【海開き】賑やかな夏のはじまり｜リアクション

【海開き】賑やかな夏のはじまり

　三折部朝衣は再び、寝子ヶ浜海岸へとやってきた。ロングＴシャツにホットパンツを合わせた姿で海の家へと急ぐ。
　更衣室を借りると手早く衣服を脱いだ。コインロッカーに私物を入れて笑顔で砂浜に降り立った。
　トップはオレンジ色でボトムはライムグリーン。バイカラーのホルターネックビキニは若々しさを前面に押し出していた。
「みおりん、こっちこっち！」
　高校時代の渾名で呼ばれて顔が綻ぶ。
「みんなー、お待たせ！」
　朝衣は駆け出した。三人は笑顔で再会を喜んだ。
「NYAINのお誘い、ありがとう。本当に嬉しかったよ」
「そんなのいいって。高校の時はみんなで海開きを楽しんだじゃない」
　朝衣は二人に笑って言った。
「なんか若返った気分！」
　もう一人の言葉に二人は同時に、まだ若いよ、と笑って突っ込んだ。
　その乗りの良さで三人は海に駆け込んだ。海水を掛け合って黄色い声を上げた。
「今の声、色っぽいかも！」
「やめてよ」
　恥ずかしそうに海へと逃げる。別の一人が追い掛けた。
「海なら任せて！」
　朝衣は自信を漲らせた。
　三人は海の中の追いかけっこを楽しんだ。