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寝子島食べ尽くし紀行
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【足るを知る】
朝、
八神 修
が自宅の郵便受けから新聞を取り出すと、小さな紙切れが紛れ込んでいた。
「寝子島食べ尽くしチケット?」
裏面の説明を読みながら、思索にふける。
こんなチケットが実際に出回っていたら、確実に噂になっているはず。
しかし、そんな情報はまるでなかった。
神魂事件に巻き込まれることが多い修は、常日頃から意識的に情報を集めている。
だからこそ、この出所不明のチケットに興味を惹かれた。
こういう時、まずすることは決まっている。
「検証だな。本当に使えるのかどうか」
近くのコンビニで、朝食用にサンドイッチを買ってみる。
結果は是。
実際に購入できたし、店員の接客はいつもと変わらなかった。
問題は、店員に聞いてもどこが発行しているチケットなのか不明であること。
このような企画に参加する業者と主催者との間には契約が生じるはずで、スタッフも知らないなんて考えられない。
「……まさかこれも神魂のしわざ、とか」
ありえなくもないところが、寝子島の不思議だ。
なんでも神魂に結びつけるのは、思考の硬直につながるから忌避すべきだけれども。
だが、それならそれで、と開き直る修。
害があるわけでもなし。存分に楽しんだほうが建設的だろう。
神魂事件に慣らされすぎている自覚がある分、修は複雑な笑みを浮かべる。
さて。楽しむと言ってもどうするべきか。
自分で料理もするし、美味しいものは普通に好きだ。
だけれど、食道楽というほどではないし大食漢でもない。
食べ放題を心ゆくまで楽しむ術が思いつかないのだ。
自分『一人だけ』の場合は。
「……せっかくのチケットだし、使わないのはもったいないよな。うん。そうだよな」
スマホに耳を当てながら、自分に言い訳をする。
思いついた有効活用法は、少々勇気が必要だったので。
* * * * *
「誘ってくれてありがとう、修君」
「いや、俺だけじゃ使い道がなかったからね」
1時間後、修は最近人気が出始めたカフェで、
七夜 あおい
と向き合っていた。
一人で使い切れないなら、誰かと一緒に食べればいい。
それはとても真っ当な結論だったが、人選は完全に個人的な願望によるものだった。
あおいは定番のショートケーキを前に、照れたような笑顔を浮かべている。
「でも『寝子島食べ尽くしチケット』なんて初めて知ったよ。こんなのあるんだね」
「期間限定の特別チケットみたいだから、今後も発行されるかは微妙かな」
「だよね。こんなチケットが度々出回ってたら、私、頑張って絶対手に入れるよ!」
真っ白なクリームと卵色の生地を美味しそうに口にするあおいに、修の頬も自然と緩んだ。
この表情を見れただけでも、誘った甲斐があった。そう思う。
「好きなもの、いくらでも頼んでくれ」
「ありがとう。スイーツは別腹なんだから、覚悟してね」
「ああ、俺も甘いものは嫌いじゃないから付き合うよ」
男として、本当は自分で稼いだお金でご馳走したいと思う。
しかし、意外と男っぽいところもあるあおいの性格では、かえって遠慮されてしまうだろう。
だからこそ無料食べ放題のチケットは、食事に誘う良い口実だったのだ。
カフェのケーキセットは序の口。
二人のスイーツ巡りは、始まったばかりだ。
手始めにケーキセットを堪能した後は、移動販売車でかき氷を買う。
果物直営店では、プリンが添え物でしかないフルーツたっぷりのプリンアラモードを。
野菜とは思えないほど甘いトマトや人参、カボチャを使ったスイーツサラダはオーガニック店で。
様々な店で、いろいろなスイーツを、少しずつ試していく。
合計すれば普段よりずっと多く食べているだろう。
しかし、店舗ごとに食べた量は普通だし、あおいは気になるメニューをあえて残しているように思えた。
「遠慮しなくても、好きなものを好きなだけ食べていいんだぞ?」
「うーん、遠慮ってわけじゃないんだよね」
修の問いに、あおいは少し首を傾げて答えた。
ツインテールがふわりと揺れる。
「だってなんだかもったいない気がするんだもの。全部食べちゃったら次に来たときの楽しみが減る気がして」
「そういうもの?」
「うん。まぁ、でも食べるんだけどね、結局」
ちょっと苦笑いするあおい。
「これって貧乏性っていうのかな? ごめんね、変なこと言って」
「いや、それも1つの考え方だし、いいんじゃないか? それに……」
「それに?」
そういえば兄弟が多いと言ってたな。
あおいの事情を推し量りつつ、修は茶目っ気溢れた声色で告げた。
「全部合わせれば、結構食べてるよな」
「なにそれー! まるで私が大飯食らいみたいじゃない!」
「違うのか?」
「そういう修君だって、すっごく食べてるでしょ」
「たまにはいいかな、と思って」
「私だって同じだよー!」
言葉ほど言い争っているわけじゃない。
むしろ、あおいも楽しそうで。
こんな些細なやり取りが、どれだけ心弾ませることか。
その度に、確認するのだ。何度も何度も。
ああ、やっぱり俺はあおいのことが好きだな、と。
だから、だろうか。
「俺もあおいを見習おうかな」
相手に聞かれないようにつぶやく。
「え、なに?」
「いや、なんでもないよ。ただ満足したなぁ、って思ってね」
一般的な男としては、十分すぎるほどの甘味を口にした。
一人の少女に恋する男としても、甘すぎるほどの時間を過ごせた。
あおいはなんて言ったっけ。
そう。全部食べちゃったら、次の楽しみが減る、だったな。
「さすがにこれ以上は食べられないかな。もしよかったら、チケットあげるよ。友達にも幸運を分けてあげてくれ」
「ええ! いくらなんでも、そんなの悪いよ」
「いや、せっかく今日一日食べ放題なんだから、使わないほうがもったいない」
「でも……」
「では、代わりにまた食事に誘ってもいいかな」
「それはもちろんいいけど」
「なら決まり。甘いものは別腹だろ? 皆で楽しんで」
「……うん。修君、ありがとね」
やっと踏ん切りがついたのか、チケットを受け取るあおいを前にして、修は小さく笑った。
さりげなく次のデートの約束までできたのだから、上々だ。
「また明日、学校で」
「うん、また明日!」
最後に小さな、でも大切な絆を感じさせるやり取りを口にして。
修はチケットに感謝しつつ、幸せな気持ちのまま家路についたのだった。
【終わり】
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あとがき
担当マスター:
阿都
ファンレターはマスターページから!
最後までご覧下さり、ありがとうございました。
大変遅くなり申し訳ございません。
言い訳にしかなりませんが、昨年から今年にかけていろいろとありすぎて、人生がガラッと変わりました。
今もまだ慣れず、四苦八苦しているところです。
その中で書いたリアクションですが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
これからどうなるか分かりませんけれど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月22日
参加申し込みの期限
2018年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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