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あの空の向こうに
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夏の音楽フェスに出たいな、もう少し知名度も欲しいし。そう思っていたとき、事務所から映画の話を振られて。
シャロン・ナイトプレッジ
は、最初断ろうと思った。
エキストラなんて論外。せめて名付きじゃなくちゃ、やるだけ時間の無駄だわ。
だけど、キャストで『浅海 珊都(あさみ さんと)』という名前を見た瞬間、独りでに口から言葉が出ていた。
「やります。やらせてください」
浅海 珊都は若干16歳でテレビを賑わす、現在急上昇中のアイドルタレント。今風な少年で若干わがままなところがありながら無邪気なロマンチストでもある二面性を併せ持った性質が受けて、同じ年頃の女の子たちから支持されている。
スタジオへ入ってあいさつ回りをしているとき漏れ聞こえてきた話だけで、彼と共演できるという理由でこの映画に出るのを受けました、っていう人がいっぱいいそうだな、って思った。若者向けの青春映画だから、若い子が多いっていうのもあると思うけど。
ストーリーのほうはよくある話で、廃倉庫を舞台に地下アイドルや売れないバンドマンの世界から這い上がって行く人達のサクセスストーリーだ。
私の役は、ライブをする珊都たち主役級の人たちを励まし、きっといつかこの薄暗い廃倉庫を出て脚光を浴びる日が来ると、支えるファンの1人。
セリフはほんの1つ2つ。珊都と2人きりのシーンなんてないし、当然名前もない。
唯一脚光を浴びるシーンは長く続く下積み期間でなかなか芽が出ず心が折れかけている珊都たちバンドマンを励ますシーンで、彼らの楽器を借りて歌うシーンがあることだけど――たぶん、だから事務所が私に役を振ってきたのだと思う――もちろんそこでだって名前は出ないし、セリフがあるのもスクリーンに映るのも唯一名前があるボーカルの男性だ。私はコーラスとして脇から見てるだけ。
エキストラだし。まあ仕方ないよね。
それでもスクリーンに映ると意識したら緊張しっぱなしで。なかなか思ったように声が出ず、即席バンドのみんなには迷惑かけちゃった。
だって、難しいよ。ボイストレーニングもしてきた身で、素人っぽく微妙にキーを外しつつ、でも懸命に歌うの。
とにかく初めての映画、初めての芝居だから終始緊張しっぱなしで。夢中でやってたんだけど、その初々しさがいいと監督に受けたのが幸いしたのか、歌った後、珊都たちを励ますボーカルの人の後ろに立っているシーンが追加された。
たぶん、これはいいことだと思う。
1日仕事で、たぶん映画が完成したら、映ってるのなんか1分にも満たないんじゃないかって思うけど、撮影現場では認められたってことだし、次につながる可能性があるって事務所にも思ってもらえるかも。
でも私的には全然駄目だった。
最初思ってたのと違って、珊都は忙しいスケジュールの合間を縫っての撮影だから、現場にいられる時間は限られているし、私は私でスタッフや共演者へのあいさつとか、演技指導を受けたりとか、珊都たちの代役の人を使って何度も同じシーンを撮影したりと大わらわ。珊都に目を向けてる時間なんか全くなし。
珊都との共演シーンもちょっぴりだし、私はスポットライトの当たらない影からやりとりを見てるだけ。
結局、最後の客席につまずいて尻もちをつくシーンで本当に足をひねってしまうなんて、ミスまでやっちゃった。
情けなくて泣きそうになる。
何度もミスった上、こんなこと、誰にも言えなくて。なんとか着替えを済ませてスタジオを出たところで、どっと力が抜けた。
ずきずきする痛みが引くまで、と思って、目立たないスタジオの影へ行って、そこに座り込む。
情けなくて、みじめで。泣きそうになった。
(きっと、一目会えたらなんて邪な気持ちがいけなかったのね)
お仕事なのに。
「…………」
いつまでもここでこうしていたってどうしようもない。
帰ろう。
反省は道中でもできるから、と。そう思って立とうとしたところで、懐かしい声が聞こえてきて。私は思わず動きを止めた。
「きみ、大丈夫?」
珊都だった。
どうしてここに、と目を瞠る私の前で、珊都は少し黙った後、言葉を続ける。
「もしかして足が痛いとか? 派手にひねってたようだけど」
そしてまた言葉を切る。
そこでようやく、彼が返答を待っているのだと気付いた。
「はいっ。あっ、……いいえ」
珊都はぷっと吹き出し。
「どっち」
と笑った。
ずっと昔、英国で出会った『シャロン』だってわかって声をかけ――たわけじゃないんだろうな。
私は忘れなかったからって、彼に覚えておいてほしいなんていうのは、間違ってる。
あの一度きりのことだったし、あれからもう何年もたって、姿も、髪の色だって違ってる。彼がもしあの出来事を覚えていてくれてるとしても、記憶の中の少女は薄茶色の長い髪の少女で、今の私とはかけ離れすぎてる。
珊都だって変わった。
でも笑顔は昔のままだ。
思わず目尻に涙をにじませた私を、珊都はSOSととったみたいだった。
「そんなに痛むんなら医務室へ行ったほうがいいぜ」
手を差し出し、私を引っ張り上げると、珊都は医務室へ案内してくれた。
道すがら、どこのプロダクションに所属しているのかとかいろいろ話題を振ってくれたのは、痛みから気をそらそうとしてくれていたんだと思う。
珊都はわがままだって言われてるけど、そんなことない。ちゃんと人を思いやれる人なんだ。
「そっか。きみ歌手なんだ。だから歌ってたんだね」
「はい。nth prizmといって、まだ新人なんです」
彼の音楽の影響で始めたというのは言えなかった。
「そっか……じゃあ次は役じゃなくて、きみ自身の歌が聴きたいな」
たとえそれが軽い気持ちから出ていたとしてもかまわない。
珊都が私を見て、私の歌を聴きたいと言ってくれた……。
「シェリーっていいます。浅海さん」
いつか。あの少女は私です、と、もし彼に伝える日が来るとしても、それは今日じゃない。
今はここまで。
そして、ここから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月16日
参加申し込みの期限
2018年12月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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