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黒い本繻子(サテン)織に砂金をふりまいたよう。
窓越しに一望する寝子島の夜景だ。ため息が漏れそうになる。
来て良かった、と
獅子目 悠月
は思った。
全面張りの窓には、自分と
オルカ・ヴィヴァルディ
が映り込んでいる。
「まだ少し、ひりひりするな」
オルカは軽く肘を上げ、夜会服の袖越しに腕をさすった。
「日焼けしたかもしれない」
そして悠月に向けて目を細め、くすりと微笑するのだ。まるでこれが、ふたりだけの秘め事であるかのように。
昼間は海に行った。透明な波に身を任せ、二頭のイルカになったようにじゃれ合っては夏の夏らしさを愉しんだ。陽射しはきつかったが水中なら、淡く暖かい羽衣のように感じられたものだ。
大ぶりのワイングラスがふたつ運ばれる。
グラスを満たすのは、濃く赤い液体だ。
「mosto(未発酵の葡萄ジュース)でございます」
ウェイターが恭しく告げて下がった。
「ふぅん」
悠月はグラスを手にして軽く嗅いでみる。一瞬、ここがどこなのか忘れるほどの良い香りだ。葡萄樽置き場に迷い込んだような心境になった。
つづけて口に運ぼうとしたところで、
「待って待って、急がないで」
オルカが軽く手を振って止めた。
「せっかくだし乾杯しようよ。海の思い出と、このかけがえのない夜を祝ってさ」
「かけがえのない……そうだな」
まったくその通りだ、と悠月は告げた。
一流ホテル『ステッラ・デッラ・コリーナ』、そのペントハウスにあるレストランだ。悠月とオルカは窓際のテーブルに通されていた。
各界の名士、ときとして諸外国の王族すらお忍びで訪れるというこの店に、今宵は特別な催しが用意されている。
スペイン料理の一流シェフが、特別来日し腕を振るっているのだ。これは毎年のイベントで、昨年はイタリア料理、その前はフランス料理の一流どころが訪れたという話である。
この話はあまり大々的に広告されているわけではない。しかし知る者は当然のように知っており、目が飛び出るほどの値段ながら、毎年瞬時にしてチケットは完売するらしい。見渡せば、著名な評論家、女性タレントや、国会議員の姿もちらほら見えた。某ハリウッドスターに似た風貌の男性が、サングラスをかけたまま談笑している姿もある。来日の話などなかったはずだから見間違いかもしれないが、ひょっとしたらひょっとするかもしれない。
オルカが告げた。
「じゃあグラスを合わせようか」
「俺たちのfriendshipに、とでも言えばいいのか?」
クスクスと悠月は笑ってしまう。
聖歌隊の衣装を着込んでいるときに、背中を撫でられている気分とでも言えばいいだろうか。
儀礼的で、勿体ぶっていて、だけども愉快だ。
「いいね、そうしよう。friendshipに」
「friendshipに」
冴えた音。
ふれ合う程度に軽くグラスを重ねた。
イメージ通りだ。口に含むと葡萄の、深く甘い味が口中にひろがる。
しかし――悠月は思わずにはいられない。
friendshipか。
やっぱりアイツにとっては友情の一種なんだろうな、と。
けれど悠月はどうしても、ただの友情だとは思うことができない。
当たり前だ。ステージの上の感覚を思い出せば――。
悠月はオルカを見つめる。
彼は正面に座り、残りを飲み干すでもなく、かといって置くでもなく、ただ赤い色を焦らすようにしてグラスを回していた。
なんだかアイツの方が余裕だ。
これは苛立ちだろうか、それとも嫉みだろうか。けれど負けているという気がした。
――アイツはアイツなりに思うところがあるだろうけど。
自分が抱えてるこの厄介な感情とは違うのだろうな、そう思わざるを得ない。
料理が運ばれてくる。
彩り野菜のサラダの後、
「bollo preno(ボーヨ・プレニャーオ)でございます」
とウェイターが運んできたのはロールパンだった。Sobrasada(ソプラサーダ)なる熟成生サラミがくるまれているという。
「ソーセージパンのようなものか?」
悠月が問うと、それに近いね、とオルカは返した。
「だけどもっと……力強い味というか」
そういうものか、とわかったようなわからないようにつぶやいて悠月はこれを口に運び、ああ、とたちどころに理解した。
サラミというよりはパテというべきだろうか。塩気が強く濃い味の練り物が舌を刺激する。しかしふかふかのパンがしっかりと受け止めてくれるので味のバランスはよく、いくらでも食べられそうだ。欠点があるとすれば喉が渇くことくらいだろうか。葡萄ジュースで潤す。
続いて現れたのはフォアグラの小皿、といってもフランス料理のように塊で出るわけではなかった。フォアグラとリンゴ、それに鱈を組み合わせたミルフィーユという形状でやってきた。
「不思議な感覚……甘くて塩味で濃密で、でも爽やかで……」
悠月は我知らず恍惚とした表情を浮かべている。しっとりとした舌触りもたまらない。
なんだか一気に平らげるのが惜しくなって、小片ずつ切り分けて口に運んだ。
悠月の白い指がナイフとフォークを、指揮者のタクトのごとく泳がせる。優雅に、けれど寸分の狂いもなく。
オルカもフォアグラを味わっていた。けれどもある意味彼がそれ以上に味わっているのは、悠月の上品な食べ方であった。
――ああ、いいな。
悦びとともに思う。
特別な空間で、特別な相手とおいしいご飯……最高に幸せだよね~。
しかも悠月の器用なナイフ使いときたら、最高にセクシーと言っても過言ではない。
君のミルフィーユがうらやましいと言ったら、さすがに引かれるだろうか。
オルカの夢想はしかし、唐突に破られた。
「……どうかしたか?」
手が止まっていることに気がついたのだろう。悠月が顔を上げ訊いてきたのだった。
榛色の瞳に、かすかな不審を込めて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月09日
参加申し込みの期限
2018年11月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年11月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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