とん、と置いた手をスライドさせると、机の上には二枚のチケットが残された。
「……なに?」
獅子目 悠月は組んでいた腕から顔を上げ、
オルカ・ヴィヴァルディの意味深な笑みを見る。
窓の外から、白い夏の陽射しがさし込んでいる。
昨夜から寝不足で、登校早々机に突っ伏していた悠月だ。
「……わざわざ起こすくらいの価値はある話だろうな?」
声が低い。逆三角形気味の不機嫌な眼をしている。
「Certo!(もちろん!) 見てご覧よ、そのチケットを」
「ステッラ・デッラ・コリーナ……ペントハウスレストランのプレミアムサマーディナー……!」
のそりと体を起こした拍子に、悠月のアホ毛がぴんと跳ねた。
「よくぞ言ってくれました~! 世界の一流シェフが短期間だけ来日し腕を振るうという奇跡の夜だよ~! ふふ、毎年即完売になる伝説の夜に悠月をご招待、というわけさ」
「高かったろ? ていうか、どうしてまた」
俺の誕生日はもうちょっと先だが――と言いかける悠月の唇に指を当ててオルカは薄笑みを浮かべた。
「あえて言うなら俺たちのamicizia……『友情』、というのはどうもしっくりとこないな……英語で言うところのfriendship、うん、これだ! friendshipを祝して、とでも思ってくれよ。なあ、いいだろう?」
「フレンドシップな? ともかく……ありがたく受けさせてもらうよ」
「ありていに言えばその日のチケットしか取れなかったからだけど」
「フレンドシップのほうが好みかな」
◇ ◇ ◇
SHIPといっても船のことではない。
relationship、すなわち『関係性』のことだ。
世にshipのつく関係は、friendship(友達関係)にとどまらない。
兄弟ならbrothership、仲間意識でfellowship、ライバル関係のrivalshipというのもあるらしい。
キャラとキャラをカップリングすることを、shippingと言ったりもするそうだ。
水兵リーベ、僕の船! 七曲がりシップス、クラークか。言っている意味はよく分からんが、あなたと誰かのrelationshipが、ひょっとしたらただのshipを超えてshippingしてしまうかもしれない。
関係性を楽しもう。関係性で、遊ぼう。
本日もまた極限暑い、七月中旬のある一日だ。
会話主体でほんわかしたりイチャイチャしたり、ひょっとするとピリピリしたりする日常の一コマを描かせてほしい。
グループ参加、歓迎! 気になる彼や彼女と、もうワンステップ親しくなるか?
NPCと会うのも歓迎! 面識がなくたって構わない。せっかくだからこのお話をきっかけに、作ろうよ深めようよ関係性。
……といっても、
ド直球で船に乗るお話だって歓迎するゼェー!
日常の延長なら好きにやってくれて構わない。だってbattleship(戦艦)だってmastership(支配)だって、scholarship(奨学金)だって語尾はSHIPだから!
夏本番は、まだまだ続く!
マスターの桂木京介です。
獅子目 悠月さん、オルカ・ヴィヴァルディさん、ガイドにご登場いただきありがとうございました。
ご参加いただける場合はガイドの内容は気にしなくて大丈夫です。ご自由にアクションをおかけください。
シナリオ概要
やっぱり暑い真夏七月です。学生はまだ学校があります。社会人は、どこまで暑くたって社会人生活続行中でしょう。そんなある日あるときある場所のお話を描写したいと思います。
舞台も時間帯も自由です。
今回はrelationshipの『SHIP』をテーマにしていますが、そういうアクションが多いといいな、と私が勝手に思っているだけなので、ガイドで示したように『関係性』にこだわる必要は実はありません。
NPCについて
制限はありません。ですが相手あってのことなので、必ず希望のNPCに会えるとは限りませんのでご了承下さい。
といっても登場させる努力はします。
します、が……ボヤボヤしてると『夢オチ』が後ろからバッサリだ!(夢オチになったらごめんなさい、という意味です)
※NPCとアクションを絡めたい場合、そのNPCとはどういう関係なのか(初対面、親しい友達、ライバル同士、愛人、等。参考シナリオがある場合はページ数まで案内して頂けると大変助かります)を書いておいていただけないでしょうか。
また、必ずご希望通りの展開になるとは限りません。ご了承下さい
それでは、あなたのご参加を楽しみにお待ちしております。
次はリアクションで会いましょう! 桂木京介でした!