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【幸せなシチュエーション】
その日、
御巫 時子
は公園の片隅にあるベンチに座って、小鳥たちの会話に耳を澄ませていた。
鮮やかな若葉を揺らす爽やかな風と、中天に向かって急ぎ始めた太陽が注ぐ健やかな光が木漏れ日となって、なんとも心地よい。
時子にとって、いつも通り。
大好きな時間だが、特に目新しいこともない日常の一コマだった。
親しくしているスズメが、その身体よりやや大きな紙をくわえてくるまでは。
『これ、あげる』
「あら、プレゼントですか? ありがとうございます」
受け取った紙は、どうやらチケットのようだった。
「寝子島食べ尽くし?」
チケットの説明文を読んで、少しだけ胸を高鳴らせる。
時子も年頃の女の子。
料金も、太ることも気にせずに、好きなものを好きなだけ食べられるとなれば、心が弾まないわけがない。
好きな人と一緒なら、なおいい。
そう思った時、時子にとって必然であってほしい偶然が起こった。
「あら、尚輝先生」
「おや、御巫さん」
休日だというのにいつもの白衣に身を包んだ
五十嵐 尚輝
が、コンビニ袋を手に下げて歩いている。
時子は小鳥たちに一声を掛けると、尚輝へと駆け寄った。頬の熱さを自覚しつつ。
「尚輝先生、どうしてこちらに?」
「コーヒーが切れていることに気がついてですね。ちょっと買い物に行った帰りです」
ボサボサの髪をかきながら、小さく答える尚輝。
おそらく、また研究室に泊まり込んでいたのだろう。
いつもながらの尚輝の言葉に、小さく笑みを浮かべた時子は、唐突に良いアイデアを思いついた。
「尚輝先生、もし食事がまだでしたら一緒に食べに行きませんか? 食べ歩きチケットを頂いたのですが同伴者も有効らしいんです」
「ええ? 僕がご一緒していいんですか?」
「もちろんです!」
戸惑いながらも頷いた尚輝に、時子はホッとした。
よかった。これで尚輝先生にしっかり栄養をとってもらえる。
もともと食が細く、実験に熱中すると食べることを忘れがちになる化学教師について、常々心を配っていた時子。
そんな彼女にとって、チケットはまさに神様からの贈り物のように思えた。
あの子にも感謝ですね。
心の中で、チケットを届けてくれたスズメに礼を言う。
今度、小鳥用のご飯をご馳走しよう。
「どこに行きましょうか?」
「御巫さんのお好きなところでいいですよ」
「いいんですか? ……えっと、甘味処なんてどうでしょう」
「甘味処……」
素直に行きたいところを口にして、間違いに気づく。
「あ、あの、すいません。お食事にお誘いしたのに甘味処では違いますよね」
恥ずかしそうに笑いを浮かべた時子は、柔らかな視線に気がついた。
それは長くクシャクシャな前髪に隠れていて、はっきり見えた訳ではなかったけれど。
「いえ、ちょうど糖分が欲しいところでした」
「……尚輝先生、ありがとうございます」
「お礼を言うのはこちらの方です。……でも生徒にご馳走になるなんて、もしかして教師失格ですか?」
「ふふ。いつもお世話になっていますから、遠慮なさらないでください」
いつしか、普段の放課後のような会話が続いている。
……だから、好きなんです。
素直な言葉を飲み込んで。
でも、いつもよりほんの少しだけ彼に寄りそって、時子は目的の店を目指す。
暖簾をくぐって店員にチケットを見せたら、微笑みをもって歓迎された。
「はい。お使いになれますよ。こちらへどうぞ」
テーブル席に案内される。
木や畳の香りが心地よく、内装は茶室を思わせるデザインで、密かに人気がある店だ。
「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください」
「先生は何になさいますか?」
「御巫さんは?」
「私は、……そうですね、あんみつと善哉にしましょう」
いつもぼんやりとした雰囲気の尚輝が、ふわりと笑った。
「どうかしましたか?」
「いや、あんみつと善哉って、女の子ですね」
時子は頬を膨らせた。熱くなった顔を誤魔化すために。
「私はもともと女の子なんですけれど」
「あ、いやいや、そういう意味じゃなくて、その」
慌てる姿が面白くて、わざと装った不満顔もすぐ消えてしまう。
「嘘です。分かってますよ」
そんなささやかな一言で心底ホッとしていると分かる姿も、なんだか可愛くて。
可愛いなんて、失礼でしょうか。
でも、そんなところも好きなんです。
「お決まりになりましたか?」
「え、っと。僕はみたらし団子とお茶。この子はあんみつと善哉を」
「かしこまりました」
空気を入れ替える絶妙なタイミングでの接客。
先程までの慌てぶりが嘘のように、落ち着いた想い人を前にしてあんみつを待つ。
神妙な沈黙。
そんな言葉ない時間すら、楽しいと思えてしまう。
それは相手が尚輝だから。
あんみつも、善哉も美味しい。
追加で頼んだ抹茶パフェも絶品。
でも、分けてもらったみたらし団子が、何よりも美味しかった。
お返しに一口渡した後の善哉は、なぜか格別に思えた。
時子はふと気がつく。
尚輝と一緒に食事をする。
ただそれだけで、十分すぎるほど満たされている。
自分にとって大切なのは、「何をどのくらい食べるのか」ではなく「誰とどのように食べるか」なのだろう。
そして、もう一つ、幸せな事実を確認する。
「チケットをくれた鳥さんに感謝です」
「なにか言った?」
「いいえ、なんでもありません」
食べ尽くしチケットは、24時間食べ放題。
しかも満足感はあっても、満腹感は少ない。
つまり、時間と気持ちが許す限り、一日ずっと二人で食べ歩きできるということ。
先生に栄養をとってもらいたいという気持ちは、もちろん本心だけれども。
できるだけ長く側にいたいのも、偽りない気持ちだ。
「尚輝先生、やっぱり甘味処だけではお身体に悪いですよね。この後、定食屋さんに行きませんか?」
「え、いや、それはありがたいけれど」
「食べたいものがあったら、言ってくださいね」
またも挙動不審に陥る尚輝。
しかし、拒否はしなかった。
先生も私と同じ気持ちだといいのですが。
……今、この瞬間は、そう思ってもいいですよね? 尚輝先生。
この後、時子にとって。
そして、おそらくは尚輝にとっても。
お腹も心も満たされる、食べ歩きになったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月22日
参加申し込みの期限
2018年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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