this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
S・H・I・P・S
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
11
つぎへ >>
休日の図書館は静かだ。
冷房の音すら聞こえるほどに。
優木 遥斗
にとっては、いささか慣れぬ雰囲気である。
静けさそのものには慣れてはいる。だがそれは試合前の剣道場などであり種類が異なる。竹刀ではなく本棚に相対するというのは、まったく異類の緊張があった。
グレーのカーペットを歩きながら、自分が浮いていないか気になった。
泰葉さんと出会って――。
思う。
今の自分に足りないものが見えてきた。
具体的に言えば、
勉強しないとまずい……。
ということだ。
アムリタという別の世界での邂逅とはいえ、
泰葉
(五葉泰子)の言葉に遥斗は内心焦りを感じた。
大学に進学したいと泰葉は言っていた。
勉強、遥斗にとっては苦手分野だ。
――嫌いではないけれど、結果に結びつかない。
厳しい現実を直視しよう。遥斗の学業成績は、留年しないラインを守っている程度だった。
試験前にはアルバイトを断ろうかと思っても、頼まれれば休みにくく、自分の食生活のことを考えると続けたいという意志が勝る。
参考書も思ったより高く、資金面でも不利だった。
なので今日、早番のバイトが終わったその足で、遥斗は寝子島図書館に立ち寄ったのだった。
勉強をしようにも何から手をつければいいかわからない。
だから、まずは本を読むことに慣れないと……ということだ。初歩の初歩からのスタートなのだ。
密林のように茂る本棚と本棚の合間に、意を決し遥斗は足を踏み入れた。
うっすらかび臭い本棚の匂い。
進むに従ってそれが濃くなる。
この図書館のどこにどんな本があるか、それを眺めようとするのだが、徐々に息苦しくなってくる。
スチール製の本棚なのに、それがいともたやすく崩れ両側から倒れてくるのではないかと想像した。そうして圧迫される。死に至る……。
駄目だ。
遥斗は早々に結論づけた。
自分は、この場所に似合わない。
出口をめざし方向転換したところで、少し離れた書棚に見覚えのある背中を見つけた。
見間違いかもしれない、と近づいてみる。
女性だ。本棚の高い位置に手を伸ばしている。
あっ、と声が漏れそうになった。
彼女は左手首に、見覚えのあるブレスレットをしている。
呼びかけるべく上げかけた右手をとっさに左手で押さえ、息を殺して遥斗は別の書棚の陰に隠れた。
落ち着け、と自分に言い聞かせる。
泰葉さんも本を読むことはあるだろう……。
『ファンタジー小説みたい? 同僚でそういうの好きな娘がいて、貸してもらったりしてるからかな?』
以前交わした会話が脳裏に蘇った。
静かに空気を吸い込む。
いま、彼女に声をかけることはためらわれた。
自分も自分の、すべきことに集中しよう。
そう決めると楽になった。
――なにを怖がっていたのだろう。たかが本じゃないか。
そもそも迷い込んでいた書架が見当違いだったのだ。まず好きな分野を眺めるべくスポーツ関係のコーナーに向かうと、剣道の記録といったなじみ深いもの、メンタルトレーニングに関する本など興味をそそるものがいくつも見つかった。
数冊拾い読みして一冊選び、これは借りようと手に持つ。
その本をお守り代わりにして、つぎはいよいよ、現代文の文章の書き方に関する参考書を探しにいった。
すぐに見つかる。入門書らしく内容も平易のようだ。
軽く見回して泰葉の姿がないことを確認し、遥斗はスタンドと囲いのある読書ブース、それも一番隅の場所を選んで入った。
そうして集中し、参考書を読み進めたのだった。
面白い、そう思った。
幸運だったのだろうか。相性のあう参考書だった。具体的な事例も多く含まれており、気がつけば二時間近く読み進めていた。
ちょうど切れ目の部分で一息つくと、これも借りて帰ろうと遥斗は決めた。続きは家で読むとしよう。試してみたくなる内容も多い。きっと役立つだろう。
よし、と立ち上がったところで、今度こそ遥斗は小さく声を上げてしまった。
「……こんにちは」
泰葉だ。外出用のサングラスを取って微笑んでいる。ナチュラルメイクというのだろう、しっとりとつややかな目をしていた。
「お勉強?」
図書館なので抑え気味の声である。遥斗も同じ調子で返した。
「試験勉強で……」
「そう、精が出るね」
泰葉はバッグを手にしている。もうひとつ、モスグリーンのエコバッグを提げていた。膨らみかたから察するに、借りた本を入れているのだろう。
「でももう帰るところです」
「偶然ね、私も」
違う、と遥斗は直観的に思った。
たまたま帰りがけなのではない、彼女は待っていてくれたのだ。集中している自分を邪魔しないよう、近くの席で。そうでなければ、本の貸し出しを終えてまだ館内にいる理由がないではないか。
どの時点で自分に気がついたのか、それはわからない。
でもこれだけは言える。
――泰葉さんは遠い存在と思っていたけれど、自分が思っているよりも近い場所にいる気もする……。
泰葉を意識しながら図書カードを作り貸し出し手続きを終えて、遥斗は彼女と並んで図書館を出る。
「軽くご飯にしない? 私も夜から出勤だからそんなに長くはいられないけど」
何気なく泰葉は言ったのだが、遥斗は飛び上がりそうになる。
「いえ、あの、今日、あまり持ち合わせが……」
こんなことなら出がけにちゃんと用意しておくのだったのにと悔やむも、なに言ってるの、と泰葉は笑った。
「大丈夫、お姉さんがおごってあげるから。まだ」
と左手首を上げて、
「このお礼もしていないしね」
サングラスをかけ直すと、ふっと口元に泰葉は笑みを浮かべた。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
S・H・I・P・S
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月09日
参加申し込みの期限
2018年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!