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喜雨に濡れ
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【雨に惑う。】
満たされず、じりじりと焦れて。鬱屈は沈殿し、胸に重くわだかまって。
まるで心は降りしきる、この雨のよう。
「傘……忘れちゃったな」
来島 アカリ
は誰ともなく、ぽつり。
いいえ、漏れた言葉を聞いてほしい『誰か』には、アカリ自身にも大いに心当たりがありました。
アカリの想い人たるあの奔放な先輩は、このところはずいぶんと忙しそうにしていて、ロクに顔も合わせない日々が続いています。
「……むー」
彼の行動に他意がないことは、よく分かってはいましたけれど。
「先輩の、ばか……」
つぶやきは雨音にまぎれて、かき消されてしまいました。
そしてここにも、傘を忘れたうっかりさんがひとり。
件の先輩、
ロベルト・エメリヤノフ
です。
「天気予報じゃ、今日は降らないって言ってたんだけどな……はっ! 待てよ!?」
転んでもただでは起きない彼は、ざあざあ降りに斬新な解釈を交えて言いました。
「雨が降ってて、僕が傘を忘れたってことは……美少年と相合傘ができるってことだよね!」
なんとも論理の飛躍ですけれど、ロベルトは期待にうきうき。弾む足取りで、校舎内を巡ります。
どこかに自分を待つ、傘を忘れた美少年が待っているかも!
「おいでよ、美少年たち! 僕は今日、傘を忘れちゃったんだよ~♪」
アカリが見つけたのは、そんな先輩の姿。
自分以外の誰かを探す、ロベルトでした。
「うーん。いないなぁ、傘を忘れた美少年。いたら絶対に相合傘で帰るのに……」
「……いるわけないでしょ、そんなの」
「うわぁ! あ、アカリ!?」
仏頂面のアカリと目が合い、ロベルトは飛び跳ねました。
「そんなのがいたら、先輩は今頃ここにはいないでしょ」
「い、いるもん! どこかにはいるもん、美少年が……って、そうだ!」
気づけば目の前に、条件を満たす美少年が物憂げにたたずんでいるのです。ロベルトが飛びつかないわけもありません。
「いっしょに帰ろう、アカリ! 僕と一本の傘で! 相合傘で!」
「イヤです」
「ええっ!? なんでー!?」
つーん。アカリは桜色の唇をとがらせて、そっぽを向きました。
つれない彼へのちょっとした意地悪は、アカリなりの意思表示であったのかもしれません。
けれどロベルトはがっくりとうなだれて、さらにはこんなことを言うのです。
「そうかぁ、ダメかぁ……じゃあ、別の子を探してみるよ」
「……むー」
ケータイに収められた美少年リストなど探し始めたロベルトに、アカリの唇はますますとがりました。
どうして、気づいてくれないんだろう。
「あ、もしもし? ねえねえ、今日泊まりにいってもいい? 傘忘れちゃって、お風呂貸してもらえないかな……えっ、ダメ? むり? そっかぁ」
どうして、分かってくれないんだろう。
こんなに近くにいるのに、じりじりと焦れて。満たされなくて。アカリの心は冷たく濡れそぼっています。
「う~、みんなダメかぁ……当てが外れちゃったなぁ」
「というか、先輩。今日は、塾はどうしたんですか」
このところの彼の多忙が、画塾へ通っているからであることを、アカリも承知してはいました。そのためにすれ違いは増え、会話もままならない日が続いているのです。
彼はそんなことも気にしていない様子で、
「今日はたまたま休みなんだ。だから、美少年といっしょに過ごせるチャンスだと思ったんだけど……はぁ」
ため息。かくんと落ちこんだ肩に、アカリの胸はなんだか痛みました。
ぽつぽつ、ぽつり。雨どいを落ちる水滴をしばし、ふたり並んで眺めます。静かに、ゆったりと流れる時間。
ふたりきりで。
「……まったく、もう。仕方ないですね、先輩は」
先に折れたのは、アカリのほうでした。
「アカリ……?」
「行くところないんでしょ。うちに泊まっていいですよ」
「えっ、いいの!? やったぁ!!」
無邪気に喜ぶロベルトの笑顔。我ながらチョロいなー、と思わざるを得ない自分。アカリとしては、少々フクザツです。
好きな人が喜んでくれるのは、もちろん嬉しいけれど。
「あれ? どうしたのアカリ?」
「べつに、なんでも。教えてあげませんもん」
「え、ええー? なにが? なんで? むー、気になるなぁ」
アカリの意地悪は、照れ隠し。そして内心の惑いを覆い隠すヴェールでもありました。
だってここで喜んでしまったら、なんだか悔しいから。アカリには、彼しかいないのだとしても。彼にとって自分は、たくさんいる中のひとりにしか過ぎないわけで……。
「え、ちょ、アカリ?」
「帰りましょ、先輩」
いくらか弱まってきた小雨の中へ、アカリは身をさらします。冷たい雨粒が、自分の中に溜まったなにか……熱いものを、洗い流してくれることを期待して。
「帰ってお風呂入れば大丈夫ですよ。今日はなんだか、少し……濡れて帰りたい気分なんです」
「? そっか、それもそうだね。じゃ、行こうか!」
駆け出したロベルトの、嬉しそうにはにかんだ横顔。アカリと過ごすことを喜んでくれている、彼の笑み。
「……むー。ずるいなぁ……」
あいにくと、アカリの頬へ灯るこの火照りばかりは、まだ冷めてはくれないようです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月11日
参加申し込みの期限
2018年12月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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