灼熱！　激辛！　真夏の我慢大会！｜リアクション

灼熱！　激辛！　真夏の我慢大会！

「いいぞ、マガレ。先に涼んで待っててくれ。BBQ期待してろよ」
　高杉がウィンクして彼女の背を見送ってゆく。ここで高杉が本気を出す。
「よし、ここからは俺とお前の勝負だ。負けないぜー響！」
「俺も負けねぇぞ、高杉！」
「響、俺の本気に付いてこれるか？」
　そういうと、高杉は猛然と食べるペースを上げてゆく！
「おらおらおらおらー！（ずるるるるるーっ）おかわり！（ずるるるるるーっ）おかわりー！（ずるるるるるーっ）おかわりー（ずるるるるるーっ）ついてこいよ響！」
「ちょ、待てよ！　一体、どこにそんな底力が！」
「おい、見ろよ。マガレの食べてるアイスうまそうだな、響」
「ああ、本当だな、高杉。オアシスが魅力的だな。マガレ、涼しい顔しやがって……」
「俺達も涼しい顔で完食してやろうぜ！（ずるるるるるーっ）」
「げぇ！　まだ食うのかよ！」
　怒涛の食べっぷりの高杉に、会場は騒然となる。
「おかわりだー（ずるるるるるーっ）もういっちょこーい（ずるるるるるーっ）ばっちこーい（ずるるるるるーっ）どんとこーい（ずるるるるるーっ）負けるかー（ずるるるるるーっ）」
　圧倒されっぱなしの響の橋が止まってしまう。
「響、ついてこいついてこい！　残り５分、もう終わるぞ。あとは惰性でいけるって！　余裕だよ余裕！　ハシさぇ止めなきゃ優勝はついてくる！」
「マジ、かよ……」
　響、何とか喰らい付くがペースが落ちてゆく。
　そこへ桜庭が緊急参戦！
「本気を出さざる得ない様だ……」
ジャージを脱ぎ机の上に置くと、ゴトンッと鈍い音が会場に響いた。
「注意してね10kgはあるから」
　何故、このクソ暑い最中、彼女は10kgものウェイトを装着したジャージを着こんでいたのか？
「舌を馬鹿にするためには！　頭を馬鹿にし、火事場の糞力を……！」
「はいはい、おつおつ（ずるるるるるーっ）」
「そこっ！　此処は話を聞くところですよ！　食ってんじゃねぇ！　さぁ！　今のボクは賢くないぞ！」
　完全なる馬鹿舌を手に入れた桜庭の猛追！
　そして忍び寄る楡宮の末脚！
　響は食べながら高杉を応援！
「いけっ！　勝てる！　勝てるぞ！」
　残り、５秒！
　……３、２、１、終了～！！
　集計結果は……！

　優勝！　優木遥斗！！

「「なん、だと……！」」
　その場にいた全員が、優木の顔を見詰めたのだった。

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