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あの空の向こうに
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真夏の宵の花は、なんといっても花火大会!
特に、隅田川花火大会は江戸時代に将軍様が打ち上げたという出来事を由来としている、由緒正しい(?)日本最古の花火大会らしい。そのせいか、規模も他の花火大会と段違い。
兄が、小さい妹たちだけで留守番はさせられない、との理由から行けないのを知った上で、
「今年はどうしても行きたい! だってこの日しかないんだよ?」
とだだをこねて、
雨崎 楓香
は兄の友人の
雪見 大福
に連れて行ってもらうことに成功した。
「ごめんね、ハルくん。わがままにつき合ってもらっちゃって」
実家まで迎えに来てくれた大福に、楓香は悪いと思いながらもうれしさを隠しきれない笑顔で言う。
「いや、べつに」
大福はさらりと返し、「浴衣、似合ってるぞ」とだけ言った。
無愛想だけど、本当は優しい人だと、楓香は知っている。
楓香は褒められたうれしさに自然と緩む口元を浴衣の袖で隠し、「ありがとう」と礼を返す。
大福くんと一緒。それだけでうれしい。
たとえ妹の穂香がくっついてきていても……。
「こんばんは、ハルくん」
あとから出てきた穂香が、大福にぺこっと頭を下げた。
「穂香か。久しぶりだな。元気にしてたか?」
「うん! ハルくんもね!」
「おまえは浴衣じゃないのか?」
「だって、こっちのほうが動きやすいから」
と、上着の裾を引っ張った。
おっとりしているように見えて実はバレーボール部エースという、活動的な穂香らしい返答だ。
「そうか」
と大福も納得する。
親しげに会話している2人の様子に楓香は胸がちくっとした。
(どうして? あの2人は、いつもああじゃない)
「楓香? どうかしたのか?」
「……ううん。なんでもない。
じゃあそろそろ行こっか」
下駄をつっかけて、カラコロ鳴らしながら歩いた。
カップル、グループ、親子連れ。
会場に近づくにつれて、みるみるうちに人が増えていく。
みんなが同じ方向へ向かっているから、楓香たちと同じで、花火を見に行く人たちだ。
「すごい人だね」
人いきれにふうと息をつく楓香に、大福が応じる。
「この先まだまだ増えるぞ。
穂香、はぐれないようにしろよ」
大福が反対隣の穂香に声をかけて、さっそくよそ見をして歩みが遅くなっていた穂香の腕を掴んでこちらを向かせた。
「どうした」
「かき氷」
穂香が指さした先にはかき氷の屋台がある。
「かき氷か。
楓香も食べるか?」
「えっ?
――ううん。あたしはいいや」
「そうか」
「あ、穂香の分は、あたしが出すから」
急いで穂香を追いかけて、かき氷を買ってあげた。
「服に落として、汚さないように気をつけなよ?」
穂香にハンカチを渡す姿を見て、大福はふっと息をつき、呟いた。
「楓香はいつの間にかしっかりしたな」
前はそうでもなかったのに、と思う。穂香は穂香で、少し見ない間にまた背が伸びていたし。
普段は意識しないのに、なんだか時間の流れというものを意識してしまって、内心少ししんみりしつつも表には出さずに花火が始まるまでの間、3人で川岸の夜店巡りをした。
わたあめ、はしまき、チョコバナナ。
焼きそば、餅ドッグ、電球ソーダ。
「ガキのころはよくみんなで来たもんだよな、懐かしい」
大福は店先に並んだ商品に目を配る。焼けるソースの香ばしいにおいと、甘い砂糖の焦げるにおい。
「今じゃああんな物も売られてるんだな」
すれ違ったカップルが、電球型の容器に入った炭酸ジュースを飲みながら歩いているのを見て、感心したように言った。
「飲みたい?」
と振り返った穂香にすかさず
「おまえが飲みたいんだろ」
と言い返す。
「えー、そんなことないよ-。ハルくんが飲みたいんじゃないかと思っただけ。
ちなみにあそこで売ってるよ」
しらじらしい、いかにもな口ぶりに、ぷっと2人同時に吹き出した。
(……楽しそうだな)
じっと2人を見つめていると、大福が視線に気付いて楓香を見た。
「……楓香?」
大福は、しまった、と思った。
仲間はずれに感じてしまっただろうか。
楓香はまた「なんでもない」と答えた。だけど、なんでもなくなんかないときに、人は「なんでもない」と口にするのだ。
「楓香も何か食べるか?」
楓香はまた「いらない」と口にしかけて、少し考え込み。
「あんずあめがいいな」
と応えた。
