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あの空の向こうに
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カウボーイはアメリカにしかいない。そう思ってるやつは意外と多い。だがそれは間違いだ。オーストラリアにも牧場はあるし、牧場があればカウボーイがいる。道理だな。
牧場の朝は早い。夜が明ける素振りも見えない時刻に起きて、牧童たちとともに過酷な仕事に従事する。それは牧場主だろうと関係ない。牧場で生活する者は皆、歩く足があり、動く手があればすることだ。
特に今のような冬は、天候がさらにそれを困難にする。肌に突き刺さるような風が吹き渡り、気温を下げる。時には雪も降る。太陽が昇り、ようやくしのげそうだと思う間もなく、すぐにまた雪空になってしまうんだ。
そんな天候など一切関係なしとばかりに、その日は陣痛を起こした雌牛の世話に追われていた。牧童たちに他の雌牛や子牛を別の牛舎へ退避させ、母牛の産道に腕を肩まで突っ込んで羊水まみれの赤ん坊を引っ張り出す。モーモーと鳴くたび、産道は収縮し、腕を万力のように締め付ける。終わるころには腕はあざだらけだ。
数時間後、子牛は無事生まれたが、おかげで朝食を食いっぱぐれた。
厚手のズボンとブーツ、コーデュロイの上着を血と羊水でぐしゃぐしゃに汚し、疲れ切った体で屋敷に戻った俺を出迎えたのは、満面の笑顔を浮かべた妹だった。
「兄さん、これを見て! まもるからエアメールが来たよ!」
妹は両手に持ったエアメールを突き出してくる。
「まもる……?」
「覚えてるでしょ? ほら、日本からやって来たあの男の子。
鎌八 まもる
って名乗った」
「……ああ」
ロデオボーイ。あいつか。
「来たときも突然だったけど、いなくなるときも急っていうか、フッと消えちゃったのよね。しかもそのまま音沙汰なし。どういうことと思ってたら、今さらこんな物を送ってくるなんて」
そう言いながらも、妹はうれしそうだった。
まだ封も切ってない手紙を、表にしたり裏にしたりと見つめている。
「けどあれよね。逆に、時間がたってから連絡が来るなんて、ガチガチのガチってことよね?」
などと訊いてきたり、俺の様子なんかまるで目に入っちゃいない。
「ご機嫌だな」
俺はそう言うとストーブに近づき、自分でやかんからコーヒーをいれた。文字通り、泥のように濃い。だがこれが、疲れた体に熱とエネルギーを与えてくれる。
ふーっと人心地ついてから、マグカップを手に妹の所へ行き、その手から手紙を抜き取った。
「眺めてばかりいないで、いいかげん開けろ」
「え? ちょ、ちょっと! 何するの兄さん!
待って待って、そんな乱暴にしないで! 私が開けるから!」
端をちぎって破ろうとした俺の手から慌てて取り戻した妹は、壁の棚からペーパーナイフを取ってあてがった。
やれやれ。ようやくか。
どかりと足を投げ出して椅子に座る。
あれを読み終われば、妹も俺が何を望んでいるかいいかげん思い出すだろう。午後の仕事を乗り切るために必要なエネルギー源。濃厚なグレービーソースのかかった分厚いステーキ、マッシュポテト、熱いカセロールの山だということを。
だが妹は、何を思ったか、ペーパーナイフを途中で止めた。
「おい?」
「やっぱ、お部屋で開けてくる」
そう言って、そそくさと階段を駆け上がっていった。
「あ、兄さん。兄さんも部屋で着替えたほうがいいわよ、すごい格好だから」
階段の上から声が降ってくる。
「偶然だな。俺も今そう思っていたところだ」
皮肉に口端を上げたが、見るやつは誰もいない。ばからしくなって、コーヒーを飲み干し、椅子から立ち上がったところにまた妹の声が降ってきた。
「それから、客室のライト切れてたの。兄さん換えといてね。
なんか、まもるが近いうちにまた来てくれるような気がするんだよねー私♪」
語尾に重なって、ばたんと部屋のドアが閉まる音がした。
あの様子じゃあしばらく下りてくる気はなさそうだ。昼めしは自分で用意か、まったく。
だが予想は外れて、妹はすぐに駆け下りてきた。
「兄さん、大変大変!」
「なんだ? まもるがまた来るとでも書いていたか?」
焼きたてのステーキを皿に乗せ、座って食べ始める。さっさと食って戻り、牧童と交替してやらなくてはいけないのだ。
「ううん。私も、そうだったらいいな、と思ったんだけど。「これを読むころには空港に着いてるから迎えを頼む」とかだったら、すぐ迎えに行かなくちゃーって」
「ってことは、違ったんだな。
言っておくが、車にガソリンは入ってないぞ」
「うん。そうだと思った。
でも違ったの! そうじゃなくて、これ! これを読んで!」
「読めと言っても、俺は日本語なんか読めないぞ」
「大丈夫。ちゃんと英語で書かれてるから!」
妹の突き出してきたそれを受け取り、開くと、文字は英語だった。
「さすがまもるよね!」
うれしそうな妹を横目に、手紙に目を通す。もちろんその間も食べる口は休めない。
だが読み終わるのを待ちかねたのか、しびれを切らした様子で妹は叫んだ。
「私、日本に招待されちゃった!」
「……そのようだな」
手紙を返すと、妹はそれを開いてもう一度読んだ。
「寝子島? ってとこみたい。そこに、まもるの働いてる牧場があって、サマーフェスティバルするんですって。そこで、ロデオをやりたいからって」
「ああ、そう書いていたな」
「ね、ちゃんと書いてあるでしょ。
まもるが私に来てほしいって……」
とろんとした目で手紙を見つめる妹の姿に嫌な予感を感じつつ、「俺たちに、だろ」と訂正をした。
「ああそうね、兄さんにも来てって書いてあるわね」
よけいな口を挟まないで、と言いたげにじろりとにらまれた。
「でも、それってなんていうか知ってる? ついでって言うのよ」
やれやれ。なんとかにつける薬なしってヤツか。
俺は両肩を上げて下げ、もう何も言うまいと食事に専念することする。
そんな俺の後ろで、落ち着いていられないのか、妹のやつはうろうろ歩き回りながら一人で話していた。
「日本までの航空チケットまで入ってるし。本気よね、彼。私に来てほしがってるんだわ。
まもるのいる日本……今まで気にしたことなかったけど、どんなとこだろ? とっても楽しみ!
何を着て行こうかしら。出迎えに来たまもるをびっくりさせなくちゃね。
そういえば彼、ポニテキスがいいって言ってたわね。それが彼の望みなら、今度はちゃんとしてあげなくちゃ」
「……ごちそうさん」
食べ終えて、立ち上がったところでぐいと腕を引っ張られた。
「兄さん、なにぼさっとしてるの」
「は?」
「ロデオの練習よ!
まもるにかっこいいとこ見せなきゃね」
ウィンクをしてくる妹に、俺はやれやれと肩を竦めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月16日
参加申し込みの期限
2018年12月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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