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夏カゼ、引いちゃいました
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期末試験がようやく終わった。
羽生 碧南
は長い長い拘束から解放された気分で部室へ向かう。
期末が終われば部活動解禁。とはいえ、試験が終わった当日にさっそく部室を訪れる者は碧南しかいなかった。
でもそんなこと、碧南には関係ない。いつもの練習着に着替えて、いざ体育館へ。
可動域を広げるためのストレッチを行った後、シャトルランをする。ダッシュ&ストップを10セット。軽く汗をかいて体がほぐれてきたところで倉庫から持ってきたボールでドリブル、ランニングシュートやジャンプシュートの練習をした。
あっという間に時間が過ぎて、練習を終了する。タオルで汗をぬぐいながらシャワー室へ行き、熱いシャワーを浴びたあと、着替えている最中にそれは起きた。
冷たい風に吹かれたかのような感触。身体の芯から染み渡るような悪寒。
とっさに服を着るのを中止して周囲をきょろきょろ見渡したけれど、何もない。
だから、このときはただの気のせいだと思った。
そうじゃなくて、あのときがそうだったんだと思ったのは、帰宅してからだった。
寒気が消えない。咳が出てくる。
決定打が38度の熱。
まさかと思った。バスケで普段から体を鍛えている自分が夏風邪をひくなんて。
だけど間違いない。
熱があるのを自覚したら、途端体がだるく感じられるようになった。
「期末が終わっててよかった」
これがもし昨日だったらと思うと、それこそぞっとする。そこだけが唯一の救いかも。
だけど学校はまだある。終業式にマスクをして出席なんて、冴えない格好をするのだけは嫌。
「こうなったらできるだけ早く治さなくちゃ」
早めの対処が肝心と、寮母さんの元へ行き、自分の状態について話して風邪薬をもらった。
「安静にして、今夜はもう寝なさい」
「ありがとうございます。そうします」
礼をいい、部屋へ戻ると寝間着に着替えて二段ベッドにもぐり込んだ。
ふとんの冷たさにぞくっとする。熱が上がってきたのか、震えがきた。
「この分だと、まだ上がりそうかな……」
風邪のとき、必要なことって何だったっけ。
考えて、いったん起きると水のペットボトルを持ってきた。枕元に置いておけば、夜中にのどが乾いたときにいちいち取りに行かなくてもすぐ飲むことができる。
これであとは寝ている間に薬が効いてくれることを祈るだけだ。
咳がひどくなる前に眠れますように。
(この前買ったゲーム、朝までにトゥルーエンドを見るつもりだったのに)
1時間くらいで終わるならちょっと無理してでもやりたいけど、8人いるヒーローのうちのまだ2人しか攻略できてないから絶対無理だ。
自分のつきの悪さに忸怩たる思いを抱きつつも、碧南は布団のなかで楽な姿勢をとると目を閉じた。
きっと、そんなことを考えながら眠りについたせいだろう、夢のなかで碧南は現在攻略中の乙女ゲームのヒロインになっていた。
しかも今の体の具合の悪さまで無意識に反映されて、風邪を引いて自室のベッドで安静にしているというシチュエーションだ。
(これ、鷹取先輩攻略イベントだわ)
ゲームのヒロイン『碧南』としての自覚と、現実世界の碧南としての意識、両方を持つ頭で考える。
たしかこういう夢を明晰夢と言うんだったか……。
そんなことをぼんやり考えていると、部屋のドアがノックされた。
「碧南ちゃん、起きてる? 学校の先輩がお見舞いにきてくださってるわよ」
母親――もちろんゲームのだ――の声がする。
返答をして、身を起こしていると、ドアが開いて鷹取先輩が入ってきた。
「……鷹取先輩……。
ご心配かけさせてしまって、申し訳ありません……」
「あ、わざわざ起きないでいいよ。そのまま寝ていて」
当然彼も現実の
鷹取 洋二
ではなく、攻略前に碧南が彼の名前で入力しただけで、ゲーム画面では似ても似つかない容姿をしていたのだが、さすが夢。現れたのは現実の鷹取先輩そっくりの男性だった。
(私って、現金)
思わず心のなかで苦笑してしまう。
「じゃあ……お言葉に甘えて……」
碧南はしおらしい態度で再びベッドに横になった。
「熱があると聞いたよ。大丈夫かい?」
「はい……。薬を飲んだので、だいぶ楽になりました」
「そうか」
「あ。先輩、そこに椅子があるのでかけてください」
「ありがとう。そうさせてもらうよ」
