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【変わったイベントと伝説の始まり】
いい加減、萌も気がついていた。
というか、分からないほうがおかしいだろう。
カレーうどんが美味しい定食屋に移動したときは「ユウくんもカレーが好きなんだ!」と単純に嬉しかった。
カレー焼きそばが売りの屋台に寄ったときに「あれ? ユウくんなんだか顔色悪い?」と感じた。
カレーわんこ蕎麦という謎なイベントが行われていた蕎麦屋に入ったときには「そう。そうだったんだ……」と言葉が漏れた。
お花摘みに行くと称して席を立ち、化粧室への入り口から店内を慎重に見渡す。
そして、自分自身に呆れた。
なぜ今まで、あの異様に目立つバンカラ姿に気がつかなかったのか!
そんな萌の前で、巌は雄叫びを上げていた。
「まだまだいけるでのぅ、どんどんこんかい!」
カレーわんこ蕎麦に集中し、妹の監視を忘れている兄。
妹は意を決して近づいていく。
「オニイチャン?」
その瞬間、バンカラ男は固まった。
次第にしずくのような汗を額に浮かび上がらせる。
「お、おう、萌か。奇遇じゃのう~」
しかし、カレーがかかった蕎麦を食べ続けることはやめない。
普段カレーを扱わない蕎麦屋にしては、カレーの質が高かったのだ。
蕎麦と合うように試行錯誤した努力が伝わってくる良カレーである。
それが次から次へとお椀に継ぎ足されるのだから、カレー好きにとっては嬉しい悲鳴を上げたくなるというもの。
止められるわけがない。
いつもなら共にカレーを味わう萌だったが、今だけは共感するつもりがなかった。
「ここでなにしてるのかなぁ?」
「見て分からんか? カレーわんこ蕎麦に挑戦中じゃ!」
「そうじゃなくて、なんでここにいるかってことだよ!」
「食べ尽くしチケットがあるんじゃ。ここに入らぬ手はないじゃろうが」
「そーいうことじゃなーい!」
開き直った巌は、カレーわんこ蕎麦に集中することで誤魔化す気のようだ。
萌としては冗談ではなかった。
せっかくのデートに水をさされたとしか感じない。
「もう! 信じらんない!」
兄のことは嫌いじゃないが、ここまで干渉されると流石に腹が立つ。
どうしてくれようか、と考えていると、事態は急展開した。
『152杯目入りました! 記録更新です!』
『いや、153杯目入りました! 女の子なのにすごい!』
店内に歓声が沸き上がり、萌も巌も思わず言い争いを止めて、そちらを見た。
一つのテーブル席に向き合って座る若い男女が、すごい勢いで蕎麦を食べ続けている。
「あんた、なかなかやるね」
「あなたもね」
周りの雰囲気もあってか、ライバルっぽい会話をして蕎麦をすする二人。
意外とノリノリでわんこレースに没頭している
北里 雅樹
と
楡宮 遠海
だった。
二人とも寝子島のあらゆる食事処に挑み続け、たまたま同じ時間にこの蕎麦屋に入ったのだ。
もちろん狙いは、期間限定イベントのカレーわんこ蕎麦。
もともと二人ともかなり食べる方で、さらに食べ尽くしチケットの所有者。
150杯程度で止まる気配はまったくない。
「あれ、寿司屋で全メニュー制覇したって子じゃないか?」
「あの男の子も、さっきカレーショップでジャンボカツカレー特大盛りを20分以内でクリアしたって話よ?」
「え? 中華店でファミリー向けフルコースを一人で食べたんじゃなくて?」
「それ、女の子のほうだろ。男のほうは焼肉屋で特盛コースを食い尽くしたらしいけど」
あちらこちらで『食べ尽くし』してきただけに噂が広まっていたようで、周囲の見る目はもはや大食いタレントに対するものと同じだ。
「どっちもすげえな」
「二人とも美味そうに食べるよねぇ」
「よっぽど食べるのが好きなんだね。これも愛ってやつ?」
盛り上がる観客。
その聞き捨てならぬ言葉に、巌は立ち上がった。
「愛じゃと? なら負けるわけにゃあいかん」
そう。雅樹と遠海は、カレーわんこ蕎麦で競っている。
美味しそうに。飽きることなく。
そこには確かに、食への愛がある。
そうだ。食、すなわちカレーへの愛がある!
