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【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
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―― 案の定はぐれましたね、あの人。
星見えませんね、くらいに軽い声の調子を脳裏に響かせているのは
加瀬 礼二
。
今夜のセンパイの様子からして、迷子になる予想はとっくに立っていたという表情にて落ち着いたものである。
とはいえ、提灯も消えて頼れるのは時折雲間から覗く月明りと、そして周囲から響く先輩らしき声たち。
『礼二、どこ?』『大丈夫?』『そっちに行くから待っていて』
ひとえに、動揺誘おうと次々と声主たちが本物を似せて紡ぐ言の葉たち。
しかして、一切顔色変える事無くいっそどこか煩わしそうに吐息すらついてから。
「俺、そういうの通用しない人間なんで」
すっぱりと礼二の口が言い放った。
神魂の影響なのか、妖怪妖精の類の仕業かは解りかねるところだが、それが本人のものかどうかなど考えるまでも無い、そう含んだ瞳を向けて。
―― 声色や性格をいくら真似たとて、センパイが俺の名前をそう軽々しく呼ぶはずがないんですよ。
弥逢遊琳という人にとって、『重いもの』なんですよ、『名前』は。
まぁそれ以外にも意味を持っていそうですけれど……と、時折「おまえ」とも自身を呼び掛けて来る瞳を思い返しては、薄っすらと笑みを作る。
他の人はどれだけ気付いていることなのだろうか。
あの人が早々気付かせてやる事なんてしないだろうし、などと本物の姿を思い浮かべながら、さてと礼二は闇夜の声たちへ向き直る。
―― ……暗い。
流石にこういう筈じゃなかったのだけれど。
影に囲まれたた中に、
弥逢 遊琳
本人が立ち尽くしていた。
自分へと掛けられる呼び声、時折その声たち同士で会話しているのすら聞こえてきては、どうにも偽物と本物が混じり合っているようだと推測は出来た。
ほとんどの呼び声が、彼の温度を纏っていない事も。
けれど動けない。
もう少し共に在れる思い出を増やそうかと欲を出した結果なのかもしれない。
趣という空気の中を歩くだけなのが、自分にも、もしかしたら彼にも、負担は無いだろうかと思ったのだけれど。
遊琳は惑う。
偽物の声にではなく、自分自身に。
―― だって今の僕にはベクトルが何も……。
本来在るべき場所に呼ばれてる気さえしてくる。
『僕』はどこに在るべきだっただろう……。
「センパイは其方に行きたいわけではないでしょう?」
「れい、……?」
月明りが語り掛けてきたのかと思って、首を微か動かした。
自分の意思なら引き留めませんけど。姿見えぬまま、そう続いた音の方へと遊琳の足がたどたどしくも一歩を踏み出す。
―― 俺の名前を呼ぶのに、俺にしかわからない程度の「間」を感じる声の主がアタリですかね。
呼び掛けに、聞き取れるかどうかのか細い声がした方向へ、礼二は迷わず進んでいく。
そして見つけた。
ほんの数分ぶりかそこらなはずなのに、まるで長らく迷子になっていたのを見つけてもらった、そんな少し驚いた琥珀の眼差しを。
「ぼんやりして迷子になっているのなら、帰り道を照らす位はして差し上げましょう」
「……大丈夫」
遊琳の焦点が初めて合った気がした。
黒地に白い月が散っている浴衣に今気付いたようにしげしげ見つめてから、それを纏う人物の蒼へと振り仰ぐ。
いつもと変わらない彼。
言っている事は分かるけれど、意味はよく解らなかった。
心がそう捉えたのを実感すれば、遊琳は一度瞼を閉じた。
―― 多分それが“僕達の正解”。
何も変わらないのだ。だから『大丈夫』。
睫毛の影が落ちる瞳が開かれれば、妖艶に、屈託なく、微笑んだ遊琳に今度は礼二が微かに蒼色を見開いた。
そして何も見なかったかのように近寄っては、肩をすくめながら自身の袖をちょいと遊琳の方へとぶら下げる。
迷子になられた事は咎めない。けれど予防策は張らせてもらう。そんなテイで飄々とした言葉が掛けられた。
「すでに前科付きなので。手を繋ぐのに抵抗があるなら俺の袖を引くのでもいいんで、今度ははぐれずにちゃんとついて来てくださいねぇ?」
「信用ないなぁ」
「あると思います?」
“逢い鍵”を渡し合っている関係で、説得力に欠ける言葉を礼二はいっそあえて唱える。
言われた遊琳も口の端を上げては、ならお言葉に甘えようかな、と差し出された袖をつまんだ。
ささやかな動作のはずのそれが、まるで精錬された舞踊のように周囲に魅せた。
「そうそう、これ以上俺達にちょっかいをかけるというのなら……」
このままでは物の怪のプライドがっ、そうまだ粘ろうとしていた気配たちへ礼二は思い出したように言葉を投げる。
「俺の下駄の泥、綺麗にして貰いましょうか?」
暗に、容赦なく足蹴にして雑巾代わりにすんぞ、と爽やかな台詞の中にとんでもない威圧感が漂ったのを、物の怪たちはちゃんと感じ取ったようだ。
一目散に気配が散れば、夜本来の静寂さが二人を包み込んだ。
「あれ、センパイまた痩せたんじゃないですか?」
「そんなにしょっちゅう痩せていられないよ」
「仮にもモデルの目、舐めちゃ駄目ですよぉ」
「そういえば、その浴衣は持っていたものかい?」
「今聞くんですかそれ。まぁいいや……バイトで戴いたモノですよ」
「よく似合っているね」
「どうもぉ」
他愛のない話をしながら、散歩を再開する。
彼の袖をつまむ、己が指先を遊琳は見つめながら。
―― お前はお前で僕は僕。もう少し傍らで咲いていようか。
脚運びに合わせるように、銀木犀と月が並んで揺れるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
102人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月22日
参加申し込みの期限
2018年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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