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夏カゼ、引いちゃいました
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『ねえねえ千歳、刀がきょう学校休んだって知ってる? 連絡してみたら、どうやら夏風邪引いたらしいって』
休み時間。クラスを訪ねてきた
小山内 海
からの言葉に、
橘 千歳
が頷いた。
「そうなの……。
大変そうね。刀くん、一人暮らしだし」
『私も思った。特に刀はさ、体が丈夫なほうでしょ。風邪なんてめずらしいから、案外どうしていいかわかんないんじゃないかなーって』
自分で想像したことに、うん、と頷き、海はスケッチブックをめくって新しいページに書く。
『だからさ、放課後お見舞いに行かない? 風邪ひいてるならごはんの用意とか大変だろうし』
ああ、それが言いたかったのか、と千歳は思った。
もちろん千歳も刀のことが心配だ。
「そうね、行きましょう」
『よかった!』
と喜ぶと、海はさっそく見舞いの品に何が適当かを相談した。
『食べ物が無難かなって思うんだけど、具合の悪いとき、何が食べられるのかよくわからなくて。それに、風邪薬ちゃんとあるのかな?』
剣道一筋の刀は、傷薬や痛み止め、包帯は常備していそうだが、風邪薬といったものは用意していなさそうなイメージだ。あっても期限切れでもう飲めなくなっていそうなくらい、風邪と刀は結びつかない。
海の言葉に千歳は少し考え、スマホをポケットから取り出した。
「直接聞いたほうが早いわね」
2人で伺うこともあらかじめ伝えておいたほうがいい。
数度の発信音のあと、電話が取られた。
『もしもし』
ゆったりとした口調。低いハスキーな太声の男性だったことに、思わず発信先を確認してしまった。
アドレスは間違っていない。そもそも登録アドレスにかけているわけだから、間違うはずもないのだが……。
(……もしかして刀くんのお父さんが来ていて、代わりに取ったとか?)
『もしもし?』
「あっ、すみません。
あの、私御剣くんの友人の橘といいます。御剣くんから風邪を引いたとメールをいただきまして――」
『……千歳。俺』
そう言ったあと、ごほごほっと小さく咳き込む声。
「刀くん? いやだ、ごめんなさい。いつもと声が違っているから……」
『ん』
いつもより全然口数が少ない。
声も枯れて、のどがつらいのだと察した千歳は、簡潔に用件だけを言って、「うろうろ歩き回らないで、おとなしく寝て待っていること」と電話を切った。
『どうだった? 刀』
「海ちゃんの考えたとおり、薬はないそうよ。買ってきてほしいって」
『あ、やっぱり』
「ええ。訊いてよかったわ」
あとは自分と海が行くまでいろいろ動き回ったりしないで寝ていてほしかったが、刀のことだから、確証はなかった。
(すごいな、あいつら超能力者か)
切れたスマホを見下ろして、
御剣 刀
はしみじみと考える。
起きて歩き回っていることや、風邪薬が期限切れなことまで見抜かれていた。
テーブルに放り出したままの風邪薬の箱を見る。たしかどこかにまだ残っていたはず、と棚の引き出しをあさり、ちょうどあれを探し当てたところで千歳から電話がかかってきたのだ。
女の勘というやつだろうか?
「女の勘、こえー」
――げほっ。……ごほごほごほっ。
急激にのどにこみ上げ、咳き込んだ。
目が覚めたときからずっとこれで、血が出たんじゃないかと思うくらい、のどの内側が擦れて痛い。腫れているのか、水を飲み込むのにも違和感があって苦労した。
もう一度テーブルの上の箱を手に取る。印字された文字は、半年以上前のものだ。
どうだろう? 試してみたら、案外イケるかもしれない。いやしかし……。
いくら咳がひどいとはいえ、さすがにこれを飲むのはヤバすぎるか。
思い直して、ごみ箱に捨てた。
おとなしく寝ていなさい、と千歳に言われたことを思い出して、ベッドへ戻り、ごそごそと中へもぐる。
まだぬくもりが残ってあたたかい布団に、ほっと人心地ついた。
ああ、体がだるい。頭が痛い。熱がますます上がった気がする。
(これは、やっぱりあれだな。2日前、ちょっといつもより調子がいいからって、雨が降りだしてからもずっと練習してたのが原因だろうな……)
そのあとも、すぐに体を拭いて着替えればよかったのに、適当にしてしまった。
昨日から予兆はあったのだ。妙に普段より体が重い気がしていたし、練習していても疲れやすくてだるさが抜けきれない感じがあった。
あのとき風邪を疑っていれば、今ごろこんなことにはならなかったかも……。
(まあ、そうやって頑張った結果、いい感触を得られたから大丈夫!)
