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真夏の...Ahh!
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やあ、と顔を上げたとき
香川道太郎
こと
アルチュール・ダンボー
は、ベッドに積んだボストンバッグに衣類を詰めている最中だった。
病室。
白い壁に白いベッド、うっすらとただよってくる消毒液の匂い。
道太郎がいるのはカーテンで区切られた一角だ。
しかし道太郎が著ているのは白い病院着ではなく、シンプルな緑のポロシャツにグレーのジーンズだった。
「今日退院するんだ。でも、お見舞いに来てくれて嬉しいよ」
「おめでとうございます」
「退院おめでとうございますっ!」
ぱっと
佐藤 英二
はお辞儀し、
野々 ののこ
は破顔した。きっと彼女は、その場にクラッカーがあったら勢いよく鳴らしたことだろう。
「ありがとう。佐藤君、野々さん」
と回答した道太郎の血色はかなり復していた。一時期、紙のように白い顔をしていたときと比べると見違えるほどである。特徴的な長い髪は切りヒゲも剃り、怪しいミラーサングラスもやめていたので、ハンサムな好青年になっている。
「お邪魔だったでしょうか?」
「とんでもない、君たちと会うのを楽しみにしていたんだよ。座って座って」
道太郎はみずからベッド脇の椅子を引く。謎の芸術家という雰囲気は消えてしまったものの、優しそうな目と口調は変わらない。
道太郎自身から入院したというメールを受け、彼の入院直後に英二は病院に急行していた。もともと個人的に親しかったということもあるのだが、なぜだかそうしなければならないという焦燥感もあった。
病室で最初に見た彼は、骨と皮ばかりに痩せ、うつろな目をしていた。病気や怪我ではないものの、原因不明の衰弱状態にあったという。
しかし時間は経過した。
道太郎も今ではすっかり元気だ。会うのを楽しみにしていたと言われたことも英二は素直に嬉しく思う。
「あの、これ」
ののこと選んで買った夏みかんを差し出し、三人で分け合って食べる。
「今日は野々さんも一緒なんだね」
「はい。ダンボール芸術家のダンボーさんに会いに行かない? って英二くんが誘ってくれて」
「久しぶりだね、野々さん。入院と聞いてびっくりしただろう。でももうなんとかなったよ」
根を詰めて制作を頑張りすぎたせいかな、と道太郎は言った。入院の原因は、過労と栄養失調によるものと推測されているらしい。
本当は――英二は口にしなかったが、彼に訊きたいことがあった。
かつて道太郎ことダンボーは英二に言った。
野々ののこを守ってほしい、と。
そのとき、よくわからないまま英二は承諾した。
鼻岬洞窟の一件、休日に起こった学校での騒動を経て現在、英二にはようやく、やり遂げたという実感がある。
鼻岬、学校、それに、なにかもうひとつ、しかも前の二つの事件以上に深く、ののこに関わり彼女を救った――そう思えるのだ。
詳細についてはよくわからない。なにかあったはずだ。なのに、なにがあったのか覚えていない。
けれども今ならダンボーに問えると思う。
僕、約束を果たせましたよね?
と。
けれども口に出すのはためらわれた。
代わりに英二が、ダンボーに問うたのはこの言葉だった。
「今後も寝子島でダンボール作品を作られるんですか?」
「そうありたいとは思っているよ。けれど……わからないな」
「そうなんですか?」ののこが言った。「段ボールおみこし、大人気だったじゃないですか。もったいないなー」
「僕はまた段ボール恐竜が見たいですね。男子だからか、恐竜には心惹かれるんですよ」
「女の子だって恐竜好きだよー。私ももちろんね! がお~」
はははと笑ったそのとき、偶然英二は道太郎と眼があった。
道太郎、いや、ダンボーは静かにうなずいた。
きみが本当に言いたいことはわかってるよ、と言っているかのように。
あるいは、ありがとう、と言っているかのように。
英二はうなずき返した。それだけで十分だと思ったからだ。
やがてダンボーは立ち上がった。
「話せて良かった。また、なにかできそうだったら連絡するよ。実は……僕の兄もこの病院に入院しているんだ。だから当分は寝子島を離れることはないと思う」
「そうなんですか、それは大変ですね……」
英二は口にするも、それ以上尋ねることは躊躇した。
触れてはいけない、そんな気がしたのだ。
かわりに英二は、新品のダンボール少々と文房具を彼に渡したのである。
「あと、お見舞いのつもりでしたが、これは野々さんと僕からの退院祝いということにしてください。元気になったらさっそく制作したくなるかと思って」
「先生元気でねー! 何かやるなら手伝うよっ♪」
「ありがとう。本当にありがとう。佐藤君、野々さん、二人と知り合えて本当に良かったと思ってるよ」
こうして英二とののこは病院から出た。
「ね、帰り何か食べて行こうよ」
「えっ……どこで?」
「病院一階にあるカフェ! なんかね、夏のスイーツが美味しいんだって」
「牛丼じゃなくて?」
「うん? カフェに牛丼はないんじゃないかな?」
変な英二くん、とののこは笑った。
牛丼じゃない、ということはデートではない……のかなあ?
そんなことを英二は思った。
◇ ◇ ◇
ボストンバッグを提げて、香川道太郎は河原沿いの土手を歩いていた。
しかし興が湧いてきたのか足を止めると、いそいそとバッグを開けた。
もらったばかりの段ボールを取り出し、手早くハサミで飛行機型に切り抜く。
道太郎の手を離れた途端、飛行機はまるで命を吹き込まれたかのうように空を縦横無尽に飛ぶのだった。
「よお、段ボール博士!」
あいかわらずやってるなと笑って、よく日焼けした少女が土手を登ってきた。
「きみは確か……?」
「覚えてねぇか? 前、段ボール騒動ンときとかに世話になった」
「そうだったね。名前は」
「詠。
詠 寛美
だよ博士」
詠寛美――!
道太郎の顔色がさっと変わったことに、寛美は気がつかなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
お色気
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月23日
参加申し込みの期限
2018年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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