灼熱！　激辛！　真夏の我慢大会！｜リアクション

灼熱！　激辛！　真夏の我慢大会！

　そのころ、高杉・響・マーガレットの通称『カマソトリオ』は、互いを励まし合ったり煽り合ったりして終盤戦まで乗り越えてきた。
「牛乳に顔を突っ込んだのは間違いだった！」
　響は何を思ったのか、香辛料を顔に浴びるなら顔にもなどと言い出し、牛乳を入れた風呂桶に顔を突っ込んで飲み干したのだ。
「なんか超カユイ！　顔がカユイ！！　くそっ！　身体も熱い！　暑いじゃなくて、熱い！」
　冷却シートはスポーツマンシップに反するとかで使用を控えた結果がこれである。
「こうなったら、高杉を煽って気を紛らわせる！　ついて来いよ、俺が今、トップだ！」
「おーっと、飛ばすなー響。そうでなくっちゃー。負けねぇぜー。って、いいペースなんじゃね？　俺ら？」
　高杉もラストスパートをかけてゆく。
　だが、マーガレットは苦戦中のようだ。
「これ、辛いというより痛いです。ホットじゃなくてペイン！」
「マガレ、顔が赤いぞ？　大丈夫か？　目も潤んでるし」
「あまり大丈夫ではありません、響くん。ですが、こういう時こそ、レディーたるもの口の中の物を吐き出したり、コップの水をかがぶ飲みするなどもってのほかです！」
　よく見れば、マーガレットの衣服にカレーの跳び跳ね跡がひとつもないではないか。
「なにげにマガレは汁飛ばしてねぇ。なんだ、最近のお嬢様ってのはスキル半端ねぇな。そしてやっと１杯完食か」
「ええ、ですが流石にそろそろ命の危険を感じたので、これにて、ごきげんよう。２人とも、敗者ルームから見守っていますので」
　優雅さを失うことなくナプキンで口元をさっと拭い、どんぶりの上に揃えて箸を置いたら、にっこり微笑んでスカートの裾をつまんで一礼すれば、自ら敗者ルームへ向かってゆくマーガレット。
（なんだか日の光が目に沁みます。後はトロピカルジュースでも飲みながら観戦しましょう）
　残る挑戦者は、あと５人！

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