのだろう。
由貴奈は笑顔でにこにこと笑っている。
衛は少し照れつつも、あーんと口を開いてりんごのうさぎをかじった。
甘酸っぱい汁気を含んだ固形がのどを滑り降りていき、胃で落ち着くのを感じて、ようやく何かを食べたという気になった。
「おいしい」
途端、おなかがぐぅと鳴る。
「よかった。いっぱい食べてねぇ」
由貴奈は残りのりんごを手早くむいた。
身を起こした衛がりんごのうさぎを食べている姿を眺めて、さて、と思う。
食欲が戻ってきたのはいいが、りんご1個では高校生男子の胃は満たされないだろう。やはりもうちょっと、おなかにたまる物が必要だ。
ちら、と時計を見る。
「時間もちょうどいいし、ごはんも作っちゃおうかなぁ。
お台所、借りてもいい?」
「台所!」しゃきっと衛の背筋が伸びた。「もちろんです! わかんないことがあったら聞いてくださ――げほげほげほっ」
勢いよくむせる姿に、由貴奈の手が伸びて丸まった背中をさする。
「無理しちゃいけないよぉ。今の衛くんは絶対安静なんだからねぇ」
おとなしく寝ていること、と言い置いて、むいた皮の入った皿や果物ナイフを手に、由貴奈はキッチンへ戻った。
すぐ近くに由貴奈がいる。そして自分の世話を焼いてくれていることに衛はなんだかむずがゆい嬉しさを感じて、引き上げた上掛けの下で笑み崩れる。
「……へへ由貴奈さん女子力たけー」
サイドテーブルの上のうさぎりんごを手に取り、揺り動かす。
「うーちゃん大好きー」
かすれた裏声で小さく呟いた。
にまにまが止まらない。頭ものども痛いかったけど、これ以上ないくらい幸せも感じていた。
由貴奈さん、かわいい。ちゅーしたい。でもしたら、確実に風邪をうつしてしまう。
「なんで俺、風邪なんだ」
悲しいぞ。
いや、風邪じゃなかったらそもそもこういう状態にはなっていないんだけど。
風邪ひいてなかったらちゅーしても問題ないだろうけど、風邪だからこそこうして由貴奈は家に来て看病してくれてるわけで、風邪ひいてなかったら由貴奈はいなくて、ちゅーできてたかというと……。
「うう。よくわかんなくなってきたぞ……」
熱が出ている頭じゃ無理だ。
こんがらがった思考は頭から追い出して、衛はおとなしくうさぎりんごをかじった。
キッチンで動く由貴奈のたてるかすかな音を聞きながらうつらうつらしていると、やがてあたたかい土鍋の乗ったトレイを手に由貴奈が戻ってきた。
「はい、お待ちどうさま」
からになっている皿と交換で、サイドテーブルに土鍋を置く。ふたを取ると、白湯気がふわっと上がった。
(おおー! おかゆって味のしない米ってイメージだったけど、由貴奈さんの、すげーうまそう)
「卵味噌煮ってやつかな。鶏肉もちょっとだけ入れてるよぉ」
目を丸くした衛の顔に浮かんだものを見てとって、由貴奈は言う。
「親子丼にしてもよかったんだけど重たくて戻しちゃうかもだし。おかゆでどーぞぉ」
溶き卵が半熟でとろとろになっている所をスプーンですくって、ふーふーと吹いて冷まし。
「はい、あーん」
と口元へ差し出した。
あーん、と衛も口を開ける。
「うーちゃんの口に合うといいけども、どうかなぁ?」
「すっごいうまいです。
めちゃくちゃ元気の出る味がします」
「ふふっ。ただの卵がゆに、大げさだよぉ」
そう返しつつも、衛の言葉に由貴奈は満更でもない様子で面映ゆそうな笑顔になる。
そんな由貴奈を見られたことも、衛には幸せ。
まるで、新婚夫婦みたいじゃないか?
緩んだ口元でにへらっと笑う。
(これは明日にも風邪が治るな)
治らなかったら明日も由貴奈がまたこうしてくれるかもしれないと思うと、それはそれでちょっぴり残念だった。
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末さま」
「お薬ちゃんと飲んでねぇ」と水の入ったコップと錠剤を握らせ、からになった土鍋を片付けにキッチンへと戻る由貴奈を見送りつつ、衛は薬を飲んで寝直した。
(ごはんも食べ終わっちゃったし……由貴奈さん、帰っちゃうかな)
あんま長居するとうつるかもだしな。
俺も寝なきゃいけないし……やっぱ、帰ってもらうのが正解だな。
そう結論して、納得したはずなのに、いざ片付けを終えて戻ってきた由貴奈を前にするとだめだった。
用意していた言葉は霧のように消えて、何も言えなくなってしまう。由貴奈の上着の裾を掴んでいた。
(風邪引いちゃうと心細くなったりするからねぇ)
俯いた衛を見下ろして、由貴奈は思う。
両親が共働きで、風邪のときも一人で家で寝ていることが多かった由貴奈は、今の衛の心細さがよくわかる気がした。
「……今日はうち空いてるし。うーちゃんが寝るまでそばにいるよぉ。
あ、よければ料理も作り置きしておこっか?」
頭をぽんぽんされる。
衛は急に恥ずかしくなって、裾から手を放した。
「ありがとうございます……」
ずずず、と上掛けの下に潜り込む。そして言葉どおり、椅子に座ってくれた由貴奈を見上げて言った。
「……元気になったらまたいっぱいデートしましょうねぇ……」
薬が効き始めたのか、ふわふわした浮遊感と眠気にうとうとしながら呟く。
返事を聞く前にすーっと眠りに落ちた衛を覗き込み、由貴奈はふふっと笑うと乱れた前髪を直してあげた。
「楽しみにしてるから、そのためにも、早く良くなるんだよぉ」
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寺岡志乃
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月13日
参加申し込みの期限
2019年01月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月20日 11時00分
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