――げほげほげほっ。
うそです、これ全然大丈夫じゃないわ。
ふーっと息を吐き出す。
ああ、また熱が上がってきたようだ。
とにかく2人が来るまでひと眠りしよう。そうしたら体力も少しは回復するかもしれない。
ぐるぐる回り始めた視界に、刀は目を閉じてぐったり脱力した。
放課後。
海と千歳はドラッグストアで風邪薬のほか、必要になりそうな物をいろいろと買いそろえて御剣宅へ向かう。
インターホンを鳴らすと、しばーらく待って、ようやくゆっくりと玄関ドアが開いた。
『こんにちは。お見舞いに来たよー。刀、大丈夫? 生きてる?』
「……いらっしゃい。手間取らせちゃって、悪いな……」
顔をそむけ、ごほごほと咳き込む口元を袖で隠した刀が現れる。
『うわ、ほんとひどそう。
マスクは?』
「きらしてる」
『だと思った。はい、これ』
海は買い物袋から立体マスクの入った箱を取り出して、刀に手渡した。
『それと、これも……。
刀、ちょっとかがんで?』
ん。と従った刀の額に、ぺたり。冷却用の粘着シートを額に貼る。
『これでよし、と。
あとは私と千歳に任せて、刀はベッドに戻って』
ほらほらと、促すように背中を押した。
「いや、でも……」
『スポドリも買ってあるから、飲めるなら飲んでね』
と、やはり買い物袋から取り出した缶を手に握らせる。
刀は肩越しに振り向き、背を押す海と、それから千歳を見た。
目を合わせた千歳はほほ笑むだけだ。そして海に押されて部屋へ向かう刀を眺めて、千歳自身はキッチンへ向かった。
冷蔵庫を覗き込むと、思ったとおりろくな食材がない。シンクもきれいで乾いていて使われた様子がないから、きっと朝から何も食べてないのだろう。
そうだと思った、と千歳は買い物袋からネギと梅干、それからほうれん草を取り出した。
『あ、千歳が何か作ってくれてるね』
キッチンのほうから聞こえてくる音に、海が書く。
「助かる。飯食わないとエネルギーが奪われるばっかりで、治すための体力まで回らないって知ってはいるんだが、作る余裕がなくて……」
いがらっぽいのどのせいで、何も食べる気も起きなかった。しかし腹は減る。
2人が来なかったら冷蔵庫にある物で簡単に調理して、とにかく腹へ詰め込むつもりだったが、あのときより熱の上がった今は、できたかどうかかなりあやしいと思っていた。
ベッドで仰向けになって、熱で赤くほてった顔でぼんやりとそんなことを考えていた刀に、何を思ったか海が
『刀はもう少し勉強しないとだね』
と伝えてきた。
「勉強……? なんで……」
『なんでって……ほら、夏風邪は馬鹿が引くっていうでしょ?』
「は……?」
『だって馬鹿じゃん。どうせ刀のことだから、雨が降り出しても構わず剣を振ってたんでしょ。2日前、雨が降ったし。
いくら夏だって、雨が降ってるなかにずっといたらこうなるのは当たり前だよ』
まるで見てきたように書く海に、しかし刀は何も言い返せなかった。そのとおりだったから。
そしてそんなこともわからないでやっていた自分は、確かに海の言うとおりかもしれない。
『剣術馬鹿なんだから』
「……まったく。おまえにはかなわないな……」
苦笑を浮かべて海を見上げた。
そのとき、カチャリとドアノブが回る音がして千歳が現れる。
「刀くん、おかゆ作ってきたけど、食べられる?」
「……ああ。食べる」
刀が身を起こすのを待って、彼のひざの上にトレイを置いた。
ほかほかと、あたたかな白湯気が立ち上っている。ほのかにネギと梅干しの香りがした。付け合わせはほうれん草のおひたしだ。
「薄味にしてあるから、これで調整をしてね」
塩の小瓶を指して言う。
「ありがとう、千歳。……すごくうまいよ」
れんげで少しずつすくって食べる。ほどよくほぐれてとろとろになったお粥は熱すぎもせず食べやすく、空きっ腹だった胃にも優しくなじむ。
食べることに集中して、刀は無言で俯いた千歳のほおが赤らんでいることに気づけていなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月13日
参加申し込みの期限
2019年01月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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