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あの空の向こうに
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同じ空の下に、僕らはいる。
……お母さんたちも、きっとこの青空を見てるはず。
「……うん、決めた」
会いに行ってみよう!
中古2階建て一軒家。どこにでもある普通の家。
恵御納 理沙
は2階のベランダに出て、洗濯物を干していた。
物干しざおにかぶせて、ぱんっと引っ張ってしわを伸ばす。真夏の太陽は朝から日差しが強くてシーツの白が目に痛いほどだ。そして早くも湯気が上がっている。
空を仰ぎ、まぶしさに手庇しする。
「今日は空がきれいね~!」
今ごろ、夏朝ちゃんたちもこの空を見てるかしら~……。
あの島から見える空は、きっとここよりずっと高く、どこまでも青く、雲も白くて、はっきりくっきりしているに違いない。
そう思うたび、あの子たちはあの島で暮らして幸せなのだと思った。そのためなら少しの寂しさなど何でもない。
風が頬をかすめ、洗濯物をそよがせる。
「……ぼんやりしちゃった。早く干してしまわなくちゃ~」
この後、午前中に済ませてしまいたいあれやこれやを頭の中で順序立てながら洗濯物を干していると、ピンポンと、玄関でチャイムの鳴る音がした。
「あらチャイム?」
お客さまなんてめずらしい、と思ったところへ2度目のチャイムがまた鳴る。
「はいは~い、今出ますよ~!」
手に持っていた洗濯物をかごへ戻し、ベランダから室内へ。できるだけ急いで階段を降りて玄関へと向かう。
「はい、どなた~? って、あらら……?
夏朝ちゃん!?」
ドアを開けた先に立っていたのは娘の夏朝だった。
「こんにちは……」
驚いた母の顔に、どんな顔をしたらいいかわからないような、ちょっぴり複雑そうな顔で、
恵御納 夏朝
はあいさつをする。
道中、お土産や乗継のことばっかり考えてて、肝心の、会ったら何を話そうかとか、全然考えてなかった……。
「久しぶり……急に、ごめんね」
「いいのよ~。会えて嬉しいわ~、でもびっくりした~!」
理沙は胸に手をあてたままふふっと笑う。驚きが去ったのか、表情が緩んで柔らかくなった。
「さあさあ入って。旦那さまは……ごめんね。急な用事が入っちゃって、ちょっと遠出してるのよ~……」
「そっか」
「夏朝ちゃんが来ると知ってたら、あの人も用事なんか入れなかったでしょうに」
「いいんだ。連絡もしないで来た僕が悪いんだから。
それに、僕も、本当は来る予定じゃなかったんだ。でも、急に思い立って」
あのとき、先に電話しておけばよかったかな、と思う。でもあのとき電話したとしても、きっと父はもう出かけていただろうし、それに、前から用事が入ってたのだったらそれを当日いきなりに変更させるのはやっぱり悪いから、これで良かったんだと思い直した。
(お父さんとはまた今度帰省したとき会えばいいし)
話しながら夏朝はリビングへと入る。
夏朝の持ってきたお土産を出し、お茶をいれた理沙は、まだ洗濯物が干しかけだからと言って2階へ戻って行った。
「ごめんなさいね~。すぐ終わらせてくるから~」
「ううん。急がなくていいから」
階段の吹き抜けを通して聞こえてくる声に、お茶を飲みながらそう返答をする。
「……なんだか不思議」
自宅で、お客さんのようにお茶を出されて飲んでいるなんて。
この家では中2の2学期から中3までしか過ごしていないけれど、母と父が住むここが我が家なのは変わらない。
室内を見渡して、前に帰省したときと変わっている所、変わっていない所を確認しながらお茶を飲んでいると、ぱたぱたと軽い足音で理沙が階段を降りてきた。
「お待たせ~」
ううん、と首を振る。
理沙は自分の分のお茶をいれると、あらためて夏朝の前に座った。
「それで……今日はどうしたのかしら~?」
何と答えよう?
