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あの空の向こうに
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『あなたが尊敬している人は誰ですか』
そう質問されたら、
鴻上 彰尋
には迷いなく挙げる人がいた。
まだ祖父が生きていたころ、家政婦さんとしていつも料理を作ってくれた人だ。
やがて祖父が亡くなり、外へ出ていた兄の都合で家族全員寝子島へ引っ越すことになったのをきっかけに、彼女とは縁が切れてしまったのだけど、それまでは結構良くしてもらっていた。
ちょっとした家庭の事情から、高校受験までの1年間、彼女の家でお世話になっていた時期もあったりして、たぶん家族の中でも俺が一番関係が深かったんだと思う。祖父が亡くなったときも、彼女のほうこそなんやかんやと忙しかっただろうに、何かと親身になってくれたから俺もそんなに落ち込まずにすんだし、おかげでショックから立ち直るのも早かった。
その後も料理についていろいろ教えてくれたりもした。あのときのことは、今でもすごく役に立っている。
だから俺がすごく尊敬していても、どこもおかしくないだろう?
なぜそんなことを突然、と思われるかもしれないが、実は朝食の席の話題で、母から祖父の家へ行ってほしいと言われたからだった。
「今度、結婚式にお呼ばれしているんだけれど、真珠のネックレスが見つからないのよ。ずっと探しているんだけど、どこにもなくて……。もしかしたら、おじいちゃんの家にしまいこんであるのかもしれないわ。
彰尋、あなたちょっと週末おじいちゃんの家へ行って、探してきてくれない? みさ緖さんには今日にも私から電話をしておくから」
槙村みさ緖というのが彼女の名前だ。祖父が亡くなって空家になってしまったあの家を、今も管理してくれている。
「わかったよ」
久しぶりに彼女と会えると知ったうれしさから、俺は一つ返事で受けたのだった。
「お帰りなさい、坊ちゃん」
週末、祖父の家を訪ねる前に彼女の家へ寄った俺を、みさ緖さんは懐かしいあの笑顔で出迎えてくれた。
あれから少し歳を取っていたが、おっとりとした雰囲気は今もそのまま変わらない。
「お久しぶり、みさ緖さん。
もう16だよ。坊ちゃんはやめてくれない?」
「はいはい」
にこやかに応じながら、みさ緖さんは一度家の中に引き返し、鍵束を持って戻ってきた。
そのまま渡してくれると思ったら、彼女もつっかけを履いて玄関から出てくる。
「鍵だけでいいよ。俺が自分で開けるから」
「私が開けます。ちょうど今日は風通しに行こうと思っていましたから」
みさ緖さんの手をわずらわせなくても、と考えていたのを見透かしていたかのように、肩越しに振り返ってみさ緖さんはにこっと笑った。
久しぶりに入った祖父の家は、長く閉じられていた家特有のこもった熱気と、そして懐かしいにおいがした。
俺が使わせてもらっていた部屋はあのころのままみたいだな。
机にも棚にも、ほこりは積もらず、どこも傷んでいる様子はない。きちんと管理されている証拠だ。
懐かしさについ、部屋を見て歩いていると、からりと窓を引き開ける音、次いで、がたごと雨戸を開ける音がする。
「坊っちゃん。お夕飯は何にいたしますか?」
「何でもいいよ、みさ緖さんの料理はおいしいから。それと、俺も手伝う」
階段を下り、気配を探ってみさ緖さんの元へ行く。みさ緖さんは台所の勝手口から裏庭に出て、そこの元栓を開けていた。
「坊っちゃんは島から出てきてお疲れでしょうから、今日はゆっくりお休みください」
「大丈夫だよ。客人扱いしないで。それに、俺の腕前が錆ついてないってこと、見せたいし」
俺の言葉に、みさ緖さんは本当か探るように見上げて頷いた。
「では私はこれから買い物に行ってきますので」
「じゃあ俺も――」
「坊っちゃんは、ご自分のおふとんをベランダに出して、干してください」
最後まで言わせないのは、きくつもりがないということか。
「いいお天気ですから、今から干しても十分ふかふかになりますよ」
空を見上げて言う彼女に、「そうだね」と応じて、俺は家の中へ戻った。
「でも、調理は手伝うからね」
ドアを閉じる前に言うと、みさ緖さんは「はい」と答えた。
「楽しみにしています」
そう付け足されたときにはもうドアは閉じて、表情は見えなかったけれど、声の調子からして、きっとうれしそうだったに違いない。
結局、彼女が俺のことを名前で呼ぶことはなかった。
「坊っちゃん。学業のほうはどうですか?」
「だから、坊っちゃんはやめてってば」
調理中も何度も言ったけど、みさ緖さんはほほ笑んだままだった。俺が本気で言っていないことを見抜いているのだ。
たぶん彼女は、俺が社会人になっても、30、40になっても、いつまでも俺のことを『坊っちゃん』と呼ぶんだろう。祖父が亡くなり、家政婦でなくなった今と変わらず。俺が彼女のことを祖母のように内心思っているのと変わらずに。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月16日
参加申し込みの期限
2018年12月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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