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僕の歌は君の歌
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真夏七月もううんざりなほど、陽射しは空を焦がし大地を焼く。
けれどもはじける水蒸気に、あるいは蝉声のほとばしりに、音楽を感じはしないだろうか。
溶けしたたるアイスクリームに、クーラー室外機の爆風に、五線譜を見出せはしないだろうか。
夏の音楽がはじまる。
この夏、このときにしか聞けない君の歌が。
木目調ダークブラウンの床にぺたっと背中をつけて、そのひんやりした感触を楽しんでいる。
左右の手のひらも床だ。
一方で両足は壁に立てかけている。
Lという文字の角度を、ぐっと鈍角にひらいたような姿勢だ。
行儀がいいとは言えない。けれど楽だ。
なにも予定のない休日だった。さやさやとそよぐ冷房のきいたリビングで、
花厳 望春
はひとり、特にすることもなくだらだらと過ごしている。
飽きたなあ。
そんなことを考えている。
かるく期末考査の勉強をしてみたけれど、飽きた。
雑誌をぱらぱらとめくってみたけれど、やはり飽きた。
テレビをつけてすぐ飽きた。
どうしようかな。
でも出かける気はしない。
だとしたらどうするか……。
床に背中を当てたまま首をめぐらせ、なにかめぼしいものがないかと探す。
鳶色した望春の瞳に、アップライトピアノのシルエットが映り込んだ。
なんとなく興味を引かれた。
足を下ろし立ち上がって、無意識のうちにヘアピンの位置を直している。
直しながら望春はピアノに歩み寄っていた。
蓋の布カバーを取り除くと、光沢のある黒い姿が目に飛び込んでくる。
すうと部屋の温度が上がった気がした。
――そういえば、習ってたピアノ辞めちゃってから家の中でピアノ弾くことあんまりなくなっちゃったなあ。
たまには弾いてみようか、と決めて椅子に腰を下ろす。
やや位置が高い気がした。椅子のネジをきしきしと回して高さを調節する。
鍵盤の白さがまぶしい。黒真珠のような黒鍵も。
ときおり掃除していたから埃っぽい感じはしなかった。
両手の指を鍵盤に載せ、軽く息を吸い込んだ。
雪が溶け水になるときのように静かに、暗譜した曲を弾いてみる。
記憶は頭に眠っているのではなかった。指のほうが覚えていた。指のか細い筋肉が、完全なタイミング、完全な強さで、しなるように鍵盤を叩いていく。
――今だと季節外れかな。
望春の口元に微笑が咲いた。
なにしろクリスマスソングなのだから。
昔の映画音楽、タイトルと同名のテーマ曲だ。
弾くにあたっては主旋律をになう右手が中心だと思われがちだが、実は左手の動きこそが曲調の幹となっている。
左手の動きこそが名演と凡庸を分ける――か。
そんな格言めいた指導を受けたことも思いだす。
…………。
…………。
…………ん?
手が止まってしまった。
途中までは完璧に曲を覚えていた。けれども中盤を過ぎて転調に入ったところで、どうしても先を思いだせなくなったのだった。まるで傷の入ったCDのよう。途中で音飛びしてしまう。
これ楽譜みないとダメなやつかな、と肩を落とすと望春は椅子から降りた。
えーっと楽譜どこにしまったっけ。
ピアノの上に山積みされた楽譜を漁る。ひとかかえほどあるものをまとめて下ろして、一冊一冊たしかめていった。
うーん、と唸ってしまった。
見つからないのだ。
そもそも楽譜ばかりと思っていた山には、全然関係ないものがたくさん混ざっていた。
たとえば、いわゆる『薄い本』。
――これ、姉さんが買ったやつだな。
要するに同人誌だ。ちょっと古いアニメのキャラが、今から見ればちょっと古いタッチで描かれた表紙。健全な内容なのか年齢制限ギリギリなのか、それとも制限の壁の向こうにあるものなのか……開いて確認することはやめておく。
床に座ったままもうしばらく漁(すなど)るも、やはり目当ての楽譜は見つからなかった。青白い背表紙であったことは覚えているのに。
どうしよう、今日はもう弾くのやめようか。
という迷いもあった。けれども――。
一度弾き始めた曲を完奏できないってなんか気持ち悪いな。
という気持ちがこれに勝った。
望春はクーラーのリモコンに手を伸ばした。
財布を取って玄関に向かう。
「よし」
小さく声を発している。
久しぶりに本屋に楽譜買いに行こうかな。
ついでに新しい楽譜もないか見てみよう。
最近ってどんな曲あるのか興味あるし。
それに、ゲーム音楽のピアノアレンジとか出てたらほしいかも。
ドアを開けると、太陽と埃の匂いがした。
蝉の声も降り注いでいる。
小一時間経って、戻ってきた望春の体温は急上昇している。
目当ての楽譜が見つかったのだ。
最近気になっていたあの曲も、ゲーム音楽のピアノアレンジさえも。
すべて、思っていたより安価だったことにも気をよくしていた。
クーラーを再始動し数冊の楽譜をめくり比較して、それでもやっぱり、と中断していた曲が掲載されている真新しい楽譜集を望春は開いた。
青白い表紙のものではない。他の楽曲も追加された若草色の本だ。
ほぼ中央のページにいきつく。ためらわず広げて折り目を付ける。
楽譜台に置いて固定する。
楽しい。
純粋にそう思う。
恐竜の化石の、欠けていたパーツを取り戻した気分だ。
また暗譜できるようになるまで、家でピアノ弾くようにしようかな。
無意識のうちにハミングしながら、望春は音楽の大海に飛び込んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月26日
参加申し込みの期限
2018年12月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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