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らっかみ!新春☆初夢宝船フェア! ~富士編~
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真夜中の森に白く伸びる石畳に足音を響かせて、逃げる。
空にまで響いてしまいそうな己の足音に唇を噛む。足音などたててはならないのに。息を乱してはならないのに。
「あっ」
足元が絡む。べたりと無様に転ぶ。
「っ……」
石畳に爪を立て、痛む膝で起き上がろうともがく。それなのに、乱れる息も疲弊しきった足もいうことを聞いてくれない。
背後に恐ろし気な物音を聞く。こちらを罵り嘲り笑う声が夜の森いっぱいに響いてくる。
月明りさえ暗い。地に落ちる影はもっと暗い。
祖母の言う通り、夜の森には人を攫って食う魔物が現れるのだ。森の奥に至らずとも、森を通る街道にさえ。
(会いたいなんて思うんじゃなかった……!)
悲鳴じみて思う。
美しい噂を聞いたのだ。
――サジタリオ城下のとある森には『黒の女神』が現れる
月の光のような白銀の髪に翡翠の瞳、白磁の肌にはどこまでも滑らかな漆黒のドレスを纏うて静々と夜を行く美しい女が居ると。黒レースの手袋の細腕に冷たく硬い漆黒の大鎌を携え、月の夜に佇む怪しくも美しい蜘蛛のような女が居ると。
薔薇の香を引き連れどこからともなく現れるというその女を、一目見たいと思ってしまったのが運の尽き。己を護る剣の一振りも、拳を振るう力も持たぬただの町人が危険の囁かれる夜の森になど出るべきではなかった。
けれど、もう遅い。
振り返ってはならぬと思うのに、瞳ばかりが動く。背後に迫るおぞましい魔物の姿を闇の帳に垣間見る。
石畳に鱗の腹を引きずり、ひとを丸呑みに出来る巨大な顎から毒の涎を垂らす大蛇。
大蛇の背後に控え、嫌らしく嗤う何体もの魔狼。
「ひ、」
身がすくむ。もうどうにもならぬと瞼を閉ざし蹲って頭を抱えて、――知らず涙塗れになっていた鼻先に、芳しい薔薇の香を感じ取った。
幻にも似たその香に一縷の望みを託して顔を上げる。
そうして、震える視界に夜よりも尚濃くけれど月の光よりも軽やかに閃く闇を見た。
月光を白く跳ね返す刃が闇を裂いて宙に奔る。その都度宙に踊るは、大鎌の黒い柄を妖艶なまでに飾る真紅の薔薇の花びらか、それとも夜の森を跳梁する魔物の血か。
シャア、と威嚇の声を上げ鎌首もたげる大蛇の前、微塵も怖じず、凜と背を伸ばして立つ黒衣の女を見た。
「『黒の女神』様……!」
思わず呼ばわれば、『黒の女神』は白い頬に一房垂れる白銀の髪を揺らし、ちらりと翡翠の視線を投げて寄越す。何事か言いたげに唇を開きかけて閉ざし、ただただ甘やかに笑う。
女神の微笑みに見惚れた次の瞬間、女神はドレスの裾を翻し、白い脛を惜しげもなく晒して跳躍した。銀髪を飾る黒のヴェールをなびかせ、伸びて来た大蛇の鎌首を腰を捻ることで易々と躱し、――黒鎌の一閃。
白刃が闇を裂いた後、大蛇がざらりと鱗を鳴らして後退る。かと思えば、夜の森に人を食らう魔物の頸は一太刀のもとに断たれて落ちた。
「……去れ」
大蛇と共に人を襲う魔狼に向け、『黒の女神』はいっそ穏やかな口調で囁いた。
薔薇を飾る鎌の先を向けられ、魔狼たちは尻尾を巻く。一匹、また一匹と森の闇へと後退って消えて行く。
「あのっ、……ありがとうございます、ありがとうございます……ッ!」
月の光を漆黒のドレスに浴びて佇む『黒の女神』に、必死の思いで礼を口にする。首が切断された大蛇を前に、『黒の女神』は返り血の一滴もその身に帯びず、ただ静寂とともに立っている。その様は、やはり『黒の女神』の称号に相応しいもののように思えた。
翡翠の瞳が静かにこちらを向く。月の白銀を浴びて、『黒の女神』は優雅にも見える仕種で片腕をもたげた。仕立ての良い漆黒のドレスがさらりと涼し気な衣擦れの音をたてる。
「帰りなさい」
『黒の女神』に柔らかく命じられ、まるで傀儡のように身体が動いた。そうしてしまうほどに、彼女は美しかった。
「『人食い蛇と魔狼』駆除、はい、確かに。ご苦労さまー」
夜の森に跳梁跋扈する魔物退治クエストの完了を依頼の仲介者であるバーのマスターに告げる。報酬を受け取り、
滝原 レオン
は翠色した鋭い瞳を僅かに和らげた。
「ところでレオンちゃん」
「……何だ」
カウンターの向こうでごつい身体に女言葉が特徴的なマスターが声を弾ませる。
「こんな噂、知ってる? レオンちゃんが魔物退治に行ってくれた森にね、夜になるとキレイな女の人が現れるんだって!」
「そ、……そうか」
「なによう、興味なさそうねー。それがね、黒のドレスに薔薇の鎌、月の光の色した美しい髪に包容力のある大柄で上品な身体――巷では『黒の女神』様って呼ばれてるらしいの!」
「……そうか……」
「絶対ね、とっても綺麗なのよ。ね、一緒に探しに行ってみない?」
「行かない」
マスターのお誘いをきっぱりお断りしつつ、レオンはひらりと白い手を振る。それに、と小さく付け足す。
「その森には『黒の女神』はもう二度と現れない」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月01日
参加申し込みの期限
2019年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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