「わかった、あんずだな」
「ハルくんハルくん、ついでに焼きそばも! あ、大盛りね!」
「……はいはい」
「やったあ!」
「すぐ戻ってくるから、2人ともここで待ってろよ」
屋台に向かう大福が踵を返す瞬間、ほっとしているように見えたことに、楓香は少し気分が落ち込む。
どうしたら穂香みたいに自然にふるまえるんだろう? 考えれば考えるほどわからなくなって、ぎこちなくなってしまう。
「……小さいころは、妹たちみたいに甘えられてたんだけどな」
「ん? 何か言った? お姉ちゃん」
「ううん。なんでもない」
楓香は力なく、でも笑って、首を振った。
やがて打ち上げ開始の時間になった。夜空に続けざまに花火が上がる。
空を仰ぎ、言葉もなく。開いては散り、開いては散る、視界を埋める巨大な七色の美しい華に誰もが見入る。
そんな中で、楓香はそっと、隣に立つ、気になる男の子を見上げた。
花火へと見入った大福に、それと気付いている様子はない。
じっとその横顔を見つめていると、自然と、彼を挟んで反対側にいる穂香も視界に入った。
自分より背が高く、すらりとしたプロポーションの穂香は、大福とお似合いに見える。2人の立つ距離も、自分より心なしか近くに見えて……。
もしかして。
穂香も、ひょっとして……?
「楓香? やっぱりどこか具合でも悪いのか?」
楓香が俯いてしまっていることに気付き、大福が心配げに眉をひそめた。
それとも、やっぱりさっき機嫌を損ねてしまったんだろうか。
こういうとき、自分の口下手さがもどかしい。もっとうまく聞き出す方法や言葉があるだろうに、と彼が内心やきもきしていることなどつゆ知らず、楓香は楓香で大福にいらぬ心配をかけさせてしまっていることに慌ててしまう。
でも、なんて言えばいいんだろう?
「――え? お姉ちゃん、おなか痛いの?」
そのとき、ひょこっと大福の向こうから穂香が身を乗り出してきて。これ幸いにと、楓香はその言葉に乗った。
「ばか。あたしより食べてるあなたが平気なのに、あたしがおなか壊すわけないじゃん」
「そっかー」
「それより穂香こそそんなに食べて。おなか痛くなるわよ」
「へっへーん。大丈夫! まだ大阪焼きが入る隙間はちゃんと残してあるから!」
「そこ、全然威張るとこじゃないからっ」
大体、食べ物は胃に入ってしばらくしてから膨らむもので――と話したところで大福がくすりと笑う小さな声が聞こえた気がして、楓香は思わず言葉を止めて大福のほうを向いた。
聞き間違い?
「あーっ、ハルくん! 今笑ったでしょ!」
迷っている一瞬に、穂香が指を突きつけた。
「笑ってない。神かけて」
「うそ! 笑ったよ!」
大福に穂香がにやりと笑ってさらに言い募る。
2人の様子に、今度は楓香がくすりときて。そのままくすくすと笑ってしまったのだった。
「今日は誘ってくれてありがとうな」
送ってきた雨崎家の玄関先で、別れ際、大福はそう言って楓香を見た。
見つめてくる楓香に、少し迷って、それからそっと頭に手をあてて撫でる。子どものころ、よくしたみたいに。
「そういえば、楓香たちの家へ来たのも久しぶりだ。懐かしかった」
「……そ、そう。なんだ」
「ああ。
じゃあ、またな」
「うん! またね、ハルくん! 今日はありがとう!」
ばいばい、と手を振る穂香に応えるように、大福も手を振って帰って行った。
楓香はそっと、大福の手が乗っていた場所に触れる。まだ少し、大福が触れたときの感触が残っている。
あのとき、楓香は感じた。
(ああ。ハルくんはあのころのまま、大好きなハルくんのままなんだ)
それがうれしいのか、それとも悲しいのか、よくわからなくて。
涙が少しにじんだ。
「あれ? どうしたの? お姉ちゃん。目にゴミでも入った?」
「……なんでもない」
見られたくなくて、俯いたまま家の中へダッシュする。
おかしいと思われたかもしれないけど、今夜は何度もおかしなところを見られてるし。これもそのうちの1つだと、穂香なら思って気にしないだろう。
(あたしもハルくんみたいに、変わらないでいられたらいいのに)
ベッドにダイブして枕を抱えて、楓香は思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月16日
参加申し込みの期限
2018年12月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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