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テーブルの上にビニール袋を置く。
袋からするりとこぼれた中身は映画のパンフレットだ。
表紙を飾っているのは往年のロックスター。途中までしかないマイクスタンドを構え、弓なりに身を反らせている。
「いやぁ、なんというかいい映画だった」
鍵を置いて戻ってくると、しみじみと
南戸河 蔵人
は感慨を漏らすのである。
仕事柄、映画を観ることは多い。
試写会に招かれることも、レビュー原稿を依頼されることだってある。
だから蔵人は、どことなく映画に対し客観的というか、それほど入り込まないよう接する癖がついていた。
観ながらちらちら考えてしまう。
自分が脚本家ならここはこう書くな、とか。
カメラワークはこうするべきでは、とか。
音楽の使い方にしたって、このミュージシャンの曲を使うならこっちのほうが似合うだろう……なんて批評気味に。
素直に「わあ、映画だあ」と与えられたものをそのまま受け入れることができないのだ。
そんなピュアなことができていたのは、幼少期だけだったように思う。
……いや待て、幼少期だって、特撮の空飛ぶマシンに釣り糸(ピアノ線)が見えたら大喜びしていたような気がする。とすればこれは仕事のせいというより単なる性分なのだろうか。
けれどもその蔵人が本日ふらりと足を向けた映画に、実に実に、心を揺さぶられたのだった。
平日午前中の最初の回、しかも公開三週目だったというのに劇場は半分以上埋まっていた。大抵こういうシチュエーションで鑑賞すると、客席はまばらというかガラガラ、下手をすれば貸切状態で楽しめるというのに。
盛況にぎょっとし、落ち着かない気分で観はじめたのだけれど、そんなことはすぐに忘れてしまった。
あるロックバンドの伝記映画、実話ベースだが、ところどころ劇映画用に調整してあるという。けれども蔵人はそのバンドのことをそれほど知らないので、どこからどこまでがノンフィクションで、どこがフィクションなのかわからなかった。
やっぱり曲が、力強いんだよねえ。
しみじみと思い返す。
曲自体は聞いた事あったというか好きな曲も多かったけど、意外とこのバンドだってことまでは知らなかったなぁ。
コマーシャルや店内BGM、たまたまつけたFMラジオなどで聞き覚えのある曲が、ぽんぽん飛び出してくるのは驚いた。しかも映画館の音響で浴びるように鑑賞したのだ。悪くないはずがなかった。
でも、と、誰に申し訳なく思うのかは謎だが、なんとなく申し訳ない気分で考える。
――肝心のタイトルになってる曲を、覚えてなかったのはちょっと情けなかったけど。
チェアに腰掛けパンフレットをめくると、インクのいい香りが鼻をくすぐった。
実際のバンドの歴史を読んだり、写真を眺めたりして、その『時代』に思いを馳せる。
正直彼らが特に活躍していた時期って、私はまだ子供だったから……外国の音楽って難しかったんだよね。
それがこの歳になって良さがわかるってのも、もったいないような、すごいことのような。
ふっと微笑したのは自嘲だろうか、それとも感慨だろうか。
まあ、いい音楽は時代を超えてもすごいってことなんだろうね。
なんとなく結論が出たような気がする。
衝動買いのようにしてパンフと一緒に購入したサウンドトラックCDの包装を破って、プレイヤーにかける。
そうそう、これこれ。
味のあるギターの音色を楽しみながら、さらにパンフを読み進めた。知り合いのコラムニストが熱烈なコメントを載せているのを発見する。そうか、彼もファンだったのか。
そうして今度は、死んだヴォーカリストに関する考察のコラムを読み進めた。
ああ、そういえば。
ふと思いだした。
あの人が亡くなったときも、色んな曲が流れていいなーと思ったような記憶が……なかなかきっかけがないとそういう曲に出会う機会もないよなぁ。特に昔の曲だと。
それにしてもステージ上の彼らは楽しそうだ。比較的後年の写真もあるけれど、和気あいあいとしていて少年のようじゃないか。
急に思い立って、蔵人は椅子から立ち上がった。
「そうだ!」
つい声に出している。
一時期友達とバンドやろうぜなんて言って買ったベース!
実家に置いておくのも微妙だったんで持ってきてたはずだけど、どこにやったかなぁ……。
音楽に追い立てられるようにして、物置がわりにつかっている六畳間に直行した。
サントラCDが終わる頃には、リビングのテーブル上にベースギターが置かれている。
「おお……」
見つけたはいいけれど、とうめき声が漏れた。
「弦がサビサビだぁ……」
泣きたい気持ちである。
自分の記憶にあるベースギターとはまるで違っている。玉手箱のなかから取り出してきたのでは、という錯覚すら受ける。
しかも問題は、弦を張り替えただけでは解消しない。
アンプだけはどうしても見つからなかったからだ。どうやらアンプのみ実家に残したものらしい。
これじゃあ音は鳴らせない。
でもなんか悔しい……。
買えばいい、とすぐに思ったものの、なんだか通販ですませるのはロックじゃない(?)という感じで気が進まなかった。
ベースギターの修繕や今後のメンテナンスも考えると、楽器屋に行ってみるほうがいいだろう。
寝子島にあるんだったかな? 調べてみよう。
まあ、行ったら行ったで、買った方が安いとか言われそうな気もするけれど……。
それはそれで、と蔵人は前向きに考えた。
でもやっぱり、はじめて買った楽器なのだからこれを使ってみたい。あのバンドのように、とはいくまいが、跳ねるような分厚いベース音を響かせたい。
ふふふ、と我知らず蔵人は含み笑いしている。
なんだかちょっとワクワクしてきちゃったぞ、っと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月26日
参加申し込みの期限
2018年12月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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