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胸の内側に薄曇りみたいな気持ちが、わだかまっているのを感じてる。
この夏空の好天と、まるで逆の鏡像みたいだ。
予定のない休日の午前中。せめてもの気分転換と思い、
御巫 時子
は窓から外を見上げていた。
そんなときだ、電話が鳴ったのは。
表示された文字に呼吸が止まる。『
五十嵐 尚輝
』と書いてあった。
もしかしたら夢? 反射的にそう思った。
先生のことばかり考えているから……?
漫画なら頬をつねるところだろうが、時子はそれよりも電話に出ることを選んだ。
電話の重み、耳に当てたときのひやっとした感触――夢じゃない。
「……お休みのところすいません……五十嵐です」
尚輝の声はどこか堅い。
「こんなことをお願いするのは心苦しいのですが……」
大急ぎで衣装を整え、時子は駅に急いだ。
絣の着物にしたのはちょうど今日、これで出かけようとしていたからだ。髪飾りをさし番傘を手にして、畏まりすぎかもしれないと思案する。そこでボーター(いわゆるカンカン帽)を頭にのせて、和洋折衷にして軽さを付け加えてみた。
華やかなれど過剰ではない。悪くないと思った。
待ち合わせ場所、彼にしては珍しいことに、ストライプのスーツ姿で尚輝が立っている。
「尚輝先生」
駆け足で来たので、時子の息は途切れ途切れだ。
「すいません、急な話で。応じて下さって助かりました……」
まだ今道さんは来ていません、と尚輝は言った。緊張の色は電話の時分から薄れていない。
本日尚輝のもとに、大学院時代の旧友
今道芽衣子
(こんどう・めいこ)から連絡があったのだという。
これから寝子島に遊びに行くので会わないか、という誘いだった。午後から別の友人に会う約束なので、軽く昼食をしようということだった。共通の知り合いから電話番号を聞いたらしい。
「気が動転してしまって……先日、彼女の動向を知ったばかりだったので……」
慌てたあまりタンスに額をぶつけてしまって、と、尚輝は額をさすって苦笑いする。
「それで思わず言ってしまったんです。学校の生徒も連れて行ってもいいですか、って……お恥ずかしいことですけど、一人で会う自信が僕にはなかった。なので、つい……」
いいんです、と時子は首を振った。
「お声をかけてもらえて嬉しいです」
偽りなき気持ちだった。とっさに尚輝が助けを求めた相手、それが自分だったなんて。
まもなく、
「お久しぶりー」
やっ、と片手を挙げて、笑顔の女性が声をかけてきた。
背が高くすらりとした印象、上品な白いトップスだが、綺麗な肩を惜しげもなくさらしている。黒いスカートに見えるがそれはガウチョパンツで、踵の高い靴とのコントラストが素晴らしい。
なによりも目を惹くのはその髪色だろう。紅葉のような赤、肩までの長さがある。
芽衣子は細面の口元に笑みを浮かべ、
「五十嵐君、元気してた?」
と彼の両手を取った。アメリカ式だろうか。
あっ。
時子は尚輝が、頬を染めていることに気付く。
「は、はい……それなりに……」
そうだ、と慌て気味に尚輝は手をはなして、
「こちら、僕の教え子……御巫時子さんです」
時子の背後に隠れるように一歩下がった。
「可愛い!」
芽衣子はやはり、ためらうことなく時子の両手を握った。
「今道です。五十嵐君の研究室時代の友達、よろしくね」
「は、はい、よろしくお願いします。先生にはいつもお世話になっております……」
「その服とっても似合ってるよ。お人形さんみたい」
「ありがとうございます」
時子にはそれだけ言うのがやっとだった。英会話講師みたいなはきはきした言葉使い、目鼻立ちのくっきりした美貌にいささか気圧されたように思う。
その反面、安堵もしていた。
――でも、気難しい人ではなさそう。
「いいよどこでも。私、日本のレストランは久しぶりだからチェーン店でも懐かしいし」
と芽衣子がざっくばらんに言うので、三人は手近なファミレスに入った。
「今道さんの研究、ちょっとですが読みました。どんな感じですか……」