なら、これは自分に向かって放たれた手袋。
カレーへの想いの深さをかけて行われるデュエル。
カレーを愛する巌にとって、逃げることは許されない聖なる決闘だ。
バックにスパイスの香り漂う黄色い炎を背負い、瞳に熱い決意がみなぎる。
巌は、そばで麺を継ぎ足していた店員に話しかけた。
「わしゃ、今何杯か」
「え? えっと137杯目です」
「ちょうどええハンデじゃあ! どんどんもってこい!」
「あ、あの~。お兄ちゃん?」
カレー魂に火がついた巌には、妹の言葉も届かない。
先行する二人を追って、ひたすらにカレー蕎麦をすする。
もちろん味わうことも忘れない。ただ食するだけなど、カレーへの冒涜だ。
『おおっと、ここですごい追い込み! バンカラのお兄さんが参戦だ!』
アナウンスを聞き、雅樹は眠そうな目にやや力を入れた。
「すっげえ勢いだな。負けてらんねぇ」
「別にいいんですけど、ここで降りるのも空気読めてないかな?」
本心ではそれほど勝負にこだわっていない遠海だったが、周囲の勢いもあり、とりあえず自分のお腹が満足するまでは付き合おうと決心する。
『3人とも200杯突破! これは目が離せないーッ!』
アナウンスも加熱し、周囲はますます謎の盛り上がりを見せていた。
萌を置き去りにして。
なによ、これ。どうすればいいっていうの~?
わんこ蕎麦に挑む兄の姿を前に、なんとも言えない虚脱感に見舞われる。
もうどうでもいいかな、と思いかけた時、萌の手をとったのはユウだった。
「え、ユウくん?」
「しー! 静かに。このまま次の店に行こうぜ。お兄さん、蕎麦に夢中みたいだし」
それは決して狙ったわけではなかった。
単純に、巌に追われるように店をはしごしていただけ。
しかし、結果として最高の場所に行き着いたことをユウは知った。
一度始めたら、止めるタイミングが難しいわんこ蕎麦。
しかもカレーが使われているとなれば、巌としてはますます止める理由がない。
カレーわんこ蕎麦は、カレー好きを足止めするならもってこいのイベントだったのだ。
実際に巌は食べることに夢中で、妹を見失った。
まして、強敵相手にしのぎを削る戦いに発展した今の状態では、萌とユウが移動したところで気がつかないだろう。
萌もカレーわんこ蕎麦には興味津々だったが、今回はカレー道がすべてではない。
ユウとのデートも大事な目的なのだ。
せっかくだもの。ユウくんと楽しく過ごしたい。
「うん、行こっか。今度は揚げたてが美味しいって評判のカレーパンを食べよう!」
「結局カレーなのな」
「それは当然!」
「ま、いっか。とにかく行こうぜ」
店員にチケットを見せて、静かに蕎麦屋を出る。
今度こそ、二人っきりのデートだ。
ユウがどう思っているのかは謎だったが、少なくとも一緒にいたいと思ってくれているのは確実。
兄を撒いてまで、デートを続けてくれているのだから。
「えへへ、ユウくんありがと!」
「へ? なにが? 俺こそ誘ってくれてありがとう、なんだけど」
「ううん。いいのいいの」
「よくわかんねー」
カレーパン食べたら、今度はユウくんの好きなところに行こうかな?
萌はこれからの予定に心躍らせながら、ユウの隣を歩き出した。
* * * * *
「どうだ、見直したか、萌! ……萌? おらん! 一体どこ行った!」
戦いが終わり、辛くも1杯差で勝利を収めた巌が周囲を見渡した時、すでに妹の姿はなく。
慌てて追跡するも、一向に見つけることができなかった。
それは萌がカレー関連以外の店もルートに入れたせいだった。
カレー店ばかり突撃する巌の想定外。
もちろんその店ごとにカレーを堪能するから、さらに追跡が困難になった。
「ぬぬう、ユウめ。許さん。許さんぞ!」
すべての責任を相手の男に転換した、巌の雄叫びが響き渡る。
ちなみに巌に負けたとはいえ、同じく2位だった雅樹と遠海はというと。
「なあ、たぶんだけど、あんたもチケット持ってるんだろ。もうひと勝負どうだ?」
「ええ、いいですよ。引き分けのままっていうのもひっかかりますし」
「お、いいねぇ。じゃあ、今度はステーキな」
「ステーキなら、いま限定のイベントしている店がありますよ」
どうやら意気投合したらしく、その後も食べ尽くし行脚を続けたのだった。
各店で大食い関連のイベント記録を塗り替えていったため、「幻の大食いペア」は小さな都市伝説にまで発展することになる。
後日、その噂のせいで二人はちょっとしたトラブルに巻き込まれることになるのだが、それはまた別のお話。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月22日
参加申し込みの期限
2018年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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