少し迷って、正直に答えることにした。
「お空を見てたら、何となく……会いたくなっちゃったんだ……」
「まあ。お母さんと同じ」
「え? お母さんも?」
「ええ。お母さんも、お空を見て夏朝ちゃんのことを考えていたのよ~。そうしたら夏朝ちゃんが玄関に現れて。びっくりしたわ~。でも、うれしい。思いが通じたんだと思ったの~」
何となく会いたくなった……神魂の影響、かしら? そんなことを考えつつ、理沙は応える。
神魂の影響かと思うと少し心配だけれど。そうでも、そうでなくても、夏朝と過ごせるのがうれしいことに変わりはない。
理沙はにっこり笑うと、そうだ、とぱちりと手を打ち合わせた。
「お昼は夏朝ちゃんの好きな物を作るわね~」
立ち上がり、エプロンを手に台所に立った。
「え。でも」
「いいのいいの。
それより、作る間、向こうで夏朝ちゃんたちがどう過ごしているか、教えてちょうだい~」
冷蔵庫から材料を取り出しながら言う母の言葉に、夏朝は「じゃあ……」と話し始めた。
寝子高でのこと、寝子島でのこと。そして話が星幽塔に及んだところで、包丁の音が止まった。
理沙が振り返っている。
「あらまあ。すごいのね~」
その声は驚いたり怖がっているというより、興味をひかれたという感じだ。
専業主婦としての日常を送っている理沙にとっては、普通なら絵物語としか思えないような塔での冒険譚は、はらはらどきどきする物語の本を読むように刺激的で楽しいことなのかもしれない。
「あの島には、面白いことがいろいろあるのね~。お母さんも、また行ってみたいわね~」
そう言って、にこっと笑った。
お昼ごはんを一緒に食べた後、夏朝は理沙に誘われて縁側に出た。
ぽかぽかのお日さまに当たって、うーん、と背中を反らして伸びをすると、夏朝はそのまま後ろに手をつく。
膨らんだおなかを無自覚にさすっているのを見て、理沙がふふっと笑った。
「お母さんも、おなかいっぱい。夏朝ちゃんのお話を聞くのが楽しくて、ついつい箸が進んじゃったわ~」
そして、夏朝のように空を仰ぐ。
「……お母さん」
「ん~?」
「お母さんも、ほんとは何か用事があったんじゃない?」
「そうね~。でも、明日でもいいことだから。今は夏朝ちゃんとこうしているほうが、ずっといいわね~」
「……そう?」
「そう。ほら見て、夏朝ちゃん。今日は空がとってもきれいよね~……雲も、面白い形をしてるわ~。
わたあめでしょ~、ソフトクリームでしょ~……ほら、あそこ! 猫ちゃんに見えない~?」
「……ほんとだ」
そうしてしばらく2人で空を見続けた。
青い空を白い雲が駆けていくのを見るだけなのに、どうしてこんなにも飽きないんだろう。
この空は、どこかへ出かけているお父さんにも続いている。お父さんも、もしかしたら今、空を見上げているかも――。
「今度、みんなで一緒にお出かけして……こんなふうに、空を眺めたいな」
自然と口からこぼれ出た。
「みんなで一緒におでかけ。いいわね~。そのときは、張り切ってお弁当作っていくわ~!」
同じ空の下で、みんなでおいしい物をいっぱい食べて。
笑って、今日みたいにお空を眺めて過ごしましょう。
「……うん」
夏朝は噛み締めるように頷いた。
「もう帰っちゃうの~?」
「うん。今から出ないと、帰寮が遅くなっちゃうから」
つま先をとんとんして、靴を履いた。
ここから駅までと、駅から電車で2時間、そして桜花寮までにかかる時間を計算すると、18時の電車に乗らないと厳しい。
「そうだわ、寝子島まで結構かかるんだったわ……!」
思い出した、と理沙は表情を変え。でもまたすぐに残念そうな顔に戻る。
「もうじき旦那さまも戻ると思うから一緒にお迎えしたかったけど、仕方ないわね~」
「また、会いに来るから……ね。
お父さんにもそう言っておいて」
「わかったわ。
また会えるのを、待ってるわ」
でも、待ちきれなくて今度は私たちのほうが突然会いに行くかも、と内緒話のように言われて。夏朝は思わず笑ってしまう。そして、笑う夏朝を見て、理沙も一緒に笑った。
真昼の青い空。
夕方の赤い空。
同じ空の下に僕らはいて、つながっている。島とここで離れていても、心に距離は関係ない。
この平穏を壊されないよう、フツウを守るんだ。
あの空の向こうから……。
『あの空の向こうに 了』
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あとがき
担当マスター:
寺岡志乃
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、寺岡です。
当シナリオにご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。
今回もまた、楽しい日常を書かせていただきました。書いている間、とても楽しかったのですが、同じように少しでも楽しく読んでいただけていましたら幸いです。
今後もよろしくお願いいたします。
それでは、また。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月16日
参加申し込みの期限
2018年12月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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