夜の気配を帯びた群青色の空が鮮やかに割れる。眩い放射状に伸びる光が冷えた大気に熱を吹き込む。
寝子島に新しい朝が訪れた。新聞配達のバイクの排気音が一番鶏となって島内を巡る。
電信柱に括り付けられた看板に朝陽が当たる。寝子ヶ浜海岸へと誘導する内容が書かれていた。
寝子島電鉄の各駅にはチラシが置かれ、今日の予定を知ることができる。
海岸沿いの道では早朝のジョギングに励んでいる者がいた。防風林の合間から見える光景に目を細める。
大気の温度が増してきた。青く澄んだ空に太陽が顔を覗かせる。今日という一日を大いに想像させた。
寝子島の玄関口となる寝子島駅。二人が案内に精を出していた。
島の観光大使、
サンマさんはプラカードを勢いよく掲げる。
「寝子島にようこそ! 寝子ヶ浜海岸ではイベントが目白押しだよ! 島の人気者、サンマさんも後から参加」
「俺様が寝子島を代表するマグロさんだぜ! 島には海の幸が満載だ! マグロ、食えよ!」
「ちょ、ちょっと待てよ。声が被って」
「サンマ、貴様にだけは負けん!」
黒 マグロは野太い声で拳を固める。プラカードを振り回して人々にアピールした。
寝子島シーサイドタウン駅では、新たな観光大使となった
マンボウくんが対応に追われていた。
「寝子ヶ浜海岸はすぐそこだよぉ。お買い物ならキャットロードがいいよぉ~。とても忙しくて、きゅう~」
気絶を堪えて踏ん張った。マンボウくんは平たい身体で人波に分け入る。訪れる人々の案内に努めた。
寝子ヶ浜海岸に多くの人が押し寄せる。解禁となった今日から海の家が整然と建ち並び、その前を水着姿の若い女性がにこやかに行き交う。
海浜公園に近いところには特設ステージが設けられた。一通りの音響機器が演奏者の出番を待っていた。
「海のお祭りを楽しむのヨ」
御薗井 E セレッソは真新しい水着姿で微笑んだ。
寝子島は待望の
海開きを迎えた。
大気の上昇と共に人々の気持ちも高まる。
熱狂的な一日が始まろうとしていた。
ついに海開きの日を迎えました! すっきりと晴れた空の下、情熱の赴くままに行動してくださいね!
本格的な説明に入る前に「黒 マグロさん、御薗井 E セレッソさん」ガイドへの登場、ありがとうございました。
当シナリオにご参加いただけた場合、ガイドに左右されることなく自由にアクションを書いてください。
今回の舞台
日曜日の寝子ヶ浜海岸。空は青く澄み渡っていて天候が崩れる心配はない。
海岸を望むように海の家が建ち並ぶ。飲食の他、オーナーとなって海の家を経営することもできる。
店員として働くことも可能(どちらもアクション次第)。
営業時間は午後7時まで。全ての海の家がその日の営業を終了する。
執事の海の家「マーマン」
以前に出店されたメイド海の家「マーメイド」の姉妹店で店員はオーナー(当人は不在)の希望により、
執事(見た目が男性であれば性別は問わない)となって働く。服装に決まりはなく、
執事らしい対応を取れば、どのような格好でも構わないとされている。
バイトとして執事役で働くと、その日の売り上げに応じた金額がバイト代として支払われる。
店の設備
個人用のシャワールームを完備。ロッカールーム等で貴重品を預けることもできる。
開放的なテラス席では海を眺めながらの飲食を楽しめる(メニューはアクションによって増える)。
イベント、遊具等
1:特設ステージ
寝子ヶ浜海浜公園に近い砂浜にステージが設けられている。
音響機器は一通り揃っている為、自前の楽器一つで演奏が可能。
機材の持ち込みも認められている。自分らしい華やかな舞台を演出することができる(アクション次第)。
演奏に限らず、飛び入りのパフォーマンスを常時、受け付けている。
使用時間は最長で午後9時まで。夜のステージでは照明器具が使える(時間帯は6時以降)。
2:海上に浮かぶ飛び込み台
砂浜から、そう遠くない位置の海上に浮いている(子供でも泳いで行ける距離)。
その上には急角度の滑り台と飛び込み台(どちらも階段で上がる)が背中合わせの状態で作られている。
「子供用、大人用」の区別はないので好きな方を選んで飛ぶことが可能。
※海や砂浜での行動は概ね自由。
無謀な遠泳、または砂浜を占有するような迷惑行為には抑止力が働く(ライフガード等)。
ミニイベント
銘柄当てクイズ
旧市街で酒屋を営む店主の自主企画。「日本酒、洋酒、焼酎、ビール」等をコップに注いで回答者の前に置く。
飲み切ることで解答権を得られる。間違えると店主特製のどぶろく、猫だましいが振る舞われる。
三問正解で勝ち抜け。5000円相当の商品券が進呈される。
大人に混ざって奮闘する子供はジュース当て。間違えると店主特製のブレンドジュース、
猫かわいがりを飲まされる(激甘)。三問正解で3000円相当の商品券が貰える。
※アクションに書く銘柄はぼかしてください。「猫正宗、バニャリンス」等。
ぬるぬるパン食い競争
キャットロードでパン屋を経営する店主の企画。各種のパンは透明の袋に入れられて一本の紐に吊るされている。
高さはあまりないので小さな子供でも参加は可能。ただし足場となる巨大なマットが参加者に試練を与える。
マットの上には天然由来のオイルが塗られていて、とにかく滑る。派手に転んでもマットの弾力で怪我はしない。
1位でゴールすると、店主からパンの詰め合わせを賞品として受け取ることができる。
※天然由来のオイルは美容効果が得られ、自然に分解される成分なので海を汚す心配はありません。
登場可能なNPC
・中沢 リッカルド
言わずと知れた寝子島の町長。海開きのスピーチが終わったあとも寝子島愛で何かと世話を焼いている。
・寝子 サンマ
寝子島の観光大使。直立したサンマで手足は細い。それでいてアグレッシブ。監視員として精力的に動いている。
・浜 マンボウ
新しく加わった観光大使。虚弱体質ながらも他人の為に精力的に働く。頻繁に気絶するのはご愛嬌。
・桜栄 あずさ
寝子島高校の理事長。自由奔放な人物で海開きを個人的に楽しんでいる。酒の匂いを嗅ぎ取る能力は侮れない。
・野々 ののこ
天界から落ちてきた神様。今では明るくのんきな高校生活を楽しんでいる。今日も元気に走り回ってばっひゅーん。
・メリーさん
神出鬼没の都市伝説。おかっぱ頭の女の子で表情が乏しく、毒づきながらおねだりする。底なし胃袋なので要注意。
※アクションに書かれていなければNPCは登場しません。
説明は以上になります。
舞台は寝子ヶ浜海岸ではありますが、海開きに関係するアクションの場合、可能な限り採用したいと思います。
海に行く前に買い物くらいはしますよね。遊び道具を購入して砂浜に持ち込むことも考えられます。
自由な発想で今日を楽しんでください。そうそう、行き先は絞って計画的に(ダブルアクションくらいで)。