芽衣子を直視できないらしく、尚輝は運ばれてきたスパゲッティの皿に目を落としたまま言った。
「うーん、まあ、ぼちぼちかな」
准教授まで進んでいるのだからかなりの業績を上げているはずだが、芽衣子は特にそれを誇るでも、話したいことがある様子でもなかった。かわりに、
「五十嵐君はどんな先生? 時子ちゃんに訊きたいな――あ、ごめん時子ちゃんて呼んでいい? 私のことも『芽衣子』でいいから」
と、時子に水を向けたのである。
それこそ時子の話したいことだった。いくらか胸を張って答える。
「優しくて頼りになって、細やかな気遣いのできる人です。授業も分かりやすく丁寧に教えてもらえますし。とても素敵な先生です」
恋心が気取られないよう、気をつけて言えたと思う。
「ほー、五十嵐君も立派になったもんじゃのう」
からかうような口調で笑うと、芽衣子はハンバーグを口に運んだ。
「そうそう、これ。日本のファミレスハンバーグ、この優しい味! サンフランシスコのは濃厚ぎっしりで重くってさあ」
とひときしり語ったあと、優しい口調で言ったのである。
「五十嵐君って優しかったし、教師に向いてると思ってたよ」
やはり尚輝は、スパゲティに語りかけるようにして返した。
「でも今道さんだって、教壇には立ってらっしゃるんでしょう……?」
「ああ、私はダメ。教え方悪いって言われてるもん。うちの大学このところ景気悪くて……実は私、今季限りで契約切られるんだ」
「えっ?」
「つまり失職。いろいろ再就職先あたったけど全滅、もう日本で探すしかないかな、って思ってる。今度日本に戻ってきたのもそのためなんだよね」
「それは……その、なんて言ったらいいか……」
言葉につまる尚輝を見て、あははと芽衣子は笑った。
「なんで五十嵐君が暗くなってんのよ。大丈夫、どうにかするって」
それから話題は、ふたりの大学院時代のことに切り替わった。
同期たちの近況、担当教授のその後などの情報を交換する。途中、
「ごめん、時子ちゃんには退屈な話だよね」
と芽衣子は配慮したが時子は首を振った。
「お構いなく。先生の大学院の頃のお話、興味があります。なかなか聞けませんから」
面白い話だった。あの尚輝がかつて酒の先で深酔いし、芽衣子の膝枕で眠り込んだ話も出た。(そのことに話が及ぶと、尚輝は顔から火が出そうなほど紅潮した)
――でも。
面白いのだけれど、と時子は思う。
胸がぎゅっと、締め付けられるような気もした。
何かの拍子に芽衣子が左手を口元にやった。時子はつい、彼女の手を見る。
芽衣子は指輪をしていなかった。
寝子島高校の生活を、時子と尚輝から興味深く聞いていた芽衣子だったが、
「もうこんな時間」
壁の時計を見上げ、ごめんね、と片手で拝むようなポーズを取る。
「つづきはまた聞かせて。五十嵐君、久しぶりに会えてよかったよ。時子ちゃんもまた機会があれば」
と伝票を取って席を立った。
「あ、勘定は……」
「ここは払わせて。私の仕事が決まったらまた話そうよ」
Bye、と良い発音で述べてレジへ向かう。
「待って下さい」
時子は芽衣子に追いすがった。そして深々と頭を下げる。
「これ、よければお持ち下さい。『寝子島まんじゅう』です。自分用のお茶菓子として購入しましたけど私はいつでも買えますし……美味しくて日持ちもします」
「ありがとう、嬉しいよ」
芽衣子は遠慮せず受け取ると、
「じゃあ、時子ちゃんも頑張ってね」
言い残して先に行ってしまった。
頑張ってね……?
時子は立ち尽くす。
もしかしたら、という気持ち。
まさか、という気持ち。
それが半々だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月09日
参加申し込みの期限
2018年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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