this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
僕の歌は君の歌
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
蝉の歌に入りまじる、野鳥のさえずりが耳に心地好い。
流れる川の水音も、そよ風が揺らす枝葉の音も、
八神 修
にとっては音楽だ。
「釣れないね」
とぼんやり告げる
七夜 あおい
の言葉も、もちろん。
「釣りってのはそういうものさ」
修は告げて、帽子のつばを引き下げる。
「むしろこんな風に、竿を握ってぼんやり待ちながら自然を味わうのが渓流釣りの楽しみだよ。そうじゃないか?」
「なるほど」
あおいもベースボールキャップをかぶっている。アメコミ出版社のロゴマークが入った黒いキャップは、野々ののこから借りたものだという。
「たしかに、こうして自然に包まれてるのっていいかも」
修もあおいも黒い長靴と、救命胴衣を身につけていた。お世辞にもロマンティックとはいえない扮装だが、そのぶん修は、アウトドア特有の昂る気持ちを抱いている。
先日、参道商店街の蕎麦屋『すすきの』で交わした会話がこの日の釣りにつながった。鮎特集という言葉に興味を持ったあおいを、修が誘って連れ出したのである。
本日の気温もすごいことになっている。されど森の中であり水辺なので、冷房の人工的な冷たさとはちがう涼やかさがここにはあった。
たまたまかもしれないが、他に釣り人の姿はない。
ありがたい、と修は思う。
おかげで人目をはばからず話すことができる。
「この前は、嬉しかった」
「この前?」
ばしゃと水音を立てて少し移動して、
「ほら、うちの猫たちのトリミングを手伝ってもらったとき」
ああ、とあおいはビー玉のような目を細めた。
「猫ちゃんたち、可愛かったね。元気してる?」
「うん、元気だ。嬉しかったというのは、あおいが手伝ってくれたことだけじゃない」
「ほかになにかあったっけ?」
軽く息を吸い込むと、もう一歩、修はあおいに近づいた。
「話してくれたことだ」
「いつだって修くんと話してるよ?」
「正確には……本音を言ってくれたこと」
気まずくなるかもしれないという懸念はあった。
それでも修は告げずにはいられなかった。
「あのとき、あおいは話してくれたよな。伝えたいのに伝えきれないこと、空気とか立場を考えて心の中に押し込めてることがある、ってことを。あおいは沢山のきょうだいのお姉さんだし、ずっとそうして育ってきたのかもしれない……」
「気にしないで」
あおいは釣り糸の先に視線を移した。
「あのときはたまたま、そんな気分だっただけだから」
嘘だな、と修は直感した。
といっても、あおいは嘘を口にしている意識はないのだろう。自分で自分にあてはめた発言のパターンをなぞっているだけだ。
そうすれば誰も傷つけずにすむから。
「待ってくれ」
修は竿を岩の間に立てかけた。
手を伸ばせばあおいに触れられるくらいの位置まで近づく。
「俺が言いたいのは感謝の言葉なんだ。あのとき話してくれて嬉しい――本心からそう思っている」
彼女の返答を待たず、語気を強めた。
「俺の気持ちは知っているはずだ。俺だから話せると、本音で言い合える相手であれたらと思ってる」
一度顔を上げたあおいだったが、間もなくまた視線を水面に落とした。
「ちゃんと向き合いたい、それだけなんだ。俺は、あおいという人間と関係を深めたいんだ」
修はさらにもう一歩、足を進めた。
しかし、その歩みを止めたのは他ならぬあおいの声だ。
「……困らせないで」
しおれた花のような声だった。
「困らせているつもりは」
言いかけて修は口をつぐむ。答えを求めようとしていると思わせてしまったこと、イエスかノーか返答を求めていると誤解させてしまうような姿勢こそが、彼女を困らせていると思ったからだ。
「私がどんな風に答えることが、修くんの好みにあう?」
えっ、と修は言葉に詰まった。
「いや……好みというなら……むしろあおいが……あおいの思うままでいることが好みだ」
「修くんなら、そう言ってくれると思った」
おあいの口調に生気が戻った――そんな風に修は思った。
「だったら、そっとしておいてくれるのが一番嬉しいかな……」
拒絶、ではないと修は思う。
あおいは声を荒げたわけではないし、不快な表情をしたわけでもなかったから。
けれども、これ以上踏み込むことをためらわせるものがそこにはあった。
「あっ」
と言ってあおいは指さした。
「引いてるよ。竿」
修を指さしているでのはない。その背後に置いた修の釣り竿を示しているのだった。
「本当だ!」
水しぶきをたてながら、修は自分の竿に駆け戻った。
やや大ぶりの鮎が、釣り針にかかってばたばたとしていた。
まもなくあおいの竿もひきはじめ、そこから短い時間で、するすると数匹の釣果があがった。
修は手早く火をおこし、串に刺した鮎を焼き始めた。
いつしか、木片がパチパチとはぜる音がこの場のメインBGMとなっている。
「前も言ったかもしれないけど、本当に修くんってなんでもできるよね」
感心した口調で、あおいは炎を見つめている。
「いい匂い……お腹が空いて来ちゃった」
「もう少しの辛抱だ。焼きたてを渡すよ」
あの話は、鮎が釣れたことで自然に沙汰止みとなってしまった。しかしもう一度蒸し返すのは気が引けた。
どうすればいいのだろう、と修は思う。
どうすれば自分は、あおいに対する自然体の支えとなれるのだろう。
愛とか恋とかでなく、もっと根源的な人と人として……。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
僕の歌は君の歌
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月26日
参加申し込みの期限
2018年12月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!