勉強机から椅子を引き出して枕元へ移動させ、腰を下ろした洋二は仰向けになった碧南を真上から見下ろすと、彼女の顔の横に手をついて、ぐっと顔を近づけた。
何が起きるか知っているのだが、近づく顔にドキドキして思わず目を閉じてしまった碧南の額に、ひんやりとした洋二の額が触れる。
「ふむ。まだ少し高いようだな」
不要なまでにキラキラを飛ばして離れながらほほ笑む洋二。
さすが乙女ゲーと思っていると、再び母親が現れて、枕元に洋二が持ってきてくれた見舞いの品だと言って、枕元のサイドテーブルにプリンを置いて行った。
透明なガラスの容器に入っていて、生クリームの上にサクランボが乗っている。
「これならのども通りやすいんじゃないかと思ってね」
「きれい……」
思わず呟く碧南の前、洋二がプリンを持ち上げた。
「まだ冷えている。今のうちに食べるかい?」
「……はい」
碧南が身を起こして座るのを待って、洋二がプリンをすくったスプーンを近づけた。
「はい、あーんして」
「……あーん」
洋二が口のなかに落としたプリンはひんやりとして甘く、心地よくのどをすべりおりていった。
「ああ、すまない。口元に生クリームが少しついてしまったな」
親指が碧南の唇についた生クリームをぬぐい、指についたそれを洋二が当たり前のことのようにぺろりとなめ取るのを見て、碧南の頭のなかでどかんと爆弾が爆発した。
ぷしゅーっと脱力して、背中がヘッドボードに当たる。
「碧南くん!? どうかしたのか!?」
「……いえ……あの……、熱が……」
「なに。そうか。確かに先までよりほおの赤みが増しているようだ。すぐ横になるといい」
「は、はい。……すみません」
もちろん顔が赤いのは熱のためではない。
ごにょごにょと言い訳をしつつ、ベッドで仰向けになる。
どうしよう? ドキドキが止まらない。
この後どうなるか、碧南は知っていた。攻略したばかりだから。
鷹取はプリンで食欲の戻ってきたヒロインのため、キッチンへ行き、買い物に出掛けた母親の代わりにお粥を作って戻るのだ。そしてやはり碧南にそれを食べさせる。
「全部食べられたな。えらいぞ」
とキスをしようとして、でも彼女が風邪をひいていることを思い出してキスを額に変更し、少し残念な表情で離れていく洋二が見られるという、胸キュンのシチュエーションをした後、母親の帰宅を潮に洋二は帰って行った。
「早く良くなってくれよ。きみと2人きりなのにキスもできないのは拷問に等しいからな」
と耳元で囁いて。
2人がカップルになってからアンロックされる、追加のドキドキイベントだ。
(まさか鷹取先輩で再現されるなんて……!)
ゲームのシナリオだと分かっていても、胸のドキドキは止まらない。彼が現れてからのシーンを何度も思い出して、ふとんのなかでごろんごろん転がってしまった。
ふふっと笑いが漏れる。
現実の彼じゃないのはわかってるけど、でもすっごく得した気分。こんな夢を見られるなら、風邪をひくのも悪くないかも。
洋二が触れた唇に、そっと指を押しあてる。
(鷹取先輩……待っててください。早く良くなりますから)
碧南は幸せな気分で眠りについた。
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あとがき
担当マスター:
寺岡志乃
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、またははじめまして、寺岡といいます。
当シナリオにご参加いただきまして、ありがとうございました。
長くお待たせすることになってすみません。
多忙に多忙が重なってしまい、なかなか執筆時間がとれずにいます。
スローペースなマスターで申し訳ありませんが、これからもよろしくお願いいたします。
PS
限られた文字数の中、今回も私信をいただきました。
あたたかなお言葉をありがとうございます。執筆のときの励みとして、何度も読ませていただいています。
未熟なマスターですが、こうして執筆を続けられていますのも皆さまのおかげです。
本当にありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月13日
参加申し込みの期限
2019年01月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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