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月夜に届く笑い声
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月が綺麗な夜だった。時間帯もあるのか。恋人と思われる人達が道を行き交う。
八神 修
と
椿 美咲紀
は並んで歩いていた。共に学生服であった。
道を隔てたところに安っぽいネオンサインを目にした。何とはなしに見ながら修は口を開いた。
「数学を教えた礼の食事と聞いていたのだがな」
「ハンバーグが美味しかったよね」
ポニーテールを揺らして美咲紀は笑顔で言った。
「たまにはファミレスも新鮮でいいか」
「また、勉強を教えてね。今度は同じお店でオムレツだよ」
「できれば次は手料理に」
「あ、飲み物が欲しいかも。少し待ってて」
椿は目にしたコンビニに走っていった。
「次もファミレスになりそうだ」
修は腕を組んだ姿で電信柱にもたれ掛かった。
手前の信号が赤に変わる。待っていた人々が横切っていく。その中に子供の姿があった。散切り頭で横顔は幼く、浴衣を着ていた。
修は目を凝らした。
「身体が透けている。幽霊なのか?」
周囲の人々に反応はなく、子供は海の方向に消えた。
「あちらは海岸。いや、公園も考えられるな」
「かなり待たせちゃったかな、てへへ」
「それはいいが何を買ったんだ?」
椿は丸々と膨らんだビニール袋を提げていた。
「飲み物と駄菓子だよ」
「ファミレスのハンバーグはどこに消えた」
「駄菓子は別腹だよね」
「牛と同じ構造か」
修の冷静な返しに椿は人差し指を角に見立てて、うんもぉー、と笑顔で鳴いて見せた。
「楽しいトークはこれくらいにして、海浜公園に行くよー」
「俺もそれには賛成だ」
二人は道なりに左へと曲がった。途中の信号は青で渡れた。幸先の良さを喜んでいる間に寝子ヶ浜海浜公園の一部が見えてきた。
待ち切れないという風に椿は走り出した。ビニール袋が左右に大きく揺れる。
修は口の端で笑って歩く速度を上げた。
「食べ物が絡むと足が速くなるのか」
修は誰もいない公園沿いの道を眺めた。特に急ぐでもない様子で公園に足を踏み入れた。
すぐに子供のはしゃぐような声が聞こえてきた。椿の声も混ざっているようだった。
「どうして、こんなことになった?」
公園の中程で椿は小さな子供達に囲まれていた。早くやろうよ、と腕や足を引っ張る子供もいた。実際には力が入っていないのか。突っ立ったままの椿が困った顔で笑っている。
「迷子かなと思って声をかけちゃって。その後でおかしいことに気が付いたんだけど、放ってはおけないよ」
「本当にそれだけか。先程から子供が催促しているようだが」
「コンビニでこっそりと魅惑のアイテムを買っちゃいました」
椿はビニール袋から花火セットを取り出した。
「ここで花火は迷惑が掛かるかもしれない。桜川の河川敷に移動する」
「河川敷で花火もいいね。ホタルとかいるかな」
「……ホタルは虫だ。尻の部分が酸化反応によって発光しているに過ぎない」
「でも、ホタルの優しい光って素敵だよ」
椿はうっとりとした顔をした。
「わたしもホタルが見たい」
「ぼくは花火がいい」
「どっちも見たいから、早く行こうよ」
子供達の声が徐々に大きくなる。椿は子供達に囲まれて川に移動した。
「光だけで本体が見えなければ、なんとかなるか」
修は顎先に手を当てて付いていった。
公園に隣接した形で桜川は流れていた。程良い広さの河川敷には相応の繁みがある。耳を澄ますとコオロギの涼やかな鳴き声が聞こえてきた。
修は隈なく目をやる。緑色の発光体はどこにも飛んでいなかった。
「ホタルの時期には早かったか」
「残念だね。そんな湿っぽい時には花火だよね」
椿が花火セットを高々と掲げた。大喜びの子供達が跳ね回る。
「俺はビニール袋に水を入れてくる」
「池がいいと思うよ。私の方は先に始めてるね。子供が限界みたいだから。最初はシュワワな火の大きめのタイプからいくよー」
椿は一本の棒状の花火にライターで着火した。先端から勢いよく赤い炎が爆ぜながら噴き出した。鮮やかな緑や黄色に変化して一同の目を楽しませた。
「良い化学反応だ」
ビニール袋の中身を取り出したあと、修は池に向かって歩き出した。
修が水を持ち帰ると、花火は質素な物に変わっていた。
椿が指先に摘まんでいたのは線香花火であった。砂糖菓子のような繊細な光が弾ける。子供達は膝を抱えた姿で見入っていた。
「ああ、落ちちゃう」
「もう少しがんばれ」
小さな玉は真っ赤になって細い汗を撒き散らす。小刻みに震えて踏ん張って、力なく落ちていった。子供達の残念そうな声が上がる。
その過程を見ていた修は納得したかのように頷いた。
「線香花火は簡単に作れる。硝酸カリウム、硫黄、木炭を混ぜて鉄を加える。あとは長持ちするように長い紙縒りで巻いて」
「そんなこと子供に言ってもわからないよ。それに長い線香花火は私の趣味じゃない」
椿にはっきりと言われて修は苦笑いで頭を下げた。
最後の線香花火が燃え尽きる頃、子供達は淡い光の玉になった。周囲をふわふわと飛んで徐々に高度を上げていく。
椿は夜空を見上げた。
「幸せになれる場所に還れるといいね」
「そうだな。まるで群れをなすホタルのようだ」
「うん、ホタルだよ。とても純粋で綺麗なホタルを一緒に見れたね」
椿の声は少し震えて聞こえた。修は真剣な表情を垣間見せた。
「途中まで送るよ」
「ありがとう。でも、もう少し、こうしていたいかな」
二人は夜空に蛍の淡い光を探した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月15日
参加申し込みの期限
2013年07月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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